鹿児島と
宮崎の
県境に
ある霧島連山の
新燃岳で
25日午前、
爆発的な
噴火が
相次いで
発生し、
噴煙が
最大で
高さ
3200メートルまで
上がった
ほか、
火口の
西側でごく
小規模な
火砕流が
発生しました。
気象庁は、
噴火警戒レベル3を
継続し、
火口からおおむね
3キロの
範囲では、
大きな噴
石や
火砕流に
警戒するよう
呼びかけています。
気象庁によりますと、
霧島連山の
新燃岳では、
今月6日から
爆発的な
噴火が
断続的に
発生していましたが、
今月15日以降は
起きていませんでした。
しかし25日朝、再び爆発的噴火が発生し、このうち午前7時半ごろに起きた噴火では、噴煙が火口から3200メートルの高さまで上がったほか、大きな噴石が火口から800メートルまで飛びました。
また、午前8時45分の噴火では、ごく小規模な火砕流が発生し火口の中心から西側へおよそ800メートル流れ下ったのが確認されました。今回の一連の噴火で、火砕流が確認されたのは初めてです。
気象庁は、新燃岳では活発な噴火活動が続いているとして、入山規制を示す噴火警戒レベル3の火口周辺警報を継続し、火口からおおむね3キロでは大きな噴石に、おおむね2キロでは火砕流にそれぞれ警戒するよう呼びかけています。
また、風下側を中心に、火山灰や小さな噴石、それに火山ガスに注意するとともに、爆発的な噴火に伴う大きな空振=空気の振動で火口から離れた場所でも窓ガラスが割れるなどの被害が出るおそれがあり、注意が必要です。
専門家「規制範囲の中に入らなければ安全 」
新燃岳で火砕流が確認されたことについて、火山噴火予知連絡会の会長で京都大学の石原和弘名誉教授は「新燃岳の火口の中には、これまでの噴火で出た溶岩がたまり、火口が浅くなっているため、噴煙が火口の外に流れ出しやすくなっている。このため今回は、爆発的な噴火で噴煙が火口の外に流れ出し、火砕流が発生したと考えられる」と指摘しています。
そのうえで、「噴火活動に大きな変化があったことを意味するわけではなく、現在の状況では火砕流が人が住んでいる地域まで流れ下る可能性はない。規制範囲の中に入らなければ安全なので、冷静に対応してほしい」と話していました。