新型しんがた肺炎はいえん 中国ちゅうごくから海外かいがいへの団体だんたい旅行りょこう 27日にちから全面ぜんめん的てきに中止ちゅうしへ

感染かんせん者しゃが急増きゅうぞうする事態じたいを受うけて、中国ちゅうごくの旅行りょこう会社かいしゃは、中国ちゅうごく政府せいふからの要請ようせいで、日本にっぽんを含ふくむ海外かいがいへの団体だんたい旅行りょこうを、27日にちから当面とうめん、中止ちゅうしすることになりました。

また、旅行りょこう会社かいしゃが販売はんばいする、航空こうくう券けんとホテルをセットにした旅行りょこう商品しょうひんの取り扱とりあつかいも当面とうめん、取とりやめるということです。

これらの措置そちをいつまで続つづけるのかは明あきらかにしていません。

中国ちゅうごくからは日本にっぽんに多おおくの観光かんこう客きゃくが訪おとずれているだけに今回こんかいの措置そちは、日本にっぽんの観光かんこう業界ぎょうかいにも大おおきな影響えいきょうが出でるものとみられます。

指導しどう部ぶ直属ちょくぞくの対策たいさくチームを設置せっちへ

一方いっぽう、中国ちゅうごく共産きょうさん党とうの最高さいこう指導しどう部ぶは、25日にち、急きゅうきょ会議かいぎを開ひらき、対応たいおうを協議きょうぎしました。

この中なかで習近平ちから国家こっか主席しゅせきは「新型しんがたコロナウイルスのまん延まんえんが加速かそくする深刻しんこくな状況じょうきょうだ」としたうえで、「感染かんせんの予防よぼうと抑制よくせいの重要じゅうよう性せいと緊急きんきゅう性せいを深ふかく認識にんしきしたうえで、党とう中央ちゅうおうの指揮しきのもと、各かく部門ぶもんで対策たいさくを着実ちゃくじつに実行じっこうしていかなければならない」と述のべました。

会議かいぎでは、この問題もんだいをめぐる指導しどう部ぶ直属ちょくぞくの対策たいさくチームを新あらたに設置せっちし、湖北こほく省しょうなど状況じょうきょうが深刻しんこくな地域ちいきに党とうの幹部かんぶを派遣はけんするなど、指導しどう部ぶ主導しゅどうで対策たいさくに乗り出のりだすことを決きめました。

旧きゅう正月しょうがつの「春節しゅんせつ」期間きかん中ちゅうに、共産党きょうさんとう最高さいこう指導しどう部ぶのメンバー全員ぜんいんが出席しゅっせきして会議かいぎを開ひらくのは極きわめて異例いれいで、感染かんせんの拡大かくだいに対にたいする習近平ちから指導しどう部ぶの強つよい危機きき感かんを示しめした形かたちです。

米べい市民しみんや外交がいこう官かんをチャーター機きで避難ひなんさせる計画けいかくか

アメリカの有力ゆうりょく紙し、ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国ちゅうごくで新型しんがたのコロナウイルスの感染かんせんが広ひろがっていることを受うけて、アメリカ政府せいふが26日にちにも、中国ちゅうごくの湖北こほく省しょう武漢ぶかんに住すむアメリカ市民しみんや外交がいこう官かんなどをチャーター機きで避難ひなんさせる計画けいかくだと報ほうじました。

それによりますと、武漢ぶかんにはおよそ1000人にんのアメリカ人じんが住すんでいるとみられ、現地げんちのアメリカ総領事館そうりょうじかんが連絡れんらくをとり、チャーター機きの座席ざせきを確保かくほすると申し出もうしでているということです。

チャーター機きは、ほかの国くにには立ち寄たちよらず、直接ちょくせつ、アメリカに向むかうとしていますが、アメリカ国内こくないのどの空港くうこうに着陸ちゃくりくするのかは現時点げんじてんでわかっていません。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルは、アメリカ政府せいふが、武漢ぶかんにあるアメリカ総領事館そうりょうじかんを一時いちじ的てきに閉鎖へいさすることにしていると伝つたえています。

北京ぺきん 地下鉄ちかてつで乗客じょうきゃくの体温たいおん検査けんさ

新型しんがたのコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを防ふせごうと、北京ぺきんの地下鉄ちかてつの駅えきでは、25日にち夕方ゆうがたから乗客じょうきゃくの体温たいおん検査けんさが始はじまりました。

北京ぺきんでは市民しみんが外出がいしゅつを控ひかえているため、駅えきは閑散かんさんとしていますが、地上ちじょうの出入り口でいりぐちに白しろい防護ぼうご服ふくを着きた係員かかりいんが配置はいちされ、構内こうないに入はいる乗客じょうきゃくに１いち人にんずつ計測けいそく器きをあてて、体温たいおんを測はかっています。

北京ぺきん市内しないは、世界せかい遺産いさんの故こ宮みやなどの観光かんこう地ちが閉鎖へいさされ、旧きゅう正月しょうがつ「春節しゅんせつ」の恒例こうれい行事ぎょうじで大勢たいせいの人ひとが集あつまる縁日えんにちも中止ちゅうしされるなど、当局とうきょくが感染かんせん拡大かくだいの防止ぼうしに力ちからを入いれています。

北京ぺきん 長距離ちょうきょりバスを運行うんこう休止きゅうし

中国ちゅうごくの国営こくえいメディアなどによりますと、新型しんがたのコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを抑え込おさえこむため、北京ぺきん市しの当局とうきょくは、26日にちから北京ぺきんと全国ぜんこくの主要しゅよう都市としを結むすぶ全すべての長距離ちょうきょりバスの運行うんこうを当面とうめん、休止きゅうしすることを決きめました。市内しないの路線ろせんバスは営業えいぎょうを続つづけるということです。

香港ほんこん政府せいふ 警戒けいかいレベルを最高さいこうに引き上ひきあげ

香港ほんこん政府せいふトップの林はやし鄭てい月つき娥行政ぎょうせい長官ちょうかんは、中国ちゅうごく本土ほんどを中心ちゅうしんに新型しんがたのコロナウイルスの感染かんせんが拡大かくだいしていることを受うけて、感染かんせん症しょうの警戒けいかいレベルを最もっとも高たかい「緊急きんきゅう」に引き上ひきあげたと発表はっぴょうしました。

香港ほんこんではこれまでに、新型しんがたのコロナウイルスに感染かんせんした人ひとが５ご人にん確認かくにんされています。

こうした事態じたいを受うけて、香港ほんこん政府せいふトップの林はやし鄭てい月つき娥行政ぎょうせい長官ちょうかんが25日にち、記者きしゃ会見かいけんし、新型しんがたのコロナウイルスに対にたいする感染かんせん症しょうの警戒けいかいレベルを１いち段階だんかい引き上ひきあげて、最もっとも高たかい「緊急きんきゅう」とすると明あきらかにしました。

また、幼稚園ようちえんから高校こうこうまでの旧きゅう正月しょうがつの休やすみを２に週間しゅうかん程度ていど延長えんちょうし、来月らいげつ16日にちまでとするほか、香港ほんこんと中国ちゅうごく・湖北こほく省しょうの武漢ぶかんを結むすぶ高速こうそく鉄道てつどうと航空こうくう便びんを無む期限きげんで停止ていしするということです。

さらに、来月らいげつ９きゅう日にちに予定よていされ、毎年まいとし、日本にっぽんからも大勢たいせいのランナーが参加さんかする「香港ほんこんマラソン」の開催かいさいを中止ちゅうしするということです。

そのうえで、政府せいふ内ないに専門せんもんの対策たいさくチームを立たち上あげて、中国ちゅうごくの当局とうきょくなどとの情報じょうほう共有きょうゆうを強化きょうかするほか、中国ちゅうごく本土ほんどとの境界きょうかいで、香港ほんこんに入はいる人ひとに対にたいして健康けんこう状態じょうたいについての申告しんこくを求もとめ、虚偽きょぎの申告しんこくをした場合ばあいには刑事けいじ罰ばつを科かすこともあるとしています。

台湾たいわん 立ち寄たちより先さきを隠かくした感染かんせん者しゃに罰金ばっきん

台湾たいわん南部なんぶ・高雄たかお市しの衛生えいせい局きょくは、新型しんがたのコロナウイルスの感染かんせんが確認かくにんされた50代だいの男性だんせいが、当局とうきょくによる聞きき取とりで立ち寄たちより先さきを隠かくしたなどとして、30万まん台湾たいわん元もと、日本にっぽん円えんで100万まん円えん余あまりの罰金ばっきんを科かしたと発表はっぴょうしました。

高雄たかお市しによりますと、この男性だんせいは、仕事しごとで滞在たいざいしていた中国ちゅうごく湖北こほく省しょうの武漢ぶかんで発熱はつねつなどの症状しょうじょうがありましたが、薬くすりを飲のんで熱ねつを下さげて今月こんげつ21日にちに台湾たいわんに戻もどり、この際さい、空港くうこうで武漢ぶかんでの滞在たいざい歴れきや症状しょうじょうについて申告しんこくしていませんでした。

男性だんせいは翌よく22日にち、マスクをせずに高雄たかお市内しないのダンスホールに立ち寄たちよっていましたが、治療ちりょうのため、隔離かくりされたあとに行おこなわれた保健ほけん当局とうきょくによる聞き取ききとり調査ちょうさでは、これについて明あきらかにしていなかったということです。

台湾たいわんではこれまでに、武漢ぶかんから訪おとずれた中国人ちゅうごくじん観光かんこう客きゃくやこの男性だんせいを含ふくめて合あわせて３さん人にんが新型しんがたのコロナウイルスに感染かんせんしたことが確認かくにんされていて、台湾たいわん当局とうきょくは、中国ちゅうごく大陸たいりくへの団体だんたいツアーを今月こんげつ31日にちまで停止ていしするよう旅行りょこう会社かいしゃなどに要請ようせいしています。

中国ちゅうごくの専門せんもん家かチーム「数種類すうしゅるいの薬くすりを臨床りんしょう治療ちりょうへ」

中国ちゅうごくで感染かんせんが拡大かくだいしている新型しんがたのコロナウイルスについて、中国ちゅうごくの保健ほけん当局とうきょくの専門せんもん家かチームを率ひきいる鍾南山なんざんチーム長ちょうは、中国ちゅうごくメディアの取材しゅざいに対にたいし、「いまのところ、すでに安全あんぜん性せいが確認かくにんされた数種類すうしゅるいの薬くすりを臨床りんしょう治療ちりょうに使つかう準備じゅんびをしている」と述のべて、治療ちりょう法ほうを見みつけるための対応たいおうを急いそいでいることを明あきらかにしました。

一方いっぽうで、「ただ、具体ぐたい的てきな治療ちりょう効果こうかはさらに観察かんさつする必要ひつようがある」とも述のべて、対応たいおうには時間じかんがかかるという認識にんしきも示しめしました。