Japanese News: 耐震性ある老朽化マンション一括売却所有者の合意条件緩和へ

耐震たいしん性せいある老朽ろうきゅう化かマンション一括いっかつ売却ばいきゃく所有しょゆう者しゃの合意ごうい条件じょうけん緩和かんわへ

Feb 10, 2020 17:02 2

Furigana

耐震たいしん性せいがあっても、管理かんりが適切てきせつに行おこなわれず、壁かべがはがれ落おちるおそれがあるといった老朽ろうきゅう化かマンションの増加ぞうかが今後こんごの課題かだいとなっています。こうしたマンションの建て替たてかえをしやすくするため、国くには、建物たてものと敷地しきちを一括いっかつして売却ばいきゃくする場合ばあいに必要ひつようだった所有しょゆう者しゃ全員ぜんいんの合意ごういを、「５ご分ぶんの４よん」に引き下ひきさげる方針ほうしんを決きめました。この方針ほうしんは10日にち、国土こくど交通こうつう省しょうで開ひらかれた検討けんとう会かいで示しめされました。

国土こくど交通こうつう省しょうによりますと、昭和しょうわ56年ねん以降いこうのマンションは新しん耐震たいしんの基準きじゅんで建設けんせつされていますが、古ふるいものではすでに40年ねんほど経過けいかしていて、耐震たいしん性せいがあっても管理かんりが適切てきせつに行おこなわれず、壁かべがはがれ落おちるおそれがあるといった老朽ろうきゅう化かマンションの増加ぞうかが今後こんごの課題かだいとなっています。

これまで耐震たいしん性せいが不足ふそくしているマンションについては、建て替たてかえに向むけた建物たてものや敷地しきちの売却ばいきゃくが所有しょゆう者しゃの５ご分ぶんの４よんの合意ごういで可能かのうでしたが、耐震たいしん性せいがあるマンションの場合ばあいは、所有しょゆう者しゃ全員ぜんいんの合意ごういが必要ひつようで、老朽ろうきゅう化かが進すすんでいても合意ごうい形成けいせいが進すすまないことが課題かだいとなっていました。

このため、耐震たいしん性せいがあっても老朽ろうきゅう化かしたマンションの建て替たてかえをしやすくしようと、国くには必要ひつような所有しょゆう者しゃの合意ごういを「５ご分ぶんの４よん」に引き下ひきさげる方針ほうしんを決きめました。

国土こくど交通こうつう省しょうによりますと、新しん耐震たいしん基準きじゅんで建築けんちくされたマンションのうち、築ちく40年ねんを超こえるマンションは、令りょう和わ５ご年ねん末まつにはおよそ34万まん戸こ、さらに令りょう和わ20年ねん末まつには、その８はち倍ばいに当にあたるおよそ263万まん戸こになる見込みこみです。

国土こくど交通こうつう省しょうは、現在げんざいの国会こっかいにマンション建て替たてかえに関にかんする法律ほうりつの改正かいせい案あんを提出ていしゅつすることにしていて、「新しん耐震たいしん基準きじゅんでも今後こんご、老朽ろうきゅう化かマンションが増加ぞうかするおそれがある。まずは、マンションの適切てきせつな維持いじ管理かんりを進すすめてもらいたいが、建て替たてかえの選択肢せんたくしを広ひろげることで、老朽ろうきゅう化かマンションの再生さいせいを後押あとおししたい」としています。

老朽ろうきゅう化かマンションの建て替たてかえ主おもに２ふたつの方法ほうほう

老朽ろうきゅう化かしたマンションの建て替たてかえを進すすめる場合ばあい、主おもに２ふたつの方法ほうほうがありますが、課題かだいもあります。

マンションの管理かんり組合くみあいで建物たてものを取り壊とりこわして建て替たてかえる方法ほうほうと、マンションの建物たてものと敷地しきちを業者ぎょうしゃに一括いっかつで売却ばいきゃくして建て替たてかえる方法ほうほうです。

管理かんり組合くみあいで建て替たてかえる場合ばあいは、建て替たてかえられたマンションではなく、別べつの場所ばしょに住すみたいと考かんがえている人ひとの理解りかいを得えることが難むずかしく、建て替たてかえている間まの住すまいを確保かくほする必要ひつようもあり、所有しょゆう者しゃの合意ごうい形成けいせいがなかなか進すすまないという課題かだいがありました。

一方いっぽうで、建物たてものと敷地しきちを業者ぎょうしゃに売却ばいきゃくして建て替たてかえる場合ばあいは、マンション以外いがいのオフィスビルなどの建物たてものに建て替たてかえが可能かのうなため、住民じゅうみんはそこに住すまずに別べつの場所ばしょに行いくことも可能かのうなうえ、売却ばいきゃくで得えた資金しきんをもとに別べつの住すまいを確保かくほしたり、建て替たてかえられたマンションに再ふたたび入居にゅうきょしたりできるメリットがあり、合意ごうい形成けいせいが進すすめやすいと考かんがえられています。

ただ、マンションの建て替たてかえに関にかんする法律ほうりつに基もとづいて売却ばいきゃくによる建て替たてかえをする場合ばあい、所有しょゆう者しゃの合意ごういが５ご分ぶんの４よんで可能かのうなのは、これまで耐震たいしん性せいが不足ふそくするマンションに限かぎられていて、耐震たいしん性せいがあるマンションでも老朽ろうきゅう化かが進すすむおそれがある中なか、法律ほうりつの対象たいしょうの拡大かくだいが議論ぎろんになっていました。