一方でユン大統領は今後、弾劾の妥当性を判断する憲法裁判所の審理で、自身の正当性を訴えて、職務復帰を目指しているのではないかとの見方も出ています。
韓国政府は、国会での弾劾議案の可決に伴って昨夜、職務が停止されたユン・ソンニョル大統領の代行としてハン・ドクス首相がアメリカのバイデン大統領と15日午前、電話会談したと発表しました。
ハン首相は「アメリカとの同盟を揺るぎなく維持し、発展させていくように努める」と強調したのに対し、バイデン大統領は「韓国の民主主義を信頼する。鉄壁のような両国の同盟関係は依然として変わりない」と述べたということです。
ハン首相は昨夜、臨時閣議やNSC=国家安全保障会議を相次いで開いていて、大統領代行による国政運営が本格的に動き始めています。
ユン大統領の弾劾については今後、憲法裁判所が180日以内に妥当かどうかを判断することになりますが、ユン大統領はきのう弾劾議案の可決を受けて「私は決して諦めない」という談話を発表しました。
韓国メディアは、憲法裁判所の審理で、自身が宣言した「非常戒厳」の正当性を訴え、大統領の職務復帰を目指す考えを示したのではないかという見方を伝えています。
弾劾可決から一夜明け ソウル市民は
ユン・ソンニョル大統領の弾劾を求める議案が可決され、一夜明けたソウル市内では市民の間からは「可決されて安心した」などと安どする声が多く聞かれました。
このうち40代の女性は、「弾劾議案が可決されとてもうれしいです。憲法裁判所の判断が残っていますが、弾劾が妥当だと判断され、国が早く正常な状態になればよいと思います」と話していました。
50代の男性は、「可決されて安心しました。混乱の影響で韓国経済が適切に評価されていないと思うので、1日も早く正当な評価を受けられるよう改善されなければならないと思います」と話していました。
40代の男性は、「軍隊を動員したことは許されないことだと思います。個人的にはユン大統領は逮捕されなければならないと思います」と話していました。