中国を
中心に
感染が
拡大する
新型のコロナウイルスをめぐって、
中国の
研究者らはウイルスがヒトの
細胞に
感染する
際に
利用する「
受容体」と
呼ばれる
たんぱく質が、17
年前に
流行したSARSのウイルスと
同じで
あることを
特定したとする
論文をイギリスの
科学雑誌に
発表しました。
中国科学院の
研究者らは
湖北省の
武漢で
7人の
感染者から
採取された
新型コロナウイルスをコウモリ
などの
動物の
細胞に
感染させる
実験を
行い、
その結果を
3日、イギリスの
科学雑誌「ネイチャー」に
発表しました。
それによりますと、ウイルスがヒトの細胞に感染する際に利用する、「受容体」と呼ばれる細胞の表面にあるたんぱく質は、SARSのウイルスが利用するたんぱく質と同じものだということがわかりました。
新型のコロナウイルスとSARSのウイルスが利用するたんぱく質が同じだということがわかった意義について、研究者らは「他の有効な治療法がまだ知られていない中、SARSのために開発された治療薬やワクチンが新型コロナウイルスにも使える可能性がある」と指摘しています。
また、新型コロナウイルスの遺伝子の配列を分析したところ、過去にコウモリから見つかったコロナウイルスと96%の割合で一致し、SARSのウイルスとは79.5%の割合で一致したということです。
研究者らは今後の課題について「感染のサイクルの解明や、ヒトからヒトへ感染する力に変化がないかなどを明らかにしなければならない」と指摘しています。