検査けんさの実施じっし状況じょうきょう 地域ちいきによって大おおきな開ひらき 新型しんがたコロナウイルス

その結果けっか、全国ぜんこくの都道とどう府県ふけんで10日間にちかんに国くにの実施じっし分ぶんを除のぞいて、少すくなくともおよそ4200件けんの検査けんさが行おこなわれ、１いち日にち当あたりの平均へいきんはおよそ420件けんとなりました。

地域ちいき別べつに見みると、神奈川かながわ県けんで少すくなくとも811件けん、次ついで、和歌山わかやま県けんが609件けん、東京とうきょう都とが352件けん、千葉ちば県けんでおよそ300件けん、愛知あいち県けんで182件けんなどとなっていて、感染かんせん者しゃが相次あいついで確認かくにんされた地域ちいきが多おおくなっています。

国内こくないで、感染かんせんした人ひとが最もっとも多おおく確認かくにんされている北海道ほっかいどうは、期間きかん中ちゅうの詳くわしい集計しゅうけいができていないということです。

一方いっぽう、岩手いわて県けんでは４よん件けん、高知こうち県けんで７なな件けん、青森あおもり県けんで12件けん、群馬ぐんま県けんで13件けん、徳島とくしま県けんで14件けんなどと感染かんせん者しゃが確認かくにんされていなかった地域ちいきでは検査けんさ件数けんすうが少すくなくなっています。

また、都道とどう府県ふけんの中なかには、症状しょうじょうなどから保健所ほけんじょが検査けんさを見送みおくったケースがあると回答かいとうしたところも複数ふくすうありました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと新型しんがたコロナウイルスの検査けんさは、現在げんざい、各地かくちの衛生えいせい研究所けんきゅうじょや民間みんかんの検査けんさ機関きかん、それに大学だいがくなどで１いち日にち合あわせて4030件けんほどが可能かのうになっています。

感染かんせん症しょう対策たいさくに詳くわしい東北とうほく医科いか薬科やっか大学だいがくの賀来かく満夫みつお特とく任にん教授きょうじゅは「検査けんさの件数けんすうは感染かんせん者しゃ数すうや保健所ほけんじょのマンパワーなどによってどうしても地域ちいきで偏かたよりが出でてくる。和歌山わかやまの検査けんさを大阪おおさかが協力きょうりょくしたように、検査けんさが比較的ひかくてき少すくない地域ちいきが代かわりに行おこなうなど日本にっぽん全体ぜんたいで協力きょうりょくしあっていく必要ひつようがある。そのためには国くにが率先そっせんして協力きょうりょく体制たいせいを整ととのえてほしい」と話はなしていました。

現場げんばで混乱こんらんも「国くにの方針ほうしん一貫いっかんせず」

都道とどう府県ふけんの中なかには、ウイルス検査けんさをめぐる国くにの方針ほうしんが一貫いっかんしておらず、現場げんばでどう対応たいおうしていいか混乱こんらんしているなどと話はなすところもあります。

このうち東京とうきょう都とは、検査けんさ対象たいしょうについてどこまでを含ふくめればよいのか国くにの対応たいおうが一貫いっかんしておらず、混乱こんらんを招まねいていると話はなしています。

また、検査けんさ体制たいせいを整ととのえようと民間みんかんの検査けんさ会社かいしゃを探さがしたものの、国くにとしか契約けいやくしないと門前払もんぜんばらいされたこともあったといます。

さらに、人手ひとで不足ふそくを訴うったえる自治体じちたいもあります。保健所ほけんじょの職員しょくいんは、今いまの時点じてんでも相談そうだんを受け付うけつけたり、ウイルス検査けんさの検体けんたいを医療いりょう機関きかんに受け取うけとりに行いくなどしてフル稼働かどうで対応たいおうしているため、さらに検査けんさが増ふえれば体制たいせいが成り立なりたたないという声こえがあがっています。

また、相談そうだんセンターには、いまだに症状しょうじょうがない人ひとから検査けんさを受うけたいと求もとめられることがあり、相談そうだんや受診じゅしんの目安めやすが十分じゅうぶん周知しゅうちできていないと指摘してきする意見いけんも出でています。

「簡単かんたんには検査けんさ数すう増ふやせない」

新型しんがたコロナウイルスの検査けんさを受うけたくても受うけられないといったケースが相次あいつぎ、国くには検査けんさ体制たいせいの拡充かくじゅうを図はかっていますが、検査けんさを担になっている研究所けんきゅうじょからは、質しつを保たもつのが難むずかしいため、簡単かんたんには検査けんさ数すうを増ふやせないという声こえが出でています。

全国ぜんこくに83か所かしょある地方ちほう衛生えいせい研究所けんきゅうじょの1つ、川崎かわさき市し健康けんこう安全あんぜん研究所けんきゅうじょには新型しんがたコロナウイルスの疑うたがいがある検体けんたいが連日れんじつ、およそ20件けん届とどけられ、５ご人にんの専門せんもんの職員しょくいんが交代こうたいで週末しゅうまつも検査けんさにあたっています。

研究所けんきゅうじょでは、検体けんたいが届とどけられると、職員しょくいんが２に人にん１いち組くみで、検体けんたいの番号ばんごうなどを記録きろくしたあと、二に重じゅう扉とびらで隔離かくりし、室内しつないの気圧きあつを低ひくく保たもって、ウイルスが漏もれ出ださないようにした特別とくべつな検査けんさ室しつに持ち込もちこみます。

検体けんたいに試薬しやくを入いれて、ウイルスを抽出ちゅうしゅつする作業さぎょうは、新型しんがたコロナウイルス専用せんようにしている検査けんさ室しつ１いち室しつだけでしかできません。続つづいて、遺伝子いでんしの断片だんぺんを大量たいりょうに増ふやして検出けんしゅつする「リアルタイムＰＣＲ」と呼よばれる装置そうちに入いれて分析ぶんせきしますが、全体ぜんたいの検査けんさの過程かていでおよそ５ご時間じかんかかるということです。

研究所けんきゅうじょでは最大さいだいで１いち日にち40の検体けんたいを検査けんさできますが、となりあった穴あなに少すこしでも液えきが混入こんにゅうすると結果けっかを誤あやまるおそれがあるため、穴あなを１ひとつずつ空あけて液えきを入いれることにしていて、実際じっさいに検査けんさできるのは半数はんすうの20件けん程度ていどだということです。

川崎かわさき市し健康けんこう安全あんぜん研究所けんきゅうじょの岡部おかべ信彦のぶひこ所長しょちょうは、「限かぎられたスタッフで、休やすみなく検査けんさをしている状況じょうきょうだ。検査けんさの正確せいかく性せいや安全あんぜん性せいが損そこなわれるリスクがあり、簡単かんたんに数かずを増ふやすことは難むずかしい」と話はなしています。

電話でんわ相談そうだんの専用せんよう窓口まどぐち 少すくなくとも８はち万まん3000件けん余あまり

また感染かんせんが疑うたがわれる人ひとからの電話でんわ相談そうだんに応おうじる専用せんよう窓口まどぐち「帰国きこく者しゃ・接触せっしょく者しゃ相談そうだんセンター」に寄よせられた相談そうだんは、先月せんげつ26日にちまでの10日間にちかんに少すくなくとも全国ぜんこくで８はち万まん3000件けん余あまりに上のぼり、このうち「帰国きこく者しゃ・接触せっしょく者しゃ外来がいらい」を受診じゅしんすることになったのは少すくなくとも1358件けんとなっています。

ただし、16の都道とどう府県ふけんは外来がいらいの受診じゅしん件数けんすうについては非ひ公表こうひょうや未み集計しゅうけいだとしていて、実際じっさいにはこれ以上いじょうの人ひとたちが受診じゅしんしているものと見みられます。