相次あいつぐ災害さいがいで災害さいがい廃棄はいき物ぶつ処理しょり費ひ 620億おく円えん超ちょうの見込みこみ

環境省かんきょうしょうは毎年まいとし度ど、２に億おく円えんを当初とうしょ予算よさんに計上けいじょうしていますが、台風たいふうや豪雨ごううなどの災害さいがいが相次あいつぎ、当初とうしょ予算よさんで対応たいおうしきれない年としが続つづいています。

今年度こんねんどは８月はちがつの九州きゅうしゅう北部ほくぶの大雨おおあめや、千葉ちば県けんで大だい規模きぼな停電ていでんが発生はっせいした台風たいふう15号ごう、それに各地かくちで川かわの氾濫はんらんや土砂どしゃ災害さいがいを引き起ひきおこした台風たいふう19号ごうなどで甚大じんだいな被害ひがいが出でたことから、補正ほせい予算よさんや予備よび費ひを充あてて、国くにの補助ほじょ金きんだけでおよそ624億おく円えんに上のぼる見込みこみとなっています。

これは、復興ふっこう特別とくべつ会計かいけいで対応たいおうした東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいを除のぞき、熊本くまもと地震じしんなどが起おきた平成へいせい28年度ねんどに次ついでこの10年ねんで２に番目ばんめに多おおいということです。

小泉こいずみ環境かんきょう大臣だいじんは、10日にちの閣議かくぎ後ごの会見かいけんで「台風たいふう19号ごうの災害さいがい廃棄はいき物ぶつはいまだに生活せいかつ圏けんから撤去てっきょできていない地域ちいきもあるほか、最終さいしゅう処理しょりについては今後こんご、数すう年ねんかかる地域ちいきもあるので、最後さいごまでしっかりと取り組とりくんでいきたい。毎年まいとし、台風たいふうの規模きぼが拡大かくだいし、被害ひがいも大おおきくなっている。気候きこう変動へんどうと防災ぼうさいを分わけて考かんがえる時代じだいではなくなっており、対策たいさくを進すすめていきたい」と述のべました。

この10年ねんの災害さいがい廃棄はいき物ぶつ処理しょり予算よさんは

災害さいがい廃棄はいき物ぶつの処理しょりが当初とうしょ予算よさんで対応たいおうしきれなくなる事態じたいは、この10年ねん近ちかく続つづいています。

環境省かんきょうしょうは豪雨ごううや台風たいふうの頻度ひんどが増ふえ、被害ひがいが広範囲こうはんいに及およぶ傾向けいこうにあることが要因よういんだとみています。

環境省かんきょうしょうによりますと、災害さいがい廃棄はいき物ぶつの処理しょりにかかる費用ひようの自治体じちたいへの補助ほじょ金きんの予算よさんは、平成へいせい22年度ねんどは２に億おく円えんと補正ほせい予算よさんを組くまずに対応たいおうできました。

平成へいせい23年度ねんどから25年度ねんどは、復興ふっこう特別とくべつ会計かいけいで対応たいおうした東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいを除のぞいて20億おく円えん前後ぜんごで推移すいい。

平成へいせい26年度ねんどと27年度ねんどは気象庁きしょうちょうが「平成へいせい26年ねん８月はちがつ豪雨ごうう」、「平成へいせい27年ねん９月くがつ関東かんとう・東北とうほく豪雨ごうう」と名付なづける水害すいがいが起おき、40億おく円えん余あまりから50億おく円えん余あまりとなります。

平成へいせい28年度ねんどには、熊本くまもと地震じしんのほか、８月はちがつの台風たいふう10号ごうで北海道ほっかいどうや岩手いわて県けんなどで大おおきな被害ひがいが出でて、およそ728億おく円えんに達たっしました。

29年度ねんどは、九州きゅうしゅう北部ほくぶ豪雨ごううなどで66億おく円えん余あまり、昨年度さくねんど（30年度ねんど）は大阪おおさか北部ほくぶの地震じしんや震度しんど７ななの揺ゆれを観測かんそくした北海道ほっかいどう地震じしんのほか、西日本にしにほん豪雨ごううや台風たいふう21号ごうなど災害さいがいが相次あいつぎ、およそ358億おく円えんに上のぼっています。

今年度こんねんどの予算よさんは昨年度さくねんどを上回うわまわり、この10年ねんで２に番目ばんめに多おおくなる見込みこみです。

台風たいふう15号ごうと19号ごうの災害さいがい廃棄はいき物ぶつ処理しょり状況じょうきょう

環境省かんきょうしょうによりますと、今年度こんねんど起おきた災害さいがいのうち台風たいふう15号ごうと19号ごうでは、17の都府県とふけんで災害さいがい廃棄はいき物ぶつが発生はっせいしていて、集計しゅうけいできているだけで180万まんトンを超こえています。

処理しょりをできるだけすみやかに進すすめるため環境省かんきょうしょうは、被災ひさい地ちから離はなれたほかの自治体じちたいに協力きょうりょくを要請ようせいし広域こういき処理しょりを進すすめています。

例たとえば、宮城みやぎ県けん丸森まるもり町まちの災害さいがい廃棄はいき物ぶつは横浜よこはま市しが受け入うけいれることになり、鉄道てつどうで輸送ゆそうされて処理しょりが行おこなわれています。

茨城いばらき県けん常陸ひたち大宮おおみや市しからは和歌山わかやま県けんまで船ふねで運はこんで処理しょりしているほか、氾濫はんらんした長野ながの県けんの千曲川ちくまがわ流域りゅういきの災害さいがい廃棄はいき物ぶつは、富山とやま市しや三重みえ県けんなどで受け入うけいれています。

台風たいふう19号ごうなどの災害さいがい廃棄はいき物ぶつは、住宅じゅうたく地ちや学校がっこうの近ちかくなど生活せいかつに身近みぢかな場所ばしょにある仮かり置き場おきばからはほとんど撤去てっきょされましたが、焼却しょうきゃくや埋め立うめたての最終さいしゅう処理しょりが終了しゅうりょうするまでには、まだ時間じかんがかかります。

最もっとも長ながくかかると見込みこんでいる長野ながの県けんでは、完了かんりょう時期じきを被災ひさいからおよそ２に年ねん後ごの来年らいねん９月くがつとしています。