帯広市大正地区の農家、早坂佳徳さんは、およそ4ヘクタールの畑で、大きい粒が特徴の「きたろまん」という品種を育てています。
しかし、ことしは夏場に雨の日が多かったため、生育が遅れたほか、さやの数も少なく、収穫量は平年よりも4分の1程度減ったということです。
早坂さんは、「色がのって、よい品質の小豆ができたが、長雨で収穫量は大きく減った」と話しています。
天候不順で収穫量平年より大幅減
国産小豆のおよそ6割を生産する北海道の十勝地方では、夏場の天候不順の影響で、収穫量が平年と比べて大きく落ち込んでいます。
帯広市大正地区の農家、早坂佳徳さんは、およそ4ヘクタールの畑で、大きい粒が特徴の「きたろまん」という品種を育てています。
しかし、ことしは夏場に雨の日が多かったため、生育が遅れたほか、さやの数も少なく、収穫量は平年よりも4分の1程度減ったということです。
早坂さんは、「色がのって、よい品質の小豆ができたが、長雨で収穫量は大きく減った」と話しています。
和菓子メーカーも苦慮
東京自由が丘に本店がある創業80年の「亀屋万年堂」は、北海道産の小豆を使った「あんこ」にこだわって、まんじゅうやどら焼きなどを作っています。
年間およそ40トンの小豆を仕入れていますが、このところの価格上昇で、コストが数百万円増える見込みになっています。
小豆の価格上昇の原因は、最大の産地・北海道での収穫量の落ち込みです。生産者団体の「ホクレン」によりますと、夏場の長雨や日照不足により平年より2割ほど減少する見通しです。
この影響で、国産小豆の価格動向を調べている「貿易日日通信社」によりますと、直近の取引価格は平年に比べ5割以上高くなっているということです。
小豆の価格上昇によるコスト増加を受けて、この和菓子メーカーでは商品の値上げも検討せざるをえないとしています。
亀屋万年堂の高田真至マネージャーは、「商品価格を据え置くのは、非常に厳しい状況だ。しかし、お客様に値上げを受け入れてもらえるか分からず、判断が難しい」と話しています。
「作付け増やして」
国産小豆の価格上昇を受けて和菓子メーカーでつくる「全国和菓子協会」では今月、生産者団体に北海道での作付けを増やすよう要望しました。
全国和菓子協会の藪光生専務理事は、「あんこは和菓子の命なので、簡単には他の産地にかえられない。小豆の価格は天候に左右されやすいので、作付けを増やし、安定供給をお願いしたい」と話しています。