日産自動車のカルロス・ゴーン
前会長が、
私的な
損失の
信用保証に
協力した
実業家に、
日産側から
資金を
不正に
支出させたとして
再逮捕された
事件で、
前会長が
当初、
日産の
資金およそ30
億円を
実業家に
融資するよう
指示し、みずからの
損失の
担保に
充てようとしていた
疑いが
あることが、
関係者への
取材でわかりました。
日産自動車の
前会長、カルロス・ゴーン
容疑者(64)は、
私的な
損失の
信用保証に
協力したサウジアラビアの
実業家、ハリド・ジュファリ
氏の
会社に、
日産の
子会社から16
億円余りを
不正に
支出させたとして、
特別背任の
疑いが
持たれています。
関係者によりますと、ゴーン前会長は損失をめぐって、銀行側から多額の追加担保を求められたため、当初、日産の資金およそ30億円をジュファリ氏に融資するよう指示し、担保に充てようとしていた疑いがあることが新たにわかりました。これを裏付ける日産内部の書面も残されていたということです。
しかし、この融資は日産内部で疑問視されたため、結局、実現せず、ジュファリ氏は、みずからの資金およそ30億円を一定の期間、海外の銀行に預ける形で、前会長の信用保証に協力したということです。
東京地検特捜部はゴーン前会長が、当初からみずからの損失の信用保証に日産の資金を流用しようとしていたとみて、捜査を進めています。
一方、ゴーン前会長は8日、勾留理由開示の手続きで、東京地方裁判所に出廷し、「ジュファリ氏は長年にわたる日産のパートナーで、関係部署の承認を受け、相応の対価を支払った」などと無罪を主張しました。
また、前会長の弁護士によりますと、ジュファリ氏は関係者を通じて「日産側からの資金は、サウジアラビアで深刻な販売不振に陥っていた日産の販売店の立て直しに尽力した報酬として受け取ったものだ」などと説明しているということで、弁護士は8日の会見で「検察はジュファリ氏から話も聞かずに、ゴーン前会長を逮捕した。全く異例の事だ」と捜査を批判しました。