日本新聞: 天皇陛下退位式典の基本方針取りまとめ

来年らいねんの天皇てんのう陛下へいかの退位たいいに向むけて、政府せいふは、式典しきてんの基本きほん方針ほうしんを取とりまとめました。憲法けんぽうで定さだめる国事こくじ行為こういとして、退位たいいの儀式ぎしきを来年らいねん４月しがつ３さん０ぜろ日にちに行いったうえで、皇太子こうたいしさまの即位そくいに伴ともなう５いつつの儀式ぎしきを翌よく５月ごがつ１いち日にちから行おこなうとしていて、このうち、新しん天皇てんのうが即位そくいを内外ないがいに宣言せんげんする儀式ぎしきとパレードは、来年らいねん１０月じゅうがつ２に２に日にちに実施じっしされることになりました。来年らいねんの天皇てんのう陛下へいかの退位たいいと皇太子こうたいしさまの即位そくいに向むけて、政府せいふの準備じゅんび委員いいん会かいは３さん０ぜろ日にち午前ごぜん、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで３さん回かい目めの会合かいごうを開ひらき、一連いちれんの式典しきてんの基本きほん方針ほうしんを取とりまとめました。

それによりますと、式典しきてんは、憲法けんぽうの趣旨しゅしに沿そうとともに、皇室こうしつの伝統でんとうなどを尊重そんちょうすることとしたうえで、昭和しょうわから平成へいせいへの代替だいがわりに伴ともなう式典しきてんは現行げんこう憲法けんぽう下かで十分じゅうぶんな検討けんとうが行おこなわれており、基本きほん的てきな考え方かんがえかたや内容ないようは踏襲とうしゅうするとしています。

憲政けんせい史上しじょう初はじめて行おこなわれる天皇てんのう陛下へいかの退位たいいの儀式ぎしきは、「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」という名称めいしょうで、来年らいねん４月しがつ３さん０ぜろ日にちに憲法けんぽうで定さだめる国事こくじ行為こういとして行おこなうとしています。

皇太子こうたいしさまの即位そくいの儀式ぎしきは、前例ぜんれいと同様どうように５いつつの儀式ぎしきを国事こくじ行為こういとして行おこないます。

このうち、即位そくいされる５月ごがつ１いち日にちには、新しん天皇てんのうが歴代れきだい天皇てんのうに伝つたわる剣けんや曲玉まがたまなどを受け継うけつぐ「剣けん璽等とう承継しょうけいの儀ぎ」を行おこなったあと、即位そくい後ご、初はじめて国民こくみんの代表だいひょうに会あわれる「即位そくい後ご朝見ちょうけんの儀ぎ」を行おこなうとしています。

さらに、即位そくいに伴ともなう一連いちれんの儀式ぎしきの中心ちゅうしんで、新しん天皇てんのうが即位そくいを内外ないがいに宣言せんげんする儀式ぎしき「即位そくい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」は来年らいねん１０月じゅうがつ２に２に日にちに開催かいさいし、同おなじ日ひに、パレードにあたる「祝賀しゅくが御ご列れつの儀ぎ」を行おこなうほか、日付ひづけは未定みていなものの、祝宴しゅくえんにあたる「饗宴きょうえんの儀ぎ」を行おこなうとしています。

このほか、総理そうり大臣だいじん夫妻ふさい主催しゅさいの晩餐ばんさん会かいが来年らいねん１０月じゅうがつ２に３さん日にちに開催かいさいされるほか、即位そくい後ご、初はじめて、天皇てんのうが、新あたらしく収穫しゅうかくされた米べいなどを神かみ々に供そなえたうえで、みずからも食たべ、国くにと国民こくみんの安寧あんねいや五穀ごこく豊穣ほうじょうなどを祈いのる「大嘗祭だいじょうさい」について、費用ひようを皇室こうしつの公的こうてきな資金しきんである宮廷きゅうてい費ひから支出ししゅつするなどとした前例ぜんれいを踏襲とうしゅうし、皇室こうしつ行事ぎょうじとして行おこなうとしています。

また、天皇てんのう陛下へいかが来年らいねん１月いちがつ７なな日にちにご在位ざいい３さん０ぜろ年ねんを迎むかえられることを記念きねんして、内閣ないかくの主催しゅさいで来年らいねん２月にがつ２に４よん日にちに記念きねん式典しきてんを開催かいさいすることや、秋篠宮あきしののみやさまが皇位こうい継承けいしょう順位じゅんい１いち位いを意味いみする「皇嗣こうし」になられることを広ひろく国民こくみんに明あきらかにする「立たつ皇嗣こうしの礼れい」を再さい来年らいねんに国事こくじ行為こういとして行おこなうことも盛り込もりこまれました。

政府せいふは、こうした式典しきてんを円滑えんかつに実施じっしするため、ことし秋あきをめどに、総理そうり大臣だいじんを委員いいん長ちょうとする「式典しきてん委員いいん会かい」と、官房かんぼう長官ちょうかんを本部ほんぶ長ちょうとする「式典しきてん実施じっし連絡れんらく本部ほんぶ」を設置せっちするとしています。

政府せいふは、こうした基本きほん方針ほうしんの内容ないようを、来月らいげつ３さん日にちの閣議かくぎで決きめる方針ほうしんです。

来年らいねんの天皇てんのう陛下へいかの退位たいいと皇太子こうたいしさまの即位そくいに向むけて、政府せいふの準備じゅんび委員いいん会かいは３さん０ぜろ日にち午前ごぜん、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで３さん回かい目めの会合かいごうを開ひらき、一連いちれんの式典しきてんの基本きほん方針ほうしんを取とりまとめました。

政府せいふは、こうした基本きほん方針ほうしんの内容ないようを、来月らいげつ３さん日にちの閣議かくぎで決きめる方針ほうしんです。

宮内庁くないちょう長官ちょうかん「万全ばんぜんの準備じゅんびを進すすめる」

来年らいねんの天皇てんのう陛下へいかの退位たいいに向むけて政府せいふが式典しきてんの基本きほん方針ほうしんを取とりまとめたことについて、宮内庁くないちょうの山本やまもと信一郎しんいちろう長官ちょうかんは「本日ほんじつ、天皇てんのう陛下へいかの御ご退位たいいおよび皇太子こうたいし殿下でんかの御ご即位そくいに伴ともなう式典しきてん準備じゅんび委員いいん会かいにおいて、『天皇てんのう陛下へいかの御ご退位たいい及および皇太子こうたいし殿下でんかの御ご即位そくいに伴ともなう式典しきてんの挙行きょこうに係かかる基本きほん方針ほうしん』が取とりまとめられた。今後こんご、本日ほんじつ取とりまとめられた基本きほん方針ほうしんを踏ふまえ、閣議かくぎ決定けってい・閣議かくぎ口頭こうとう了解りょうかいが行おこなわれるものと承知しょうちしており、宮内庁くないちょうとしても、一連いちれんの儀式ぎしき・行事ぎょうじが遺漏いろうなく取とり進すすめられるよう、万全ばんぜんの準備じゅんびを進すすめて参まいります」とコメントを発表はっぴょうしました。

負担ふたん軽減けいげんと簡素かんそ化かが課題かだい

皇太子こうたいしさまの「即位そくいの礼れい」のうち、祝宴しゅくえんにあたる「饗宴きょうえんの儀ぎ」について、時代じだいに即そくして、皇太子こうたいしご夫妻ふさいの負担ふたん軽減けいげんと簡素かんそ化かをどのように図はかるのかが課題かだいです。

前回ぜんかいは、４よん日間にちかんにわたり合あわせて７なな回かい行おこなわれ、およそ２に９きゅう０ぜろ０ぜろ人にんが出席しゅっせきしました。さらに、即位そくいに伴ともなう５いつつの儀式ぎしきを国事こくじ行為こういとすることや、天皇てんのうが即位そくい後ご、初はじめて新あたらしく収穫しゅうかくされた米べいなどを神かみ々に供そなえ、国くにの安寧あんねいなどを祈いのる皇室こうしつ行事ぎょうじ「大嘗祭だいじょうさい」の費用ひようを、宮内庁くないちょうが管理かんりする「宮廷きゅうてい費ひ」から支出ししゅつすることについて、憲法けんぽうの政教せいきょう分離ぶんりの原則げんそくに反はんするなどという意見いけんもあり、今後こんご、議論ぎろんとなる可能かのう性せいもあります。

このほか、「即位そくいの礼れい」の一連いちれんの儀式ぎしきに、上皇じょうこうになられた天皇てんのう陛下へいかが出席しゅっせきされるかどうかも焦点しょうてんの１ひとつです。

政府せいふ内ないでは、上皇じょうこうになられた陛下へいかが出席しゅっせきされれば、みずからの意思いしで皇太子こうたいしさまに皇位こういをお譲ゆずりになったと受け取うけとられかねず、憲法けんぽうに抵触ていしょくするおそれがあるなどという指摘してきもあり、慎重しんちょうに検討けんとうが進すすめられる見通みとおしです。

退位たいい・即位そくいに関にかんするスケジュール（詳細しょうさい）

３さん０ぜろ日にち、政府せいふの準備じゅんび委員いいん会かいが基本きほん方針ほうしんを決定けっていしたことで、退位たいいや即位そくいに関にかんするスケジュールの全体ぜんたい像ぞうが見みえてきました。

基本きほん方針ほうしんの内容ないようは、来月らいげつ３さん日にちの閣議かくぎをへて、正式せいしきに政府せいふの方針ほうしんになります。

ことし秋あきには、式典しきてんの内容ないようをより詳細しょうさいに固かためるため、総理そうり大臣だいじんを委員いいん長ちょうとする「式典しきてん委員いいん会かい」と、官房かんぼう長官ちょうかんを本部ほんぶ長ちょうとする「式典しきてん実施じっし連絡れんらく本部ほんぶ」が設置せっちされます。

来年らいねんは、まず、１月いちがつ７なな日にちに天皇てんのう陛下へいかがご在位ざいい３さん０ぜろ年ねんを迎むかえられ、２月にがつ２に４よん日にちに政府せいふが記念きねん式典しきてんを開ひらきます。そして、４月しがつ３さん０ぜろ日にちに憲政けんせい史上しじょう初はじめてとなる退位たいいの儀式ぎしき「退位たいい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」が行おこなわれます。

その後そのご、日付ひづけが５月ごがつ１いち日にちになった瞬間しゅんかんに、天皇てんのう陛下へいかは退位たいいされて上皇じょうこうとなられ、皇太子こうたいしさまが新しん天皇てんのうに即位そくいされます。

同おなじ５月ごがつ１いち日にちには、新しん天皇てんのうが歴代れきだい天皇てんのうに伝つたわる剣けんや曲玉まがたまなどを受け継うけつぐ「剣けん璽等とう承継しょうけいの儀ぎ」と、即位そくい後ご、初はじめて国民こくみんの代表だいひょうに会あわれる「即位そくい後ご朝見ちょうけんの儀ぎ」が行おこなわれます。

５月ごがつ１いち日にちに行おこなわれる２ふたつの儀式ぎしきは、昭和しょうわ天皇てんのうが崩御ほうぎょして天皇てんのう陛下へいかが即位そくいされた際さいは別べつの日ひに行おこなわれましたが、今回こんかいは、即位そくいの日付ひづけが決きまっていて事前じぜんに準備じゅんびもできることから、同おなじ日ひに行おこなわれることになりました。

そして、１０月じゅうがつ２に２に日にちに、即位そくいに伴ともなう一連いちれんの儀式ぎしきの中心ちゅうしんで、新しん天皇てんのうが即位そくいを内外ないがいに宣言せんげんする儀式ぎしき「即位そくい礼れい正殿せいでんの儀ぎ」が行おこなわれ、同おなじ日ひにパレードにあたる「祝賀しゅくが御ご列れつの儀ぎ」が行おこなわれます。