外務省によりますと、
中国の
湖北省武漢で
肺炎を
発症し、
入院していた60
代の
日本人男性が
8日、
亡くなりました。
新型コロナウイルスに
感染した
疑いの
ある日本人の
死亡が
確認されたのは、
これが
初めてです。
外務省によりますと、
亡くなった60
代の
日本人男性は、
中国の
湖北省武漢で
先月16
日ごろから
発熱の
症状があり、
先月22
日から
武漢の
病院に
入院していました。
男性は肺炎と診断され、検査の結果、先月28日、新型コロナウイルスの陽性反応が出て、感染が疑われていましたが、検査結果が確定しないまま、8日、亡くなりました。
新型コロナウイルスに感染した疑いのある日本人の死亡が確認されたのは、これが初めてです。
入院先の武漢の病院では、死因について「ウイルス性肺炎」だとしていますが、新型コロナウイルスによる肺炎かどうかは、確定的に判断はできないとしています。
外務省によりますと、男性は武漢に中国人の妻とともに住んでいたということです。
政府は「ご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご家族にお悔やみを申し上げる」としたうえで、引き続き、現地の大使館を通じて、男性の家族と緊密に連絡を取り、支援を行っていきたいとしています。
「武漢では重症患者のケア難しい可能性も」
感染症に詳しい、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、中国 武漢で日本人の男性が死亡したことについて、「亡くなったことはとても残念だ。感染の拡大が続いている中国 武漢では、大勢の患者が病院を受診しているため、重症患者への十分なケアが難しくなっている可能性もある。比較的、医療体制が整っている日本では、重症化のリスクは現地に比べて低いはずなので、日本国内の人たちにはこの情報を冷静に受け止めてもらいたい」と話しています。
「重症患者の対応へ医療体制の整備必要」
海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「亡くなった方は60歳代だったということで、高齢の方は重症化するリスクが高いとされている。また、男性が治療を受けていた中国 武漢では、多くの患者が病院に押し寄せ、医療従事者は疲弊し機器も少ない状況と聞いており、日本に比べて十分な治療を受けられなかった可能性がある」と指摘しました。
そのうえで、「現在の日本での感染の広がりや医療体制の状況からすれば、今はまだ肺炎の重症患者がいても治療が可能だ。しかし、もし今後、感染が拡大して日本でも患者が増えてしまえば、同じように重症の患者への対応がしにくくなることも考えられる。今のうちに軽症者と重症者で、診療に当たる病院を分けるなど、重症の患者に確実に対応できる医療体制の整備を早急に進める必要がある」と話していました。