NPBは19日、東京都内で大手ゲームソフトメーカーと合同で記者会見を開き、プロ野球チームが登場する家庭用のゲームを使ったeスポーツの大会「eベースボール」を共同開催すると発表しました。
大会では予選などを経て選ばれたeスポーツのプレーヤー合わせて36人が、ことし11月からそれぞれプロ野球チームを使ってペナントレースを戦い、来年1月に「日本シリーズ」を行ってチャンピオンを決めます。
プレーヤーには、合わせて1200万円の報酬が用意されていて、順位や成績に応じて分配されるということです。
NPBがeスポーツの大会を主催するのは初めて、プロ野球の斉藤惇コミッショナーは「eスポーツの市場規模は年40%のペースで成長しているというデータもある。この潮流を大きなチャンスと捉え、新たな野球の楽しみ方を提供しさらなる野球ファンの拡大につながることを期待している」と話していました。
NPBでは、野球の普及・振興に取り組むための財源不足が課題となる中、将来的にeスポーツの事業を新たな収益源の一つに育てたい考えです。
eスポーツめぐる動き
「eスポーツ」をめぐっては、国内外で、スポーツ競技との関わりが高まるさまざまな動きが出てきています。
Jリーグはことし3月から、サッカーゲームを用いたeスポーツの大会を初めて開催し、優勝したプレーヤーは、FIFA=国際サッカー連盟が主催するeスポーツの大会「eワールドカップ」の予選の出場権を獲得できるということです。
また、プロバスケットボール男子「Bリーグ」の「レバンガ北海道」は、ことし3月にBリーグ初となるeスポーツチームを設立したほか、去年、愛媛県で行われた国体=国民体育大会では、文化プログラムとしてeスポーツのイベントが開かれ、来年、茨城県で行われる国体では各都道府県を代表するおよそ300人のプレーヤーの参加を見込んだ、大規模な全国大会が行われる予定です。
そして、ことし、インドネシアで開かれるアジア大会では公開競技として行われる予定で、2022年に中国杭州で行われるアジア大会では、正式種目として採用されることが決まっています。
また、IOC=国際オリンピック委員会も、オリンピックでの競技として採用するかどうか検討する考えを明らかにしています。