北朝鮮に
拘束されたあと、
2年前に
死亡した
アメリカ人大学生の
両親が、
北朝鮮による
損害賠償に
充てるため、アメリカ
政府が
差し押さえた
北朝鮮の
貨物船を
利用するよう
求める訴えを
起こしました。
アメリカ人大学生のオットー・ワームビア
さんは、
北朝鮮で
1年以上拘束されたあと、
脳に
障害を
負っておととし6月に
帰国し、まもなく
死亡しました。
アメリカの裁判所は去年、ワームビアさんが亡くなったのは、北朝鮮の拘束と拷問が原因とする両親の訴えを認め、北朝鮮に5億ドル余り(日本円で540億円余り)の賠償金の支払いを命じましたが、北朝鮮は支払いに応じていません。
このため、両親の弁護士によりますと、両親は、アメリカ政府がことし5月に国連の制裁決議違反の疑いで差し押さえたと発表した、北朝鮮の貨物船「ワイズ・オネスト」(1万7061トン)を賠償金に充てるよう求める訴えをニューヨークの裁判所に起こしたということです。
両親は「北朝鮮に息子の死の責任を取らせるため資産の差し押さえの努力を続ける」と話しているということです。
一方、北朝鮮は、貨物船の差し押さえは米朝首脳会談での合意の精神を全面的に否定するものだと反発し、返還を求めていて、アメリカの今後の対応を注視しているものとみられます。