玉井選手を小学生のときから指導してきた馬淵崇英コーチは「飛び込みでは、体が少し成長するだけでバランスが崩れる。さ来年のパリオリンピックを見据えて、いまは体づくりが非常に大事な時期だ」と、自身の体とどう向き合うかが競技人生を左右するという考えを持っています。
こうした中、玉井選手が重点的に取り組んできたのが下半身の強化です。
体が大きくなった分、入水までの時間をできるだけ長くするためには高さを出す必要があるとして、足に筋力をつけようとしています。
練習拠点にしている兵庫県宝塚市のプールのすぐ隣には、玉井選手専用のトレーニング部屋を設けて、多い時でも週1回だった筋力トレーニングを週3回に増やしました。
玉井選手は「力がついて高さが出れば、空中での回転や入水の時に余裕ができる」と話していました。
さらに、腰に重りをつけて宙返りする練習を繰り返し、素早く回転する感覚を身につけることで、大きくなった体を空中でもしっかりコントロールできるようにしてきました。
馬淵コーチは「東京オリンピックまでは『少年』のような感じだったが、これからはパワーとスピードをつけて『大人』の存在感が必要になる。東京大会から熟成してきたという感じはしている」と手応えを話していました。
今回の世界選手権について、玉井選手は「体力も筋力もいちばん成長して、ピークで迎えるパリオリンピックでのメダルに向けた第一歩として、いいスタートダッシュができれば」と意気込んでいました。
強豪の中国勢に割って入って銀メダルを獲得し、最高のスタートを切りました。