28
日、
川崎市でスクールバスを
待っていた
小学生らが
包丁で
刺され19
人が
死傷した
事件で、
容疑者の
男は
事件の
5分ほど
前に
最寄り駅で
降りたあと
現場に
直行したとみられることが
分かりました。
警察は
防犯カメラの
映像などから、
徒歩で
現場に
向かう途中で
手袋を
はめるなど
準備をして
事件を
起こしたとみて
調べています。28
日、
川崎市多摩区の
路上でスクールバスを
待っていた
小学生や
大人、
合わせて19
人が
包丁で
刺される
などして、
いずれも
都内に
住む小学6年生の
栗林華子さん(11)と
外務省職員の
小山智史さん(39)が
死亡し、17
人が
重軽傷を
負いました。
自殺した岩崎隆一容疑者(51)は当日の朝、自宅近くの駅から電車に乗り、事件の5分ほど前の午前7時35分ごろ最寄りの登戸駅で降りると、そのまま徒歩で現場に直行したとみられることが捜査関係者への取材で分かりました。
付近の防犯カメラの映像を解析した結果、駅から現場に向かう途中で、リュックサックを体の前に抱えるようにして歩きながら、手袋をはめていたことも分かったということです。
警察は移動中に準備をすませて、現場に着いてすぐ包丁を取り出し、事件を起こしたとみて当時の状況を調べています。
県や市 児童の心のケアへ
子どもたちが襲われた事件を受け、神奈川県や川崎市、それに学校現場は児童の心のケアのため対応を進めています。
神奈川県教育委員会は、事件が起きた当日から職員と臨床心理士をカリタス小学校に派遣し、学校が配置しているスクールカウンセラーに子どもたちの心のケアについて助言しているということです。
また、来月3日の授業の再開にあわせ、要請があれば臨床心理士らの派遣を検討したいとしています。
教育委員会や学校によりますと、カリタス小学校ではスクールカウンセラーの態勢強化のほか、子どもたちに心理的な負担をかけないよう、事件が起きたバス停を別の場所に移動できないか検討しているということです。
また、近隣の学校の児童への心のケアも進められています。
川崎市は、現場から1キロほどの場所にある登戸小学校に、29日から3日間、スクールカウンセラーを緊急に派遣しています。
市の教育委員会によりますと、事件の現場付近が通学路だった児童の中には、違う道を通って登校している児童もいるということで、これまでに数件の相談が寄せられているということです。
登戸小学校では、カウンセラーや教職員が子どもたちの表情を注意深く見ながら声かけをするなどして、慎重に対応しているとしています。
専門家「学年に合わせたケアを」
子どもの心のケアに詳しい、早稲田大学教育学部の本田恵子教授は「今回の事件で、何が不安で怖かったか、低学年の子どもはことばで表現することができないこともあるので、学年によって心のケアの対応は異なってくる。保護者や学校関係者などはこうした認識をもって学年に合わせた対応をしていく必要がある」と指摘しています。
また、本田教授は「事件から3日間の心のケアは、今後、PTSD=心的外傷後ストレス障害を発症するかどうかに関わってくるため、子どもが泣き出した場合は抱き締めてあげたり、不安を口にしたら時間をかけて話に耳を傾けて深呼吸を促したりするなど、保護者や教師といった大人が子どもをしっかり受け止めてあげることが大切だ」と述べています。