Japanese News: 臨時休校子どもの相談機関にストレスや不安の訴え相次ぐ

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを防ふせぐという理由りゆうで、全国ぜんこくの学校がっこうに臨時りんじ休校きゅうこうが呼よびかけられてからまもなく２に週間しゅうかんです。子こどもの相談そうだん機関きかんには、「友達ともだちに会あえない」「居場所いばしょがない」といったストレスや不安ふあんを訴うったえる相談そうだんが相次あいついでいて、専門せんもん家かは、「我慢がまんを強しいられている子こどもたちのストレスを大人おとなは理解りかいすべきだ」と指摘してきしています。新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいで国くにが全国ぜんこくの学校がっこうに臨時りんじ休校きゅうこうを呼よびかけてから、まもなく２に週間しゅうかんです。

全国ぜんこくの98％以上いじょうの小中しょうちゅう学校がっこうが休校きゅうこうを実施じっしし、再開さいかいを決きめた一部いちぶ地域ちいきを除のぞいて、今いまも再開さいかいの目安めやすは示しめされていません。

全国ぜんこくの子こどもたちから、電話でんわやチャットで悩なやみ相談そうだんを受うけている、ＮＰＯえぬぴ-お-「チャイルドライン」には新型しんがたコロナウイルスや休校きゅうこうに関にかんする相談そうだんが相次あいついで寄よせられています。

具体ぐたい的てきには、学校がっこうが急きゅうに休やすみになり、友達ともだちに会あえなくて寂さびしいとか、授業じゅぎょうが受うけられなくて、学習がくしゅう機会きかいが減へってしまった、さらに、家いえにいると親おやに怒おこられるので、居場所いばしょがないといった、ストレスや不安ふあんを訴うったえる相談そうだんが多おおいということです。

なかには、一方いっぽう的てきに新型しんがたコロナウイルスへの不安ふあんを語かたり出だすなど、精神せいしん的てきに不安定ふあんていな子こどももいたということです。

チャイルドライン支援しえんセンターの高橋たかはし弘恵ひろえ専務せんむ理事りじは、「卒業そつぎょうや進路しんろのことなど、不安定ふあんていになりがちな時期じきに、ウイルスという目めに見みえないものへの不安ふあんや、余裕よゆうがない大人おとなたちの心情しんじょうが敏感びんかんに伝つたわっている印象いんしょうを受うける。大人おとなが日常にちじょうに近ちかい生活せいかつを続つづけている中なか、なぜ自分じぶんたちだけが休校きゅうこうになっているのか理解りかいできていない子こもいる。子こどもたちが、我慢がまんを強しいられていることを理解りかいする必要ひつようがある」と話はなしています。

中学生ちゅうがくせい「みんなで練習れんしゅうしてきた部活ぶかつできず目標もくひょうなくなる」

休校きゅうこう中ちゅうの子こどもたちのストレスや不安ふあんはどのようなものなのか。

神奈川かながわ県けんの中学ちゅうがく１いち年ねんの女子じょし生徒せいとに自宅じたくで話はなしを聞ききました。

この女子じょし生徒せいとの学校がっこうは、今月こんげつ３さん日にちから休校きゅうこうになりました。

学校がっこうからは、毎日まいにち、午後ごご１いち時じまで、自宅じたくで学習がくしゅうするよう指導しどうされましたが、１いち人にんでは難むずかしさを感かんじるといいます。

女子じょし生徒せいとは「教おしえてくれる人ひとがいないから、自分じぶんで教科書きょうかしょを見みて理解りかいしなければいけない。数学すうがくとか理科りかはどうやって計算けいさんしていいか分わからないので難むずかしい」と話はなしました。

さらに、突然とつぜん、友人ゆうじんと会あえなくなり、大好だいすきな部活ぶかつもできなくなったため、不安ふあんやストレスを感かんじることもあるといいます。

女子じょし生徒せいとは「みんなで楽たのしく練習れんしゅうしてきた部活ぶかつもなくなり、目標もくひょうがなくなってしまった。休校きゅうこうは健康けんこうのためなのは分わかるのでしかたないけれど、やっぱりみんなに会あいたい。不安ふあんで寂さびしい気持きもちがあります」と打ち明うちあけました。

高校生こうこうせい「しゃべる機会きかいが減へりＳＮＳ上じょうにはき出はきだす」

休校きゅうこうによって、生活せいかつリズムが崩くずれて、ストレスや不安ふあんが募つのっているという声こえも聞きかれます。

関東かんとう地方ちほうの高校こうこう１いち年ねんの女子じょし生徒せいとは、外出がいしゅつを控ひかえているため、多おおい時ときは１いち日にちに８はち時間じかん、自宅じたくでオンラインゲームやＳＮＳをして過すごしていると言いいます。

女子じょし生徒せいとは誰だれにも言いえない気持きもちをＳＮＳ上じょうにはき出はきだしています。「大好だいすきな先輩せんぱいの卒業そつぎょう式しきにも出でられなくなり、本当ほんとうはあと１いちか月かげつ、一緒いっしょにいられたはずの仲間なかまとも急きゅうにお別わかれ」とか、「そろそろ病やみそう。休校きゅうこうになって人ひとと会あえない」などと書き込かきこんでいます。

女子じょし生徒せいとは、「人ひととしゃべる機会きかいが減へってしまって、気分きぶんが沈しずんでしまうことが多おおい。朝あさ起おきるのも、遅おそくなってしまって、生活せいかつリズムも変かわってきている。休校きゅうこうがいきなりすぎたと、その理由りゆうがよく分わからない。感染かんせん者しゃが多おおい地域ちいきとかは、休校きゅうこうという対策たいさくを取とるのも分わかるんですけれど、私わたしの地域ちいきはそこまで感染かんせん者しゃがいない。休やすみがどれぐらい続つづくのか先さきが見みえないのも不安ふあんです」と話はなしていました。

小学校しょうがっこうを開放かいほう希望きぼうする児童じどう約やく100人にんが登校とうこう東京とうきょう港みなと区く

東京とうきょう港みなと区くの白金はっきん小学校しょうがっこうでは、午前ごぜん９きゅう時じから２に時間じかん、小学校しょうがっこうが開放かいほうされ、高学年こうがくねんの児童じどうおよそ100人にんが登校とうこうしました。

東京とうきょう港みなと区くは、すべての小中しょうちゅう学校がっこうで、今週こんしゅうから希望きぼうする子こどもたちを学年がくねんごとに登校とうこうしてもらう取り組とりくみを始はじめています。

児童じどうらは、教室きょうしつと校庭こうていに分わかれて、学習がくしゅうの分わからないところを教員きょういんに聞きいたり、校庭こうていで友達ともだちとボール遊あそびをしたりしていました。

また、学校がっこうは、休校きゅうこう中ちゅうも週しゅうに２に日にち、スクールカウンセラーを配置はいちし、子こどもや保護ほご者しゃの相談そうだんにも応おうじているということです。

小学しょうがく５ご年ねんの女子じょし児童じどうは、「急きゅうに同おなじクラスのみんなとお別わかれするのは悲かなしかった。休校きゅうこう期間きかん中ちゅうはずっと家いえにいて１いち人にんで退屈たいくつだったのでみんなに会あえてうれしい」と話はなしていました。

吉野よしの達雄たつお校長こうちょうは「子こどもたちどうしで、おしゃべりしたり、報告ほうこくしあったりする姿すがたが多おおく見みられた。教員きょういんも直接ちょくせつ顔がおを見みられて安心あんしんしています。今回こんかいの休校きゅうこうについては、さまざまな意見いけんがあるが、健康けんこうを守まもる視点してんではしかたないと思おもいます。

一方いっぽう、子こどもたちが抱かかえるストレスは大おおきく、心こころの問題もんだいを考かんがえていかないといけない。学校がっこうとしても、子こどもたちをどのようにケアしていくかが大事だいじだと考かんがえています」と話はなしていました。

専門せんもん家か「休校きゅうこうが必要ひつような理由りゆう丁寧ていねいに説明せつめいすることが大切たいせつ」

子こどもの心こころのケアに詳くわしい早はや稲田いなだ大学だいがく教育きょういく学部がくぶの本田ほんだ恵子けいこ教授きょうじゅは、「学校がっこうがある日常にちじょうから突然とつぜん、切り離きりはなされたのに、それに対にたいする理由りゆうが十分じゅうぶんに説明せつめいされないことが、子こどもたちの不安ふあんが募つのる原因げんいんとなっている。今いまからでもいいので、なぜ休校きゅうこうが必要ひつようで、やっていいことといけないことを、年齢ねんれいに応おうじて、丁寧ていねいに説明せつめいすることが大切たいせつだ」と指摘してきします。

そのうえで、家庭かていでの対応たいおうについては「子こどもたちも不安ふあんで、文句もんくをぶつけてくることもあると思おもうが、子こどもが求もとめているのは、解決かいけつ策さくではなく、今いま、不安ふあんだという気持きもちを受け止うけとめてもらうことだ。子こどもの話はなしをしっかり最後さいごまで聞きいて、どう過すごすべきかを家庭かていごとに決きめたらいい」と話はなしていました。