京きょうアニ放火ほうか 容疑ようぎ者しゃはスムーズに会話かいわできる状態じょうたいに 事件じけんから半年はんとし

警察けいさつによりますと、今いまも重傷じゅうしょうを負おった社員しゃいんのうち２に人にんが入院にゅういん中ちゅうで、治療ちりょうを余儀よぎなくされているということです。

この事件じけんで、放火ほうかや殺人さつじんなどの疑うたがいで逮捕たいほ状じょうが出でている青葉あおば真司しんじ容疑ようぎ者しゃ（41）は、これまでの調しらべに対にたいし「自分じぶんの小説しょうせつを盗ぬすまれたから火ひをつけた」という趣旨しゅしの話はなしや「いちばん多おおくの人ひとが働はたらいている第だい１いちスタジオをねらった」、「どうせ死刑しけいになる」といった話はなしをしているということで、警察けいさつは会社かいしゃに一方いっぽう的てきに恨うらみを募つのらせたと見みています。

事件じけんから18日にちで半年はんとしとなり、関係かんけい者しゃによりますと、青葉あおば容疑ようぎ者しゃは自力じりきで起き上おきあがったり、食事しょくじをとったりすることはできないものの、看護かんご師しなどとあいさつや日常にちじょう会話かいわをスムーズに交かわせる状態じょうたいにまで回復かいふくしたということです。

警察けいさつは、勾留こうりゅうに耐たえられると判断はんだんし次第しだい、逮捕たいほして、事件じけんの詳くわしい経緯けいいを捜査そうさする方針ほうしんです。

遺族いぞく「一刻いっこくも早はやく逮捕たいほを」

事件じけんから半年はんとしになり、亡なくなった社員しゃいんの遺族いぞくの１いち人にんがＮＨＫえぬえいちけいの取材しゅざいに応おうじました。

遺族いぞくは「テレビや町まちなかで若者わかものの姿すがたを見みるたびに、生いきていた時ときの顔かおや様子ようすを思い出おもいだして落ち込おちこんでしまう。家族かぞくも仏壇ぶつだんのそばを離はなれず、悲かなしみに沈しずんだままでいる。思い出おもいだし落ち込おちこんでいる時間じかんは、とても長ながく感かんじられつらいが、気きが付つくと半年はんとしがたっていて、時間じかんの感覚かんかくが分わからない。とにかく苦くるしい」と話はなしました。

青葉あおば真司しんじ容疑ようぎ者しゃに対にたいしては「なぜ、こんなことをしたのか知しりたいと思おもっていたが、容疑ようぎ者しゃの話はなしを聞きいても矛盾むじゅんしていて、とても人間にんげんがやることとは思おもえず、理解りかいできない。私わたしたちが苦くるしんでいる間まも、安全あんぜんで快適かいてきな場所ばしょにいることに怒いかりを抑おさえられない。一刻いっこくも早はやく逮捕たいほされてほしい」と語かたりました。

また、解体かいたい工事こうじが進すすめられている第だい１いちスタジオの跡地あとちについて、遺族いぞくは「慰霊いれい碑ひや公園こうえんなど、お祈おいのりに行いける場所ばしょになってほしい。ただ、不ふ特定とくてい多数たすうの人ひとに来きて欲ほしくないという周辺しゅうへんの住民じゅうみんの気持きもちも分わかるので、難むずかしい問題もんだいだと思おもう。時間じかんがかかるかもしれないが、そのままにせず、なるべく早はやく方針ほうしんを決きめてほしい」と話はなしました。

事件じけん後ご初はつの作品さくひん ４月しがつ公開こうかいへ

事件じけんから半年はんとしがたち、京都きょうとアニメーションは、新作しんさく映画えいがの制作せいさくを進すすめるなど、再建さいけんに向むけて歩あゆみ始はじめています。

このうち、事件じけん後ごに本格ほんかく的てきに制作せいさくされる初はじめての作品さくひん「劇場げきじょう版ばんヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、ことし４月しがつ24日にちに公開こうかいされることが決きまりました。

事件じけんの影響えいきょうで、募集ぼしゅうを停止ていししていたアニメーターの養成ようせい塾じゅくは、ことし４月しがつの入塾にゅうじゅくに向むけて生徒せいとの募集ぼしゅうを再開さいかいし、締め切しめきりまでに、多おおくの応募おうぼがあったということです。

事件じけんのあと、会社かいしゃが開設かいせつしていた寄付きふ金きんの口座こうざは先月せんげつ27日にちで閉鎖へいさされましたが、世界中せかいじゅうから多おおくの支援しえんが集あつまりました。京都きょうと府ふが発表はっぴょうした寄付きふ金きんの最終さいしゅう的てきな総額そうがくは、33億おく4138万まん3481円えんに上のぼり、全額ぜんがくが遺族いぞくや被害ひがい者しゃに配分はいぶんされるということです。

また、亡なくなった社員しゃいんたちは労災ろうさいに認定にんていされ、一部いちぶで補償ほしょうの支給しきゅうが始はじまっています。