新型しんがたウイルス ＳＮＳで警鐘けいしょうの医師いし死去しきょで政府せいふ批判ひはん高たかまる 中国ちゅうごく

中国ちゅうごくの保健ほけん当局とうきょく、国家こっか衛生えいせい健康けんこう委員いいん会かいは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが確認かくにんされた患者かんじゃの数かずが６ろく日にち、３さん万まん1161人にんになったと発表はっぴょうし、患者かんじゃの数かずは３さん万まん人にんを超こえました。

新あらたに感染かんせんが確認かくにんされた人ひとは４よん日にち連続れんぞくで3000人にんを超こえ、その７なな割わり以上いじょうが湖北こほく省しょうの患者かんじゃとなっています。また、死亡しぼうした人ひとは600人にんを超こえて、中国ちゅうごくで合あわせて636人にんとなり、このうち湖北こほく省しょうだけで618人にんとなっています。

中国ちゅうごくメディアによりますと、感染かんせんが始はじまった湖北こほく省しょう武漢ぶかんの病院びょういんで去年きょねん暮くれ、政府せいふが公表こうひょうする前まえにＳＮＳのグループチャットで感染かんせん拡大かくだいへの警鐘けいしょうを鳴ならしていた34歳さいの眼科がんかの医師いしが、みずからも新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんして７なな日にち、亡なくなりました。

医師いしは「ネット上じょうに事実じじつではない情報じょうほうを発表はっぴょうし、社会しゃかいの秩序ちつじょを乱みだした」として、警察けいさつから訓戒くんかい処分しょぶんを受うけていましたが、一部いちぶの中国ちゅうごくメディアが、その経緯けいいを明あきらかにし、国民こくみんに広ひろく知しられるようになりました。

医師いしの死しをきっかけに、国民こくみんの間までは情報じょうほう公開こうかいや初期しょき対応たいおうの在り方ありかたをめぐって政府せいふへの批判ひはんが一層いっそう高たかまっています。

中国ちゅうごく政府せいふも哀悼あいとうの意い

医師いしが亡なくなったことを受うけて中国ちゅうごく政府せいふの各かく部門ぶもんが次々つぎつぎと哀悼あいとうの意いを表あらわしています。

このうち湖北こほく省しょうの保健ほけん当局とうきょくはホームページ上じょうで、「深ふかい哀悼あいとうの意いを表あらわします。最前線さいぜんせんで奮闘ふんとうするすべての医療いりょう関係かんけい者しゃに崇高すうこうなる敬意けいいを表ひょうするとともに一致いっち団結だんけつして感染かんせん拡大かくだいの阻止そしに向むけて戦たたかうよう望のぞみます」とする談話だんわを発表はっぴょうしました。

また、中国ちゅうごくの保健ほけん当局とうきょくも７なな日にちの記者きしゃ会見かいけんの冒頭ぼうとう、「深ふかい哀悼あいとうの意いを表あらわします」と述のべたほか、公職こうしょくに就つくすべての人ひとを対象たいしょうに監視かんしや取締とりしまりまりを行おこなう国家こっか監察かんさつ委員いいん会かいは７なな日にち、調査ちょうさチームを派遣はけんして全面ぜんめん的てきな調査ちょうさを行おこなうと発表はっぴょうしました。

中国ちゅうごく政府せいふとしては、医師いしの死しをきっかけに国民こくみんの間まで情報じょうほう公開こうかいや初期しょき対応たいおうのあり方ありかたをめぐって政府せいふへの批判ひはんが一層いっそう高たかまっていることから、こうした批判ひはんをかわすねらいもあるとみられます。

死亡しぼうの医師いしが明あかす処分しょぶんの経緯けいい

死亡しぼうした医師いしの李り文ぶん亮あきらさんは、中国ちゅうごく版ばんツイッターのウェイボーに武漢ぶかんの警察けいさつから訓戒くんかい処分しょぶんを受うけた経緯けいいなどを書き込かきこんでいました。

それによりますと、李りさんは去年きょねん12月つき30日にちに、同級生どうきゅうせいの医師いしなどが参加さんかするＳＮＳのグループチャットに「７なな人にんの患者かんじゃがＳＡＲＳと確認かくにんされた」などと投稿とうこうし、先月せんげつ３さん日にちに地元じもとの警察けいさつから呼び出よびだされ、訓戒くんかい処分しょぶんを受うけたということです。李りさんは、処分しょぶんの内容ないようを記しるした文書ぶんしょの写真しゃしんも公開こうかいしていて文書ぶんしょでは、「ネット上じょうに事実じじつではない情報じょうほうを発表はっぴょうし、社会しゃかいの秩序ちつじょを乱みだした違法いほう行為こういだ」とされています。

これについて李りさんは中国ちゅうごくメディアの取材しゅざいに対にたいして「情報じょうほうはデマではなく警鐘けいしょうを鳴ならそうとしただけで、社会しゃかいにパニックを起おこそうという考かんがえは全まったくなかった」と反論はんろんしていてウェイボー上じょうでも「同級生どうきゅうせいの臨床りんしょう医いたちに注意ちゅういを呼よびかけるためだった」と説明せつめいしています。

また、李りさんは、みずからの病状びょうじょうについても書き込かきこんでいて、先月せんげつ10日にち以降いこう、せきや発熱はつねつの症状しょうじょうが出でて、先月せんげつ12日にちに入院にゅういんした段階だんかいになっても、当局とうきょくが「人ひとから人ひとへの感染かんせんはない」とか「院内いんない感染かんせんはない」としていたことに疑問ぎもんを呈ていしていました。

李りさんのウェイボーには100万まん人にんを超こえるフォロワーがついていて、ネット上じょうでは当局とうきょくの対応たいおうへの批判ひはんの声こえが高たかまっています。