日本新聞: 千曲川決壊川幅狭い場所の上流で水位上昇が主要因

千曲川ちくまがわ決壊けっかい川幅かわはば狭せまい場所ばしょの上流じょうりゅうで水位すいい上昇じょうしょうが主しゅ要因よういん

Oct 16, 2019 06:10

Furigana

長野ながの県けんを流ながれる千曲川ちくまがわの堤防ていぼうの決壊けっかいについて、国土こくど交通こうつう省しょうは、川幅かわはばが広ひろい場所ばしょと狭せまい場所ばしょが交互こうごに存在そんざいする特徴とくちょうがあり、川幅かわはばが狭せまい場所ばしょの上流じょうりゅうで水位すいいが上あがったことが主おもな要因よういんだとしています。国土こくど交通こうつう省しょうによりますと、千曲川ちくまがわの堤防ていぼうが決壊けっかいした場所ばしょの川幅かわはばはおよそ１いちキロほどありましたが、７ななキロほど下流かりゅうの区間くかんでは川幅かわはばが200メートルほどと、急激きゅうげきに狭せまくなっているということです。

このため、川かわが増水ぞうすいした際さいに、川幅かわはばの狭せまいところで流ながれが悪わるくなり、上流じょうりゅうではせき止せきとめられるように水みずが滞とどこおって水位すいいが上昇じょうしょうし、堤防ていぼうの決壊けっかいにつながった可能かのう性せいがあるみています。

千曲川ちくまがわでは、過去かこにも同おなじような要因よういんで氾濫はんらんが起おきていて、昭和しょうわ58年ねんには台風たいふうによる大雨おおあめで長野ながの県けん飯山いいのやま市しにある堤防ていぼうが決壊けっかいし大だい規模きぼな浸水しんすい被害ひがいが出でています。

被害ひがいを防ふせぐため国くには、平成へいせい26年ねんからおよそ30年間ねんかんにわたっての河川かせん整備せいび計画けいかくを策定さくていし、堤防ていぼうを補強ほきょうしたり、川底かわぞこを掘削くっさくしたりする工事こうじを進すすめているところでした。

川幅かわはば急きゅうに狭せまくなる場所ばしょ全国ぜんこく各地かくちに

千曲川ちくまがわの氾濫はんらんについて、河川かせんの災害さいがいに詳くわしい東京とうきょう理科りか大学だいがくの二瓶にへい泰雄やすお教授きょうじゅは、氾濫はんらんが発生はっせいしていたのは川幅かわはばが急きゅうに狭せまくなる「狭きょうさく部ぶ」と呼よばれる場所ばしょの上流じょうりゅうで、昔むかしから繰り返くりかえし水害すいがいが起おきていたと指摘してきしています。

二に瓶びん教授きょうじゅは「治水ちすい対策たいさく自体じたいは行おこなわれていたと思おもうが、それを上回うわまわるような雨あめが降ふり、あれだけの洪水こうずい氾濫はんらんをもたらしたと考かんがえられる」と話はなしています。

さらに、千曲川ちくまがわのように川幅かわはばが急きゅうに狭せまくなる場所ばしょは全国ぜんこく各地かくちにあると指摘してきしたうえで二に瓶びん教授きょうじゅは「地域ちいきの住民じゅうみんがどこが幅はばが狭せまくて危険きけんかというところまで判断はんだんするのは難むずかしいと思おもうが、自治体じちたいが作成さくせいするハザードマップには、浸水しんすい範囲はんいが描えがかれているので、まずはそれを見みて理解りかいしていただきたい。そして、災害さいがいが起おきたのが自分じぶんの住すんでいるところではなくても、自分じぶんのことに置き換おきかえて考かんがえてもらいたい」と話はなしています。