体操たいそう全日本ぜんにほんシニア個人こじん総合そうごう女子じょし・村上むらかみ、男子だんし・萱かやが優勝ゆうしょう

9月つき20日にちに開幕かいまくした「全日本ぜんにほんシニア選手権せんしゅけん」は大会たいかい最終さいしゅう日びの22日にち、国内こくないのトップ選手せんしゅたちが出場しゅつじょうしました。

このうち、およそ1年ねんぶりの大会たいかいとなった日本にっぽん女子じょしのエース、村上むらかみ選手せんしゅは個人こじん総合そうごうの4種目しゅもくに臨のぞみました。

最初さいしょの種目しゅもく、得意とくいの「ゆか」では持ち前もちまえのダイナミックな演技えんぎが光ひかり、H難なん度どの大技おおわざ、「シリバス」をほぼ完璧かんぺきに決きめるなど、この種目しゅもくトップとなる14.000をマークしました。

村上むらかみ選手せんしゅは、課題かだいの「平均へいきん台だい」でもしゃがんだ姿勢しせいで2回転かいてんターンを決きめるなど大おおきなミスなく演技えんぎを行おこない、4種目しゅもくの合計ごうけいで56.600をマークして優勝ゆうしょうしました。

2大会たいかい連続れんぞくオリンピック出場しゅつじょうの寺本てらもと明日香あすか選手せんしゅは、ことし2月つきに左足ひだりあしアキレス腱あきれすけんを断だん裂してからの復帰ふっき戦せんで、「段違だんちがい平行棒へいこうぼう」のみ行おこない、大おおきなミスのない演技えんぎで、この種目しゅもく2位いとなる13.966をマークしました。

男子だんしでは、去年きょねんの世界せかい選手権せんしゅけん個人こじん総合そうごう6位いの萱かや選手せんしゅが2種目しゅもくめの得意とくいの「あん馬あんば」で、手足てあしの先さきまで伸のびた姿勢しせいから安定あんていした演技えんぎを見みせて、14.933の、この種目しゅもく2位いとなる高こう得点とくてんをマークしました。

課題かだいの「跳馬ちょうば」では難なん度どの高たかい「ロペス」に挑いどんだものの、着地ちゃくちが乱みだれて得点とくてんは14.333にとどまりました。

それでも、6種目しゅもくの合計ごうけいで86.998と、2位いの谷川たにがわ航わたる選手せんしゅにおよそ1点てんの差さをつけて、去年きょねんの大会たいかいに続つづいて2年ねん連続れんぞく優勝ゆうしょうを果はたしました。

リオデジャネイロオリンピックの団体だんたい金メダルきんめだるメンバーの白井しらい健三けんぞう選手せんしゅは、24位いでした。

村上むらかみ選手せんしゅ「完成かんせい度ど高たかめていきたい」

女子じょしの個人こじん総合そうごうで優勝ゆうしょうした村上むらかみ茉愛あい選手せんしゅは、「自分じぶんにとってはおよそ1年ねんぶりの大会たいかいで、演技えんぎの難むずかしさを落おとしもしたが、ミスの無ないいい演技えんぎができたし優勝ゆうしょうすることも楽たのしむこともできた。緊張きんちょうはしていたので、演技えんぎが小ちいさくなったところもあったが、この空気くうき感かんが楽たのしいし、やっぱり試合しあいはいいなと思おもった。これがあるから次つぎのステップアップにつながる」と笑顔えがおで大会たいかいを振り返ふりかえりました。

そして、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで、練習れんしゅうができない自粛じしゅく期間きかんがあったことについて「去年きょねんは腰こしを痛いためてしまってゆかや跳馬ちょうばでいい蹴けりができず、うまく体からだを操あやつれていないと思おもっていたが、自粛じしゅく期間きかん中ちゅう、体からだを休やすめているうちに腰こしの痛いたみがいい方向ほうこうに向むかい、いい蹴けりができるようになってきた。もっと難むずかしい技わざにチャレンジすることも諦あきらめていないので、演技えんぎの構成こうせいを改あらためて見みつめなおして、完成かんせい度どを高たかめていきたい」と前まえを見据みすえていました。

萱かや選手せんしゅ「まだまだ満足まんぞくしたくない」

個人こじん総合そうごうで優勝ゆうしょうした萱かや和磨かずま選手せんしゅは、「全体ぜんたいとして70点てんくらいの出来できだった。東京とうきょうオリンピックで本気ほんきで個人こじん総合そうごうと団体だんたいで金メダルきんめだるをとりたいので、きょうは一ひとつ一ひとつの演技えんぎを見みると良よかったところもあるが、まだまだ満足まんぞくしたくない」と繰り返くりかえし話はなしていました。

課題かだいの跳馬ちょうばで「ロペス」に挑戦ちょうせんしたものの、着地ちゃくちが乱みだれるなどして得点とくてんを伸のばせなかったことについて「とりあえず着地ちゃくちできたのが大おおきい。絶対ぜったいに成功せいこうさせるという気持きもちで着地ちゃくちをしたが、他たの5種目しゅもくに比くらべると仕上しあがっていない。本来ほんらいなら、まだ試合しあいで使つかえないくらいのレベルだったので、次つぎはもっと完成かんせい度どを上あげていきたい」と話はなしていました。

また、新型しんがたコロナウイルスの対策たいさくを施ほどこしながら開催かいさいされた今こん大会たいかいについて「選手せんしゅたちが待機たいきする場所ばしょを1つにまとめることなどは、国際こくさい大会たいかいでたまにあることなので、自分じぶんは全まったく戸惑とまどいはなかった。さまざまな人ひとの工夫くふうとアイデアで開催かいさいされているので、試合しあいができるだけでうれしい」と話はなしていました。

大会たいかいでは感染かんせん防止ぼうしの対策たいさく

群馬ぐんま県けん高崎たかさき市しで開ひらかれた体操たいそうの「全日本ぜんにほんシニア選手権せんしゅけん」では新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんを防ふせぐための対策たいさくが実施じっしされました。

選手せんしゅや関係かんけい者しゃ、観客かんきゃくは会場かいじょうに入はいる際さいに、アルコールでの手て指ゆびの消毒しょうどくや検温けんおんが行おこなわれ、37度ど5分ふんを超こえた人ひとがいた場合ばあいには入場にゅうじょうを禁止きんししました。

また、会場かいじょう内ないには合あわせて100リットルのアルコール消毒しょうどく液えきが用意よういされ、客席きゃくせきや通路つうろ、それにトイレなど至いたるところに設置せっちされていました。

さらに、客席きゃくせきは、座すわっている人ひとと人ひととの間まを席せきふたつ分ぶん空あけ、「コロナ・ガード」という腕章わんしょうをした地域ちいきのボランティアが定期ていき的てきに手てすりや座席ざせきの消毒しょうどくを行おこなっていました。

また、選手せんしゅたちが演技えんぎに臨のぞむ際さいには通常つうじょうはそれぞれの種目しゅもくの目めの前まえに待機たいき所しょが設置せっちされますが、今回こんかいは会場かいじょうの一部いちぶに広ひろいスペースが設もうけられ、選手せんしゅたちは、距離きょりをとって置おかれたイスに座すわって自分じぶんの演技えんぎの順番じゅんばんを待まちました。

選手せんしゅたちが器具きぐの滑すべり止とめに使つかう炭酸たんさんマグネシウムも、通常つうじょうは種目しゅもくごとに共用きょうようしますが、選手せんしゅそれぞれで用意よういして同おなじものを使つかうことがないようにしていました。

そして、選手せんしゅの記者きしゃ会見かいけんの際さいには、報道陣ほうどうじんが質問しつもんで使用しようするマイクが一いち人にん一いち人にん使つかうたびに消毒しょうどくされていました。