일본어 뉴스: スキージャンプ女子Ｗ杯高梨が通算54勝男女歴代最多記録

スキージャンプ女子じょしワールドカップの個人こじん戦せんが２に４よん日にち、ドイツで行おこなわれ、高梨たかなし沙羅さら選手せんしゅが今こんシーズン初はつ優勝ゆうしょうを果はたし、通算つうさん５ご４よん勝しょう目めをあげて男女だんじょを通つうじた最多さいた優勝ゆうしょう記録きろくを更新こうしんしました。ピョンチャンオリンピックで銅メダルどうめだるを獲得かくとくした高梨たかなし選手せんしゅは２に４よん日にち、ドイツで行おこなわれたワールドカップの個人こじん戦せんに出場しゅつじょうしました。

オリンピック金メダルきんめだるのノルウェーのマーレン・ルンビ選手せんしゅなど上位じょういの選手せんしゅが飛ひ距離きょりを伸のばせない中なか、高梨たかなし選手せんしゅは１いち回かい目めに１いち０ぜろ０ぜろメートル５ご０ぜろを飛とんでトップに立たちました。２に回かい目めは飛ひ距離きょりを落おとしましたが９きゅう６ろくメートル５ご０ぜろと粘ねばり、合計ごうけいポイント２に２に７なな.１いちとして今いまシーズン初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。

高梨たかなし選手せんしゅのワールドカップでの優勝ゆうしょうは、およそ１いち年ねんぶりで、男女だんじょを通をつうじて単独たんどく最多さいたとなるワールドカップ通算つうさん５ご４よん勝しょうを達成たっせいしました。

２に位いはオーストリアのダニエラ・イラシュコ・シュトルツ選手せんしゅ、３さん位いはルンビ選手せんしゅでした。また、このほかの日本にっぽん勢ぜいは、伊藤いとう有希ゆき選手せんしゅが５ご位い、勢ぜい藤ふじ優花ゆか選手せんしゅが１いち２に位い、岩渕いわぶち香里かおり選手せんしゅが２に０ぜろ位いでした。

ピョンチャンオリンピックで銅メダルどうめだるを獲得かくとくした高梨たかなし選手せんしゅは２に４よん日にち、ドイツで行おこなわれたワールドカップの個人こじん戦せんに出場しゅつじょうしました。

高梨たかなし「五輪ごりんのような感動かんどうを感かんじられた」

男女だんじょを通をつうじて単独たんどく最多さいたとなるワールドカップ通算つうさん５ご４よん勝しょうを達成たっせいした高梨たかなし沙羅さら選手せんしゅは「１いち回かい目めは助走じょそうもスムーズだったのでいい踏み切ふみきりにつながったが、２に回かい目めはタイミングが遅おくれてしまった。１いち回かい目めの貯金ちょきんのおかげで５ご４よん勝しょう目めをあげることができて自分じぶんでも驚おどろいている」と振り返ふりかえりました。

そのうえで、２に回かい目めのジャンプのあとに日本にっぽんのチームメートがすぐに駆け寄かけよって高梨たかなし選手せんしゅを祝福しゅくふくしたことについて「すごくうれしかったし、ピョンチャンオリンピックの時ときのような感動かんどうを、シーズンの終おわりにまた感かんじることができた」と話はなしていました。

技術ぎじゅつ面めんと精神せいしん面めんの成長せいちょうが強つよさ支ささえる

今回こんかい、高梨たかなし選手せんしゅが２に１いち歳さいの若わかさで男女だんじょを通をつうじて単独たんどく最多さいたの５ご４よん勝しょうを達成たっせいした強つよさの背景はいけいには、技術ぎじゅつ面めんと精神せいしん面めん、双方そうほうの充実じゅうじつがあげられます。

ジャンプ競技きょうぎは、大おおきく分わけて「助走じょそう」、「踏み切ふみきり」、「空中くうちゅう姿勢しせい」、「着地ちゃくち」の４よっつの要素ようそから成り立なりたちますが、高梨たかなし選手せんしゅはこれらの技術ぎじゅつが総合そうごう的てきに高たかい強つよみを持もっています。

中なかでも、正確せいかくなタイミングの踏み切ふみきりと、飛び出とびだしから空中くうちゅう姿勢しせいを決きめるまでの速はやさは抜群ばつぐんで、これが持ち味もちあじの「鋭するどい飛び出とびだし」を生うんでいます。

会場かいじょうによってジャンプ台だいの傾斜けいしゃや風かぜなどの特徴とくちょうが異ことなるうえ、時速じそく９きゅう０ぜろキロにもなる助走じょそうスピードから踏み切ふみきるため、女子じょし選手せんしゅの多おおくは踏み切ふみきりでタイミングの遅おくれに苦くるしみます。しかし、高梨たかなし選手せんしゅはこれがほとんどなく、安定あんていしたジャンプを２に回かいそろえることができるため数すう多おおくの勝利しょうりを積み重つみかさねてきました。

その一方いっぽうで、高梨たかなし選手せんしゅは長年ながねん、着地ちゃくちが課題かだいとされてきました。

遠とおくに飛とぶほどジャンプ台だいの傾斜けいしゃが平たいらになり着地ちゃくちの衝撃しょうげきが増ますためで、高梨たかなし選手せんしゅならではの課題かだいとも言いえます。しかし近年きんねん、女子じょしのレベルが急速きゅうそくに上あがり、上位じょうい選手せんしゅは飛ひ距離きょりの差さがほとんどない混戦こんせんになることが増ふえたため、高梨たかなし選手せんしゅも課題かだいを克服こくふくする必要ひつように迫せまられました。

転機てんきとなったのは去年きょねん夏なつ、フランスでサマージャンプの国際こくさい大会たいかいに出場しゅつじょうしたあと、日本にっぽんの男子だんし選手せんしゅから着地ちゃくちの際さいのテレマーク姿勢しせいについてアドバイスをもらったことです。高梨たかなし選手せんしゅが明あかしてくれたポイントは「着地ちゃくちの際さい、上半身じょうはんしんをさらに前まえに倒たおす意識いしきを持もつこと」と「お尻しりの筋肉きんにくで衝撃しょうげきを耐たえること」だといいます。このアドバイスがヒントとなり、高梨たかなし選手せんしゅの着地ちゃくちは安定あんていするようになり、弱点じゃくてんらしい弱点じゃくてんはなくなりました。

また、精神せいしん面めんでは、２に０ぜろ１いち４よん年ねんのソチオリンピック以降いこう、「大だい舞台ぶたいで力ちからを発揮はっきできない」という課題かだいと向き合むきあってきました。

女子じょしジャンプのトップを走はしり続つづけてきた高梨たかなし選手せんしゅは、周囲しゅういの期待きたいに応こたえようとするあまり、大だい舞台ぶたいになるほど自分じぶん自身じしんを見失みうしなって、本来ほんらいの力ちからを発揮はっきできないケースが多おおくあり、精神せいしん面めんでの強つよさを身みにつけることが最大さいだいの課題かだいでした。

こうした中なか、迎むかえた今こんシーズンは、ヨーロッパ勢ぜいの台頭たいとうでこれまでの「追おわれる立場たちば」から「追おう立場たちば」へと状況じょうきょうが大おおきく変かわりました。自分じぶんと向き合むきあう時間じかんも増ふえ、導き出みちびきだした答こたえが「無心むしん」でした。雑念ざつねんを捨すて、無心むしんでジャンプと向き合むきあうことこそが自分じぶん自身じしんの成長せいちょうにつながると考かんがえたのです。

ピョンチャンオリンピックでは、目標もくひょうの金メダルきんめだるには届とどきませんでしたが、重圧じゅうあつをはねのけて「今こんシーズン１いち番ばんのジャンプ」をそろえ、全力ぜんりょくを出し切だしきって銅メダルどうめだる獲得かくとくし、精神せいしん面めんでの確たしかな成長せいちょうを大おおきく印象いんしょうづける舞台ぶたいとなりました。

史上しじょう最年少さいねんしょうの１いち５ご歳さいでワールドカップ初はつ優勝ゆうしょうを果はたしてから６ろく年ねん余あまり。技術ぎじゅつ面めんと精神せいしん面めんの成長せいちょうが、今いまの高梨たかなし選手せんしゅの強つよさを支ささえています。

Ｗ杯だぶりゅ-はい５ご４よん勝しょうまでの軌跡きせき

高梨たかなし選手せんしゅは、北海道ほっかいどう出身しゅっしんの２に１いち歳さい。ワールドカップ初はつ勝利しょうりは２に０ぜろ１いち２に年ねん３月さんがつ、山形やまがた市しで開ひらかれた蔵王ざおう大会たいかいで、１いち５ご歳さいの若わかさで日本にっぽんの女子じょし選手せんしゅとして初はじめて優勝ゆうしょうしました。

次つぎのシーズンでは史上しじょう最年少さいねんしょうの１いち６ろく歳さい４よんか月かげつでワールドカップ総合そうごう優勝ゆうしょうを果はたし、その次つぎのシーズンも１いち８はち試合しあいで１いち５ご勝しょうを挙あげる圧倒的あっとうてきな強つよさで２にシーズン連続れんぞくの総合そうごう優勝ゆうしょうを果はたしました。２に０ぜろ１いち４よん年ねん１１月じゅういちがつには、女子じょしのワールドカップ最多さいた勝利しょうり数すうなどがギネス世界せかい記録きろくに認定にんていされるなど、驚異きょうい的てきなペースで勝利しょうりを重かさね、昨さくシーズンの開幕かいまく前まえには通算つうさん勝利しょうり数すうを「４よん４よん」まで伸のばしました。

昨さくシーズンも、開幕かいまくから６ろく試合しあいで５ご勝しょうをあげる絶好ぜっこうのスタートを切きり、去年きょねん２月にがつには韓国かんこくのピョンチャンで行おこなわれたオリンピックのテストを兼かねたワールドカップで節目ふしめの通算つうさん５ご３さん勝しょうを達成たっせいしました。

しかし、今こんシーズンは、力ちからをつけてきたヨーロッパ勢ぜいが台頭たいとうし、開幕かいまくから１いち３さん試合しあい優勝ゆうしょうから遠とおざかるなど、もっとも苦くるしいシーズンを送おくっていましたが、ピョンチャンオリンピックでは銅メダルどうめだるを獲得かくとくし、今回こんかい、ワールドカップではおよそ１いち年ねんぶりとなる勝利しょうりで新しん記録きろくを打ち立うちたてました。

女子じょしのワールドカップで高梨たかなし選手せんしゅの５ご４よん勝しょうに次つぐのは、アメリカのサラ・ヘンドリクソン選手せんしゅやピョンチャンオリンピックの金メダルきんめだるスト、ノルウェーのマーレン・ルンビ選手せんしゅなどの通算つうさん１いち３さん勝しょうで、高梨たかなし選手せんしゅの記録きろくがいかに際立きわだっているかがわかります。

通算つうさん勝利しょうり数すう男女だんじょの記録きろくは

ワールドカップの通算つうさん勝利しょうり数すうが歴代れきだい最多さいた５ご３さん勝しょうで高梨たかなし選手せんしゅと並ならんでいたのは、男子だんしのオーストリアのグレゴア・シュリーレンツァウアー選手せんしゅです。

シュリーレンツァウアー選手せんしゅは、２に０ぜろ１いち０ぜろ年ねんのバンクーバーオリンピックのラージヒル団体だんたいで金メダルきんめだるを獲得かくとくし、世界せかい選手権せんしゅけんでは個人こじんでも優勝ゆうしょうしています。ワールドカップでは、これまで２に回かい、総合そうごう優勝ゆうしょうを果はたしていて、２に０ぜろ１いち３さん年ねん１月いちがつには、「鳥人ちょうじん」と呼よばれたフィンランドのマッチ・ニッカネン氏しが持もっていた当時とうじの最多さいた勝かち記録きろく４よん６ろく勝しょうに並ならび、２月にがつには新しん記録きろくの４よん７なな勝しょう目めを挙あげました。

１いち９きゅう７なな９きゅう年ねんからワールドカップが始はじまった男子だんしに比くらべ、女子じょしのワールドカップが始はじまったのは２に０ぜろ１いち１いち年ねんで、歴史れきしの浅あさい女子じょしジャンプでは、高梨たかなし選手せんしゅなど一部いちぶのトップ選手せんしゅに優勝ゆうしょうが集中しゅうちゅうすることが多おおくありました。高梨たかなし選手せんしゅも今こんシーズンを含ふくむ７ななシーズンのうち４よんシーズンで総合そうごう優勝ゆうしょうを果はたすなどワールドカップでは圧倒的あっとうてきな強つよさを見みせていますが、自身じしんではこれまで「男子だんしの記録きろくとは、レベルも土俵どひょうも違ちがうので比くらべられない」などと話はなしてきました。

高梨たかなし選手せんしゅにとっては、今回こんかいのワールドカップでの記録きろく達成たっせいはもちろん偉大いだいな記録きろくです。しかし、高梨たかなし選手せんしゅはワールドカップの記録きろく以上いじょうにオリンピックや世界せかい選手権せんしゅけんなど、これまで男子だんしの名めい選手せんしゅが獲得かくとくしてきた大だい舞台ぶたいでのタイトルを強つよく望のぞんでいます。

ピョンチャンオリンピックで銅メダルどうめだるを獲得かくとくし、４よん年ねん後ごの北京ぺきんオリンピックでの金メダルきんめだる獲得かくとくを最大さいだいの目標もくひょうに置おいている高梨たかなし選手せんしゅにとって、今後こんごに向むけてはずみをつけたことは間違まちがいありませんが、今回こんかいの記録きろく達成たっせいはあくまで通過つうか点てんと位置いちづけています。

伊藤いとう有希ゆき選手せんしゅ「日本にっぽんチームとしてもうれしい」

この大会たいかいで５ご位いになった伊藤いとう有希ゆき選手せんしゅは、高梨たかなし選手せんしゅの５ご４よん勝しょう達成たっせいについて「歴史れきし的てきな勝利しょうりを決きめてくれて、日本にっぽんチームとしてもとてもうれしく思おもう。５ご４よん勝しょうは今こんシーズン狙ねらっていた記録きろくだったと思おもうので、本当ほんとうにおめでとうと伝つたえたい」と話はなしていました。

トレーナー牧野まきの氏し「すごいのひと言ひとこと」

およそ８はち年ねんにわたって高梨たかなし選手せんしゅの個人こじんトレーナーを務つとめている牧野ぼくや講こう平たいらさんは「すごいのひと言ひとことで、本当ほんとうによかった。高梨たかなし選手せんしゅは、体からだのケアや強つよくなるためのトレーニングを日々ひび自分じぶんで考かんがえる強つよさを持もっている」と話はなしていました。

牧野まきのさんは現在げんざい、大リーグだいり-ぐ・ドジャースの前田まえだ健太けんた投手とうしゅなどの個人こじんトレーナーも務つとめていて「ほかのスポーツを見みても世界せかいの中なかで５ご４よん回かいも勝かつ選手せんしゅというのは、そう何なん年ねんも現あらわれないと思おもう。不安ふあんな気持きもちもある中なかでの戦たたかいだったと思おもうが、めげることなく続つづけてきて本当ほんとうに心こころの強つよい選手せんしゅだと尊敬そんけいしている」とたたえていました。