Actualités japonaises: 企業の採用面接きょう開始人材不足で採用活動前倒し企業も増

来年らいねん春はるに卒業そつぎょうする大学生だいがくせいなどを対象たいしょうにした企業きぎょうの採用さいよう面接めんせつは、政府せいふのルールで6月つき1日にち開始かいしとなっています。ただ、人材じんざい不足ふそくを背景はいけいに採用さいよう活動かつどうを前倒まえだおしして行おこなう企業きぎょうも増ふえ、大学生だいがくせいの内定ないてい率りつはすでに7割わりを超こえています。

来年らいねん春はるに卒業そつぎょうする大学生だいがくせいや大学だいがく院生いんせいを対象たいしょうにした企業きぎょうの採用さいよう面接めんせつは、政府せいふが決きめたルールで6月つき1日にち開始かいしされます。

情報じょうほうサービス大手おおてが4月つき下旬げじゅんに発表はっぴょうしたところによりますと、求人きゅうじん倍率ばいりつは1.71倍ばいで前まえの年としの同おなじ時期じきの1.58倍ばいよりも0.13ポイント上回うわまわりました。

コロナ禍かからの回復かいふくに伴ともない企業きぎょうの採用さいよう意欲いよくの高たかまりが顕著けんちょになっていて、人手ひとで不足ふそくが続つづく建設けんせつ業ぎょうや小売こうり業ぎょうだけでなく、中小ちゅうしょう企業きぎょうを含ふくめて求人きゅうじんの動うごきが広ひろがっているとしています。

こうした人材じんざい不足ふそくを背景はいけいに、政府せいふのルールによる開始かいし時期じきよりも前まえに採用さいよう面接めんせつを前倒まえだおしして行おこなう企業きぎょうが増ふえているのが実態じったいで、大学生だいがくせいの内定ないてい率りつは、5月つき中旬ちゅうじゅんの時点じてんで7

2.1％と、前まえの年としの同おなじ時期じきより6.7ポイント上昇じょうしょうしています。

リクルート就職しゅうしょくみらい研究所けんきゅうじょの栗田くりた貴たか※ヨシ所長しょちょうは、「景気けいきの回復かいふく局面きょくめんに乗り遅のりおくれないようにするため企業きぎょうの採用さいよう意欲いよくが高たかく、内定ないていを早はやめに出だす動うごきが進すすんできている。政府せいふのルールと実情じつじょうの部分ぶぶんでかい離かいりが非常ひじょうに大おおきい」と指摘してきしています。

◆ 栗田くりた貴たか※ヨシの「ヨシ」は「示」へんに「羊ひつじ」

内定ないてい率りつはこの4年間ねんかんで最高さいこう水準すいじゅんに

ことしの内定ないてい率りつは、この4年間ねんかんで最もっとも高たかい水準すいじゅんとなっています。

リクルートが来年らいねん春はるに卒業そつぎょうする大学生だいがくせいを対象たいしょうに調査ちょうさしたところ、内定ないてい率りつは、先月せんげつ中旬ちゅうじゅんの時点じてんで72.1％となっています。

これは、去年きょねんの同おなじ時期じきより6.7ポイント上昇じょうしょうし、この時期じきの集計しゅうけいを取とり始はじめた2020年ねん以降いこう、この4年間ねんかんで最もっとも高たかい水準すいじゅんです。

さらに、2つ以上いじょうの企業きぎょうから内定ないていを得えたと答こたえた学生がくせいは58.6％で、去年きょねんの同おなじ時期じきよりも2.3ポイント高たかくなっています。

一方いっぽう、内定ないていを得えた企業きぎょうの業種ぎょうしゅを複数ふくすう回答かいとうで尋たずねたところ、最もっとも多おおかったのは情報じょうほう通信つうしん業ぎょうで29.3％でほかの業種ぎょうしゅと比くらべて高たかい水準すいじゅんとなっています。

これはIT関連かんれんの技術ぎじゅつ者しゃなどの人材じんざい不足ふそくを背景はいけいに企業きぎょうの間まで積極せっきょく的てきな採用さいよう活動かつどうを前倒まえだおしして行いっていることがうかがえます。

次ついで、電機でんきや自動車じどうしゃなどのほか、食品しょくひんや化粧けしょう品ひんなどの製造せいぞう業ぎょうがいずれも15.1％となっています。

その次つぎに多おおかったのがサービス業ぎょうで14.2％でした。

また、文系ぶんけいと理系りけいでわけると、文系ぶんけいの70.6％に対にたいして、理系りけいは75.6％にのぼり、企業きぎょうの間までいわゆる理系りけい人材じんざいの獲得かくとく競争きょうそうの激はげしさがうかがえます。

企業きぎょうの採用さいよう活動かつどうルールは

企業きぎょうの採用さいよう活動かつどうのルールは、政府せいふの会議かいぎで見直みなおしも含ふくめて検討けんとうが進すすめられています。

従来じゅうらいは、経団連けいだんれんが指針ししんとして定さだめてきましたが、おととし春はるに卒業そつぎょうした学生がくせいから指針ししんを策定さくていしないことを決きめていました。

その後そのごは、政府せいふの会議かいぎで経済けいざい界かいや大学だいがくの関係かんけい者しゃを交まじえながらルールが決きめられています。

来年らいねん春はるに卒業そつぎょうする今いまの4年生ねんせいの採用さいよう活動かつどうについては、企業きぎょう説明せつめい会かいなどの広報こうほう活動かつどうはことし3月つきから、採用さいよう面接めんせつは6月つき以降いこうとしたうえで、内定ないていを出だす時期じきをことし10月つき以降いこうとすることが決きめられました。

ただ、このルールは、企業きぎょう側がわに対にたいする要請ようせいの形かたちとして位置いちづけられ、実態じったいとして企業きぎょうの間までは採用さいよう活動かつどうの前倒まえだおしを行おこなう動うごきが増ふえています。

こうした中なか、政府せいふの会議かいぎは、ルールの見直みなおしも含ふくめて検討けんとうを進すすめています。

直近ちょっきんの去年きょねん11月つきの会議かいぎでは、再さい来年らいねん春はるに卒業そつぎょうする今いまの3年生ねんせいの採用さいよう活動かつどうについても、面接めんせつの開始かいし時期じきを前年ぜんねんの6月つき以降いこうとすることが決きめられましたが、2026年ねん春はる以降いこうについては、企業きぎょうの採用さいようやキャリアパスの多様たよう化かを踏ふまえ、今後こんご政府せいふの会議かいぎで協議きょうぎするとしています。

また、これとは別べつに政府せいふはことし4月つき、2026年ねん春はるに卒業そつぎょうする今いまの2年生ねんせいのうち、企業きぎょう側がわが2週間しゅうかん以上いじょうのインターンシップによって専門せんもん性せいが高たかいと判断はんだんした人材じんざいについては、面接めんせつの開始かいし時期じきを3か月かげつほど前倒まえだおしして春休はるやすみ以降いこうとする方針ほうしんを示しめしています。

“ルールと実情じつじょう” かい離かいり大おおきく

リクルート就職しゅうしょくみらい研究所けんきゅうじょの栗田くりた貴たか※ヨシ所長しょちょうは、採用さいよう活動かつどうの前倒まえだおしが進すすんでいる現状げんじょうについて、「景気けいきの回復かいふく局面きょくめんに乗り遅のりおくれないためにも特とくに若わかい人材じんざいの採用さいよう意欲いよくが非常ひじょうに高たかくなってきている。内定ないていを早はやめに出だす動うごきが進すすみ、政府せいふのルールと実情じつじょうの部分ぶぶんでかい離かいりが非常ひじょうに大おおきくなっている」と指摘してきしています。

そのうえで、今後こんごの採用さいよう活動かつどうについては「中ちゅう長期ちょうき的てきな労働ろうどう力りょく不足ふそくは変かわらないと思おもうので、この状況じょうきょうはしばらく続つづくのではないか。個人こじんの多様たような価値かち観かんや実現じつげんしたいキャリアパスに企業きぎょうも寄り添よりそい、ともにキャリアをつくっていかないと、優秀ゆうしゅうな人材じんざいは来きてくれない時代じだいになっていくと感かんじる」と述のべました。

また、コロナ禍かで広ひろがったオンラインでの採用さいよう面接めんせつについては「企業きぎょうと学生がくせいが互たがいに費用ひよう面めんなどのメリットがあり有効ゆうこうなツールとなっている」と述のべ、対面たいめんでの面接めんせつとともに、引き続ひきつづき活用かつようされていくという見方みかたを示しめしました。