屋形船やかたぶね そのときの船内せんないの様子ようすとは… 新型しんがたウイルス感染かんせん

中国ちゅうごく 湖北こほく省しょう武漢ぶかんで、当局とうきょくによる事実じじつ上じょうの封鎖ふうさ措置そちが行おこなわれた先月せんげつ23日にちより前まえで、国内こくないの日本人にっぽんじんの感染かんせん者しゃも出でていませんでした。

新年しんねん会かいに参加さんかしたのは、個人こじんタクシーの組合くみあい支部しぶの従業じゅうぎょう員いんや所属しょぞくする運転うんてん手しゅ、それに家族かぞくや友人ゆうじんなどの合あわせておよそ80人にん。

それに屋形船やかたぶねの会社かいしゃの従業じゅうぎょう員いんなども合あわせると当時とうじ、屋形船やかたぶねには合あわせて、およそ100人にんがいたといいます。

屋形船やかたぶねの中なかはテーブルが全部ぜんぶで12あり、わずかな幅はばの通路つうろを挟はさんで縦たてに２に列れつ並ならべられていました。

１ひとつのテーブルには６ろく人にんほどが座すわることができ、隣となりの人ひととの距離きょりはかなり接近せっきんしていて、トイレなどへの移動いどうも大変たいへんなほど。

さらに従業じゅうぎょう員いんなども頻繁ひんぱんに狭せまい通路つうろを行き来いききし、乗客じょうきゃくの間まから料理りょうりや飲み物のみものを配膳はいぜんしていたといいます。

また、会かいの途中とちゅうからはカラオケも行おこなわれ、中なかには歌うたを歌うたいながら船ふねの中なかを踊おどって歩き回あるきまわる人ひとまでいたといいます。

カラオケでは、同おなじマイクをみんなで使つかっていたとのことです。

新年しんねん会かいは２に時間じかん半はんのコースで、この日ひは雨あめが降ふって風かぜも強つよく寒さむかったこともあり、屋形船やかたぶねの窓まどは、ほとんどが閉しめられていたといいます。

新年しんねん会かいからしばらくして、参加さんか者しゃの中なかに熱ねつなどの症状しょうじょうを訴うったえる人ひとたちが出でるようになりました。

このうち、最初さいしょに感染かんせんが確認かくにんされた70代だいの運転うんてん手しゅは、１月いちがつ29日にちに熱ねつなどの症状しょうじょうが出でて都内とないの医療いりょう機関きかんを受診じゅしん。

その後そのごも症状しょうじょうが改善かいぜんされないため、今月こんげつ３さん日にちに再ふたたび受診じゅしんすると、肺炎はいえんの症状しょうじょうが認みとめられ６ろく日にちに入院にゅういんしました。

そして13日にちに、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていたことが確認かくにんされました。

さらに今月こんげつ13日にちに、運転うんてん手しゅの80代だいの義理ぎりの母親ははおやが死亡しぼうし、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていたことがわかりました。

また、新年しんねん会かいのあと最初さいしょに感染かんせんした運転うんてん手しゅ以外いがいにも運転うんてん手しゅが１いち人にん、肺炎はいえんで入院にゅういんしていたということです。

ただ、この頃ころは組合くみあいの従業じゅうぎょう員いんや運転うんてん手しゅなどは新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしているとは思おもいもしなかったといいます。

関係かんけい者しゃの１いち人にんは「屋形船やかたぶねでの新年しんねん会かいはとても楽たのしく、よい思い出おもいでとなっていたが、一緒いっしょにいた人ひとの中なかから感染かんせん者しゃがここまで相次あいつぎ、とても恐おそろしい。いまだに事態じたいが飲み込のみこめず混乱こんらんしている」と話はなしていました。

一方いっぽう、屋形船やかたぶねの会社かいしゃでも従業じゅうぎょう員いん２に人にんが新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていたことが確認かくにんされました。

このうち70代だいの従業じゅうぎょう員いんは先月せんげつ15日にちごろに、この会社かいしゃの屋形船やかたぶねを利用りようした中国人ちゅうごくじん60人にんぐらいの団体だんたい客きゃくの対応たいおうをしていました。

従業じゅうぎょう員いんはこの時とき、屋形船やかたぶねの中なかで料理りょうりの配膳はいぜんなどを行おこなったということです。

そして従業じゅうぎょう員いんは、その３さん日にち後ごの18日にちの新年しんねん会かいでも、屋形船やかたぶねの中なかで料理りょうりの配膳はいぜんなどを担当たんとうしていたということです。

この従業じゅうぎょう員いんは新年しんねん会かいからしばらくたって体調たいちょうを崩くずし、先月せんげつ下旬げじゅんに病院びょういんに入院にゅういんし、肺炎はいえんの症状しょうじょうが確認かくにんされました。

会社かいしゃは、従業じゅうぎょう員いんが直近ちょっきんに中国人ちゅうごくじんの団体だんたい客きゃくの対応たいおうをしていたため、すぐに保健所ほけんじょに連絡れんらく。

会社かいしゃが従業じゅうぎょう員いんにくわしく話はなしを聞きくと「中国ちゅうごくからの団体だんたい客きゃくの人ひとに、どこから来きたのか聞きいたら『湖北こほく省しょうから』と言いっていた。あまり話ばなしをせずに仕事しごとをした」と話はなしたということです。

従業じゅうぎょう員いんは入院にゅういん先さきでの検査けんさで、いったんは陰性いんせいと言いわれたということですが、今月こんげつ13日にちに改あらためて検査けんさを受うけたところ、翌日よくじつの14日にちに陽性ようせいであることが分わかったということです。

屋形船やかたぶねの会社かいしゃの関係かんけい者しゃは「中国人ちゅうごくじんの団体だんたいの関係かんけい者しゃに確認かくにんをしたら、『湖北こほく省しょうの人ひとはコロナに感染かんせんしていない』との回答かいとうがあった。どこから感染かんせんしたのかわからない。私わたしたちが感染かんせん源げんのように扱あつかわれるのはつらい」と話はなしています。

そのうえで「会社かいしゃとして影響えいきょうは深刻しんこくで、国くにには、もっと徹底てっていした水際みずぎわ対策たいさくを取とってほしかった」と話はなしています。

なお、感染かんせん経路けいろの調査ちょうさをする東京とうきょう都とは、今回こんかいの感染かんせんは空気くうきの出入でいりのない比較的ひかくてき狭せまい閉鎖へいさされた空間くうかんで起おきたものであり「屋形船やかたぶねが悪わるいというわけではない」と指摘してきしています。