中国地方や近畿、東海の各地で記録的な大雨となり被害が出ています。
各地の被害状況についてまとめました。
《京都の被害状況》
京都 床上・床下浸水相次ぐ
京都府のまとめによりますと、きょう午前6時までに、京都府内では9棟の住宅が床上まで水につかる被害が出ています。
内訳は、福知山市で7棟、舞鶴市で1棟、綾部市で1棟となっています。
また、床下が水につかった住宅が福知山市で39棟、舞鶴市で1棟、綾部市で2棟、宮津市で3棟、与謝野町で4棟となっています。
京都府によりますと、福知山市では現在も調査中の住宅が12棟あり、今後、被害が増えるおそれがあるということです。
一方、けがをした人は京都市で2人城陽市で1人向日市で1人精華町で1人の合わせて5人となっています。
いずれも風にあおられて転ぶなどしたもので、けがの程度は軽いということです。
福知山 大江町蓼原 大江町小原田2地区で51人が孤立状態
台風7号による大雨の影響で京都府福知山市では市道に土砂が流れ込んだため通行止めが続いていて、大江町蓼原と大江町小原田の2つの地区の一部で孤立した状態になっています。
福知山市によりますと、孤立した地区には27世帯51人が住んでいて、いずれも連絡が取れる状態でけが人はいないということです。
市はけさから土砂などの撤去作業を始めていますが、市道の復旧のめどはたっていないということです。
道路は、土砂を避けながら歩くことができるということで、今後、市の職員が食料などの支援物資を歩いて届けることにしているということです。
午前9時30分すぎ京都府福知山市でNHKのヘリコプターが撮影した映像では住宅が建ち並ぶ地域にも土砂が流れ込み、道路の隅には流されてきたとみられる木々や土砂がみられました。
また、住民たちが土砂をかき出すなどして後片づけを行っている様子も確認できました。
伊佐津川にかかる橋の一部流される 京都 舞鶴
16日午前9時ごろ、京都府舞鶴市を流れる伊佐津川の様子をNHKのヘリコプターから撮影した映像には、川にかかっている橋の一部が流されている様子が映っていました。
複数の山の斜面が崩れる 京都 綾部
16日午前8時45分ごろ京都府綾部市でNHKのヘリコプターが撮影した映像からは、複数の箇所で山の斜面の土砂が崩れている状況が確認できました。
また山のふもとにある建物のそばには、土砂とともに流れ込んできたとみられる大量の樹木が横倒しになって積み重なっていました。
建物は瓦ぶきの屋根が落ちつぶれている様子がうかがえます。
《兵庫の被害状況》
香美町 浸水や土砂流入被害相次ぐ
台風7号の影響で兵庫県北部の香美町では、およそ30棟の住宅が浸水したほか、崩れた土砂が住宅の敷地に入り込む被害が出ています。
香美町によりますと、15日町内を流れる矢田川から水があふれ、香住区の油良や間室のあわせて27棟の住宅が床上まで水につかる被害が出たということです。
また、香住区七日市では複数の住宅で床下浸水の被害があったということです。
このほかの地域では、土砂崩れが起き、村岡区では崩れた土砂が住宅の敷地に入るなどの被害が出たということで、町がけさから被害状況の確認を進めています。
町内では午前11時現在、村岡区和田の3世帯、5人に避難指示が出されています。
兵庫県が香美町に災害救助法適用を決定
兵庫県は、台風7号による災害で多くの住民に被害が出ているおそれがあるとして、香美町に災害救助法を適用することを決めました。
これにより、避難所の設置費用や、被害を受けた住宅の応急的な修理などにかかる費用は、町に代わって国や県が負担することになります。
香美町で矢田川あふれる 住宅や倉庫など浸水
兵庫県北部の香美町を流れる矢田川は川の水があふれ、周辺の住宅や倉庫などおよそ20棟が床上や床下の浸水の被害が出ました。
このうち、町の中心部から西に1キロほどの場所にある油良地区では、住宅や農作物を保管していた倉庫などが腰の高さまで水につかったということです。
16日は午前6時ごろから住民や消防の人たちがホースなどを使って泥をかき出す作業を行っていました。
この地区に50年以上住むという80歳の女性によりますと、自宅の倉庫に入っていた地元特産のさんしょうを入れるための木の箱、300個ほどが水につかったということです。
女性は、「きのうの午後4時ごろ、一気に水が入り込み、倉庫の中のものがかき回されて動き回っていました。ここまでひどい被害は初めてです」と話していました。
《鳥取の被害状況》
鳥取市佐治町で1人死亡 災害との関連は調査中
鳥取市や消防によりますと、15日7時半ごろ、台風の影響で集落が孤立していた鳥取市佐治町にある集会所に自主避難をしていた80代の女性が体調不良を訴え、その後、心肺停止の状態となりました。
女性は病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されたということです。
市は当時の状況や災害との関連があるかどうか調べています。
鳥取市内 592世帯1233人が孤立状態に
鳥取市によりますと、台風7号による大雨で道路が崩落するなどした影響で、鳥取市佐治町や鹿野町などで孤立集落が発生しているということです。
孤立集落が発生しているのはいずれも鳥取市内で、佐治町の佐治川周辺と、鹿野町河内周辺、国府町雨滝、安蔵、それに河原町北村のあわせて592世帯1233人が孤立状態となっています。
八頭町 帰省中の親戚が土砂撤去手伝う
八頭町福地では、お盆休みで帰省していた親戚が土砂の撤去作業を手伝っています。
近くの山の土砂が家の前まで流れ込んできたという安部公子さん(68)の住宅では、鳥取市内の別の家に帰省していたほかの親戚も撤去作業を手伝うためにけさから訪れていて、10人ほどで作業にあたっているということです。
安部さんは、「お盆休みを楽しみにしていたのにこんなことになってしまったが別の親戚の家に帰省していた人たちも力仕事を手伝いたいと来てくれ本当にうれしい。水路や側溝にたまった泥を出してくれていて、若い力にとても助けられています」と話していました。
鳥取市用瀬町別府 国道482号線 道路が崩落し通行止め
鳥取市南部の佐治町と、鳥取市の中心部方面とを結ぶ鳥取市用瀬町別府の国道482号線では、佐治川に沿った道路が崩落し通行止めとなっています。
国道は片側1車線の車道とともに、川沿いにある歩道も崩落しています。
鳥取市用瀬町別府にある国道482号線が崩落する様子を家の中から見ていたという岸田輝男さん(78)は、「家で寝ようとしたら大きな音が鳴ったので窓を見るとドミノのように少しずつ道路が崩れているのが見えた。すごい被害であれだけえぐられるのかと驚いた。みなが使っている国道なので1日でも早く復旧してほしいです」と話していました。
鳥取市 佐治川沿いの道路が一部崩れ落ちる
16日午前5時すぎ、鳥取市佐治町総合支所の近くから地元の消防団の男性が撮影した佐治川の映像です。
川が濁流となって激しく流れている様子や、川沿いの道路の一部が崩れ落ち、ガードレールが大きく曲がっている様子がわかります。
撮影した消防団の男性は「過去にない雨や川の増水で、道路が崩落したり陥没したりしているという情報が複数寄せられています。これから出勤などで車を利用する人も増えることが予想されますが、道路の状況に気をつけて自分の命を守ってほしいです」と話していました。
鳥取市佐治町など1789人が孤立状態に 土砂崩れで道路寸断
雨で土砂崩れが起き道路が寸断された影響などで、鳥取市では佐治町の全域など各地で孤立した状態になっている地域があります。
鳥取市よりますと、孤立した状態になっているのは、
▽佐治町の全世帯の735世帯1597人、
▽国府町雨滝の13世帯24人、
▽鹿野町河内の80世帯153人、
▽河内の安蔵集落の7世帯15人の、
あわせて835世帯1789人です。
鳥取市は支所などを通じて情報収集を行っていて、孤立した集落の住民の安全については確認できているとしています。