中国の
湖北省武漢で
新型のコロナウイルスによるものとみられる
肺炎が
相次いでいる
問題で、
武漢に
渡航していた
神奈川県の
男性が
帰国後に
肺炎の
症状を
訴え、
検査の
結果、
新型コロナウイルスへの
感染が
確認されました。
国内で
感染者が
確認されたのは
初めてです。
厚生労働省によりますと、
新型のコロナウイルスが
確認されたのは
神奈川県に
住む30
代の
男性で、
中国の
湖北省武漢に
渡航していた
今月3日に
発熱の
症状を
訴え、
6日に
日本に
帰国したあと
医療機関を
受診し
入院しました。
国立感染症研究所が検査した結果、武漢で相次いだ新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。国内でこのウイルスの感染者が確認されたのは初めてです。
男性の症状は回復し、15日、退院したということです。
男性は今回の肺炎患者が相次いでいる武漢の海鮮市場には立ち寄っていないと話しているということですが、武漢に滞在中に肺炎の患者と接触していたということです。
武漢では昨年12月以降、原因不明の肺炎の患者が相次ぎ、これまでに41人の患者から新型のコロナウイルスが検出され、このうち61歳の男性1人が死亡しています。
厚生労働省では引き続き、武漢からの帰国者でせきや発熱などの症状がある場合は速やかに医療機関を受診し渡航歴を申告するよう呼びかけています。
一方で今回の肺炎が持続的に人から人に感染するケースはまだ確認されていないため、男性の周りで感染が広がる可能性は低いとしています。
政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに「情報連絡室」を設置し、情報収集と警戒にあたっています。
中国 武漢では41人感染 “ヒトからヒト 排除できない”
中国内陸部の湖北省武漢で確認されている新型のコロナウイルスによるものとみられる肺炎の患者について、武漢の保健当局は、15日現在で、患者は41人にのぼり、このうち61歳の男性1人が死亡したほか6人が重症だとしています。
すでに病状が回復して7人が退院していますが、そのほかの患者については、武漢市内の医療機関に隔離して治療を行っていて、容体は安定しているとしています。
地元当局は、患者の中に夫婦で発症しているケースがあるとして限定的ではあるものの、ヒトからヒトに感染する可能性が排除できないと指摘しています。
ただ、感染は地域で広がっておらず、ヒトからヒトに感染するリスクは比較的低いとも指摘していて、引き続き、調査を進めています。
また、タイでは、武漢から観光で訪れた61歳の中国人女性に発熱などの症状が見られたため検査したところ、検出されたウイルスが中国で確認されたものと一致したと、13日、保健当局が発表しました。
いっぽう、韓国では今月に入って、武漢に出張した中国籍の女性が肺炎の症状を訴えていたことが分かり、保健当局が関連を調べていましたが、先週、「武漢で発生している肺炎とは関係ない」とする検査結果を発表しました。
このほか、中国本土との往来が多い香港や、台湾では、空港などで検疫を強化し、感染が広がらないように水際での対策を進めています。
全日空と春秋航空日本が成田~武漢直行便運航
国内の航空会社では、全日空とLCCの春秋航空日本が成田空港から中国の湖北省武漢に直行便を運航しています。
国土交通省によりますと、日本に乗り入れている外国の航空会社のうち、日本から中国・武漢への直行便や経由便を運航しているのは合わせて5社あり、成田や関西、中部、福岡の全国4つの空港に就航しています。
このうち直行便では中国南方航空が成田と関西、中部から、中国東方航空が成田から、上海吉祥航空が関西から、春秋航空が関西から、ウルムチ航空が中部から運航しています。
また経由便では中国東方航空が福岡から上海を経由して運航しています。
航空各社では、空港のカウンターで乗客に口頭で体調を確認したり、機内では希望者にマスクを提供したりしているほか、乗務員に対して武漢では不要の外出は控えるよう呼びかけをしているということです。