今月8日にハワイのマウイ島で起きた山火事では、強風にあおられて市街地に急速に燃え広がり、これまでに死亡が確認された人は106人にのぼっています。
このうち身元が分かった人は5人にとどまっていて、アメリカ政府は検視官や医師などでつくるチームを現地に派遣し犠牲者の身元の特定を進めています。
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズはこうした活動に2001年のアメリカ同時多発テロ事件を経験したレスキュー隊員や、ウクライナへの軍事侵攻で戦争犯罪を記録する活動に従事したDNAの専門家も加わったと伝えています。
山火事の発生以降安全の確保や行方不明者の捜索のために島の西側の大部分への立ち入りが規制されてきましたが現地時間の16日朝、西側に通じる道路の通行が再開されました。
大規模な被害を受け、ホワイトハウスは今月21日にバイデン大統領が現地を視察すると発表し、被害を受けた人たちと面会するほか復旧に向け地元当局と協議することにしています。
通行が規制されていたラハイナ周辺は
NHKの取材班はこれまで通行が規制されていたラハイナの周辺に入りました。
車がラハイナに近づくと道路わきの地面が真っ黒に焦げた一帯に入りました。
歴史的な建物が建ち並ぶラハイナの中心部はいまも立ち入りが禁止されていますが、高台から見渡すと広い範囲で建物が黒く焦げ、焼け落ちているのがわかりました。
焼けた範囲は広大ですが、場所によって焼け落ちた建物と、被害を受けなかったとみられる建物が隣り合わせになっている場所もあちこちで見られました。
住宅地とみられるエリアでは道路に黒焦げになった乗用車が数多く残されていました。
店舗などが閉まっていて道路沿いには生活用品の物資を地域に残って生活している人たちに配るための拠点が設けられボランティアが活動していました。