山根会長は5日、大阪市内でNHKのインタビューに応じ、「何十年も親交が続いたことは事実だ」と述べ、暴力団員だった人物と10代のころから長年にわたって交友関係を続けてきたことを明らかにしました。
この関係は、日本ボクシング連盟の理事となった平成3年以降も続き、飲食などをともにしていたということです。
また、山根会長は「自分は一匹おおかみで、誰の力も借りずにここまで生きてきた。お金なんて一銭ももらっていない」などと述べ、金銭のやり取りについては否定し、単なる友人としてのつきあいだったと説明しています。
山根会長によりますと、この人物とは数年前にトラブルがあって関係を絶っているということです。
こうした交際について山根会長は「最近になっていろいろと言われているが、過去にそんなことは何も言われなかった」と話しています。
そのうえで、みずからの進退については、「何も悪いことをしていないのだから、辞任をするわけはない」と強調しました。
競技統括団体の規定
日本体育協会から名称を変えた日本スポーツ協会は、日本ボクシング連盟を含む加盟団体に対して示している「倫理に関するガイドライン」の中で、暴力団などの反社会的な勢力との交際について「反社会的行為」と位置づけ「厳に禁じるよう罰則も含めて規定化すること」と明記しています。
2年前にガイドラインを改定して違法賭博とともに盛り込んだということで、当時、スノーボード選手が大麻を使用した問題や、プロ野球・巨人の選手による野球賭博の問題など不祥事が相次いだことが背景にあります。
一方、JOC=日本オリンピック委員会には暴力団との交際を禁じるような具体的な規定はないということです。
暴力団関係者との交際についてJOCは「望ましくない」とする一方で、山根会長が明らかにした交際については「今は関係がないと聞いているが、この件にとどまらず連盟に第三者委員会を設置して事実関係を調査するよう求めているので、報告を受けて対応を検討したい」と話しています。