タンカー攻撃こうげき「不発ふはつ機雷きらいをイランが回収かいしゅうする映像えいぞう」米べい軍ぐん公開こうかい

ただ、ポンペイオ長官ちょうかんはイランによる攻撃こうげきと断定だんていした具体ぐたい的てきな根拠こんきょは示しめしていません。

こうした中なか、中東ちゅうとう地域ちいきを管轄かんかつするアメリカ中央ちゅうおう軍ぐんは13日にち夜よる、声明せいめいを発表はっぴょうし、「コクカ・カレイジャス」の船体せんたいの側面そくめんから不発ふはつの機雷きらいが見みつかったと明あきらかにしました。

この機雷きらいは船体せんたいに取り付とりつけて遠隔えんかく装置そうちで起爆きばくさせる「リムペット・マイン」と呼よばれるもので、アメリカ軍ぐんは攻撃こうげきがあったおよそ９きゅう時間じかん後ごにイランの精鋭せいえい部隊ぶたい「革命かくめい防衛ぼうえい隊たい」のボートが「コクカ・カレイジャス」の船体せんたいに接近せっきんし、この機雷きらいを回収かいしゅうする様子ようすをとらえたとする映像えいぞうを公開こうかいしました。

アメリカのメディアは、「リムペット・マイン」はアメリカがイラン政府せいふの関与かんよを主張しゅちょうする先月せんげつのＵＡＥゆ-えいい-＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうの沖合おきあいでのサウジアラビアなどのタンカー４よん隻せきへの攻撃こうげきでも使用しようされたとみられると伝つたえています。

アメリカのメディアは、イランがみずからの関与かんよを隠かくすために機雷きらいを回収かいしゅうしたとする政府せいふ当局とうきょく者しゃの見方みかたを伝つたえており、アメリカ軍ぐんとしては、映像えいぞうを公開こうかいすることでイランの関与かんよを強調きょうちょうするねらいがあるとみられます。

リムペット・マインとは

リムペット・マインは、船体せんたいに取り付とりつけて爆発ばくはつさせるタイプの機雷きらいです。

オーストラリア戦争せんそう記念きねん館かんによりますと、オーストラリア海軍かいぐんでは１いちキロ近ちかい爆薬ばくやくを搭載とうさいし、タイマーで起爆きばくさせることができるリムペット・マインを1930年代ねんだいに開発かいはつし、第だい２に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうに使用しようしていたということです。

また、スペインで弾薬だんやくなどを取り扱とりあつかう会社かいしゃのホームページによりますと潜水せんすい士しが海中かいちゅうで船体せんたいに取り付とりつけ、爆発ばくはつさせる機雷きらいで、船ふねを破壊はかいする威力いりょくがあるということです。

イラン外相がいしょう「米べい主張しゅちょうに証拠しょうこなし」

航行こうこう中ちゅうの２に隻せきのタンカーが攻撃こうげきを受うけ、アメリカのポンペイオ国務こくむ長官ちょうかんがイランが行おこなった攻撃こうげきだと非難ひなんしたことについて、イランのザリーフ外相がいしょうは14日にち、ツイッターに「事実じじつや状況じょうきょうに基もとづく証拠しょうこは全まったくない」と書き込かきこみ、アメリカ側がわの見方みかたを全面ぜんめん的てきに否定ひていしています。

また、ザリーフ外相がいしょうは「Ｂび-チーム」と呼よぶボルトン大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんなどの対たいイラン強硬きょうこう派はにも言及げんきゅうし、「安倍あべ総理そうり大臣だいじんも含ふくめた外交がいこう努力どりょくを妨害ぼうがいし、イランに対にたいする『経済けいざいテロリズム』を隠蔽いんぺいする新あらたな作戦さくせんを進すすめつつある」と批判ひはんしています。

救出きゅうしゅつされた乗組のりくみ員いんは

イラン国営こくえいテレビは、被害ひがいを受うけたタンカーから救出きゅうしゅつされたとする乗組のりくみ員いんの様子ようすを伝つたえました。

映像えいぞうは南部なんぶのジャスクの港みなとで撮影さつえいされ、乗組のりくみ員いんとみられる10人にん余あまりが映うつっています。

このうちフィリピン人じんの男性だんせいは国営こくえいテレビに取材しゅざいに対にたいし「みんなとてもよく面倒めんどうをみてくれています」と話はなし、ロシア人じんの男性だんせいは「食糧しょくりょうや水みずを提供ていきょうされよい世話せわを受うけています」と話はなしています。

１いち隻せきは乗組のりくみ員いん戻もどりＵＡＥゆ-えいい-へ

一方いっぽう、攻撃こうげきを受うけたタンカー「コクカ・カレイジャス」の運航うんこうに関かかわるシンガポールの「バーナード・シュルツ・シップマネジメント」によりますと、安全あんぜんのため別べつの船ふねに救助きゅうじょされていたコクカ・カレイジャスのフィリピン人じんの乗組のりくみ員いんらは、アメリカ海軍かいぐんの支援しえんを受うけてタンカーに戻もどったということです。

その後そのご、緊急きんきゅう用ようの動力どうりょくを復旧ふっきゅうさせ、現在げんざいタンカーは100キロメートル余あまり離はなれた、ＵＡＥゆ-えいい-＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうのホール・ファカンに向むかっているということです。

タンカーの状況じょうきょうは安定あんていしていて沈没ちんぼつのおそれはなく、積み荷つみにの損傷そんしょうもないとしています。