横田よこためぐみさん 拉致らちから42年ねん 母親ははおやの早はや紀江のりえさんが心境しんきょう語かたる

当時とうじ13歳さいだっためぐみさんは、先月せんげつ、55歳さいの誕生たんじょう日びを迎むかえました。

母親ははおやの早はや紀江のりえさん（83）は、拉致らちから42年ねんがたつことについて、「日本にっぽんの国家こっかが何なにをしているんですかという気持きもちです。家族かぞくはずっと変かわらず、一瞬いっしゅん一瞬いっしゅん、つらい思おもいをして、それを抑おさえながら、倒たおれないように、泣なかないようにして元気げんきを出だしていかなきゃと、そういう思おもいでいます」と心境しんきょうを語かたりました。

14日にちに87歳さいになった父親ちちおやの滋しげるさんは、去年きょねんから入院にゅういん生活せいかつが続つづいていますが、めぐみさんの写真しゃしんを毎日まいにち見みているということで、早紀さき江こうさんは、「めぐみの弟おとうとの哲也てつやが『めぐみちゃんも頑張がんばっているから、待まっていてあげなきゃだめだよ』と言いうと、『分わかっている』と話はなしています。一刻いっこくも早はやく、元気げんきな間まに子こどもたちを取り返とりかえしてほしい」と話はなし、肉親にくしんとの再会さいかいを強つよく求もとめました。

そのうえで、「キム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）氏しの心こころひとつで、あちらの国くににも平和へいわが訪おとずれると思おもいます。被害ひがい者しゃを返かえすことで大おおきな喜よろこびが沸わき、『いろんなことはあったけれど、会あわせてくれて本当ほんとうにありがとう』と、北朝鮮きたちょうせんに心こころからの支援しえんがいくような、みんなが幸しあわせになる交渉こうしょうが進すすんでほしい」と話はなし、北朝鮮きたちょうせんのキム・ジョンウン朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう委員いいん長ちょうに、すべての被害ひがい者しゃを帰国きこくさせる決断けつだんを求もとめました。

そして最後さいごに、北朝鮮きたちょうせんにいるめぐみさんについて、「家族かぞくみんなで頑張がんばっているから、あなたも頑張がんばってね、ということばしかありません。いつかなんとかなるかもしれないと思おもって頑張がんばっているんでしょうね。めぐみも、ものすごい42年ねんだったと感かんじているでしょうし、本当ほんとうに酷こくなことです。もうちょっとだからねって、健康けんこうにだけは気きをつけてねって言いいたいです」と話はなしていました。

蓮池はすいけ薫かおるさん めぐみさんの当時とうじの様子ようす明あかす

北朝鮮きたちょうせんに拉致らちされ17年ねん前まえに帰国きこくを果はたした蓮池はすいけ薫かおるさんは、平成へいせい６ろく年ねんまでの一いち時期じきピョンヤン市内しないの横田よこためぐみさんと同おなじ地区ちくで生活せいかつしていました。

蓮池はすいけさんはＮＨＫえぬえいちけいのインタビューに応おうじ、当時とうじのめぐみさんの様子ようすや思い出おもいでを明あかしました。

めぐみさんと交流こうりゅうがあった蓮池はすいけさんは、「めぐみさんは日本にっぽんについて地理ちりや歴史れきし、国家こっか体制たいせいなど、いろんなことを一生懸命いっしょうけんめい勉強べんきょうしていました。私わたしが翻訳ほんやくの仕事しごとをしていたため、資料しりょうがめぐみさんの目めに触ふれ、めぐみさんがそれを切り取きりとってスクラップしていたこともありました。北朝鮮きたちょうせんの検閲けんえつ済ずみの資料しりょうなので大おおきな問題もんだいにはなりませんが、日本にっぽんの豆まめ知識ちしきや、天皇てんのう陛下へいかの写真しゃしんにも関心かんしんを持もち切り抜きりぬきを持もっていました。いつかは日本にっぽんに帰かえるんだという思おもいが非常ひじょうに強つよかったです」と語かたりました。

めぐみさんの安否あんぴを巡めぐっては、北朝鮮きたちょうせんは「自殺じさつした」と説明せつめいしていますが、平成へいせい16年ねんの日にち朝ちょう実務じつむ者しゃ協議きょうぎの際さいに「めぐみさんのものだ」として出だしてきた遺骨いこつから別人べつじんのＤＮＡでぃ-えぬえいが検出けんしゅつされるなど、その説明せつめいには矛盾むじゅんや誤あやまりがあることがわかっています。

蓮池はすいけさんは「日本にっぽんへの思おもいが非常ひじょうに強つよい中なかで北朝鮮きたちょうせんが言いうように、みずから命いのちを絶たつということは考かんがえられません。北朝鮮きたちょうせんでは、かぎつけるメディアもなければ暴露ばくろする人ひともいないし、被害ひがい者しゃを隠かくして生存せいぞん、維持いじさせることは簡単かんたんです。情緒じょうちょ的てき、感情かんじょう的てきな問題もんだいではなく、家族かぞくたちは、科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづいた生存せいぞんを信しんじていますし、それに基もとづいて救出きゅうしゅつしたいと言いっているわけです」と話はなしました。

そのうえで「被害ひがい者しゃがどういう状況じょうきょうに置おかれているのか分わかりませんが、北朝鮮きたちょうせんは、日本にっぽんに返かえすという考かんがえのもとで１いち人にんずつばらばらに管理かんりしているかもしれません。一緒いっしょにいたら全員ぜんいん返かえさざるをえないので、横よこのつながりが何なん年ねんもないようにしておいて、一部いちぶの被害ひがい者しゃを出だしてはうまく幕まくを下おろしたいと考かんがえているかもしれないので、それを阻止そししなければいけないということです」と話はなし、政府せいふの粘り強ねばりづよい取り組とりくみを求もとめました。