これまでに派遣されたチャーター機2便で合わせて400人以上の人が帰国しました。
チャーター機の第3便は、30日夜に武漢に向けて羽田空港を飛び立ち、31日午前2時半ごろ、武漢の空港に到着。31日午前8時前に武漢を出発し、羽田空港には31日の午前10時20分ごろに到着しました。
第3便には帰国を希望する日本人149人が乗ったということです。
全日空によりますと、武漢から羽田への戻りの便では感染の拡大防止のため、一連のチャーター機ではじめて客室乗務員が防護服を着て乗務したということです。
厚生労働省によりますと、チャーター機にはサーモグラフィーを持ち込んで医師や看護師も配置し、機内で帰国した人一人一人に発熱やせきなどの症状がないかどうかなどを確認するとしています。
症状の有無かかわらず 全員がウイルス検査へ
帰国した人たちはこのあとチャーター機から降りて、羽田空港のターミナルビルとは別の場所にある「第2ターミナルサテライト」と呼ばれる場所で入国手続きや手荷物の受け取りなどを行うということです。
その後は症状のあるなしにかかわらず、政府が用意したバスで医療機関に移動し、ウイルス検査を受けるということです。
防衛省 帰国者の滞在先にフェリー活用を検討
こうした帰国者の滞在先として、防衛省が、自衛隊の部隊の輸送などのために契約している民間フェリーの活用を検討していることがわかりました。
政府のチャーター機で中国・武漢から羽田空港に帰国した人たちは、検査を受けたあと、千葉県内のホテルや東京都内の国の施設などに滞在しています。
こうした中で防衛省が、今後帰国する人たちの滞在先として、自衛隊の部隊の輸送などのために契約している民間フェリーの活用を検討していることがわかりました。
この船は民間のフェリー「はくおう」(約1万7000トン)で、おととし北海道で起きた地震では被災者の入浴施設として使われたことがあります。
防衛省は、要請があれば首都圏の港に接岸させるなどして帰国する人たちの滞在に対応できるよう検討を進めています。
加藤厚労相「帰国時に症状なくてもフォローを」
加藤厚生労働大臣は記者団に対し、日本国内で30日に症状のない人の感染が確認されたことについて「中国全便からの帰国者に武漢の滞在歴などを聞く質問票を配るべく対応している。その段階では無症状でも、日本国内に入ったあとはしっかりとフォローアップができる仕組みを立ち上げ、都道府県とも連携をとりながら対策をしっかりとっていきたい」と述べました。