日本新聞: 「人格を否定するような研修」新入社員の自殺で会社側と和解

「人格じんかくを否定ひていするような研修けんしゅう」新入しんにゅう社員しゃいんの自殺じさつで会社かいしゃ側がわと和解わかい

Nov 24, 2020 20:11

Furigana

7年ねん前まえ、新入しんにゅう社員しゃいんの男性だんせいが自殺じさつしたのは、人格じんかくを否定ひていするような新人しんじん研修けんしゅうを行おこなった会社かいしゃ側がわの責任せきにんだとして、遺族いぞくが損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめた裁判さいばんで、24日にちまでに和解わかいが成立せいりつしたことがわかりました。

これは遺族いぞくや代理人だいりにんの弁護士べんごしが、東京とうきょう都内とないで記者きしゃ会見かいけんをして明あきらかにしました。

東京とうきょう中央ちゅうおう区くに本社ほんしゃがある「ゼリア新薬工業ぜりあしんやくこうぎょう」に入社にゅうしゃした22歳さいの男性だんせいは2013年ねんの5月つき、新入しんにゅう研修けんしゅう中ちゅうに自殺じさつしました。

遺族いぞくなどによりますと、労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署しょは男性だんせいが自殺じさつしたのは、この研修けんしゅうで講師こうしから、周囲しゅういに隠かくしていた「きつ音おん」を指摘してきされたり、人格じんかく否定ひていを含ふくむ厳きびしい口調くちょうで指導しどうがあったりしたことなどが原因げんいんだとして、2015年ねんに労災ろうさいと認定にんていしました。

男性だんせいの両親りょうしんは3年ねん前まえに勤務きんむ先さきの会社かいしゃと、研修けんしゅうの委託いたくを受うけた会社かいしゃ、それに、講師こうしに対にたいして合あわせておよそ1億おく円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる裁判さいばんを起おこしました。

裁判さいばんが続つづけられてきましたが、弁護士べんごしなどによりますと、いずれも今月こんげつ、和解わかいが成立せいりつしました。

このうち、研修けんしゅうの委託いたくを受うけた会社かいしゃと講師こうしとは遺族いぞくに哀悼あいとうの意いを示しめすこと、講師こうしが解決かいけつ金きんを支払しはらうことなどで和解わかいしたということです。

男性だんせいの父親ちちおやは「研修けんしゅうでは大声おおごえでの発言はつげんや全力ぜんりょく疾走しっそうを求もとめられ、息子むすこのほかにも体調たいちょうを崩くずす人ひとが出でるなど異常いじょうな状態じょうたいだった。『ブラック研修けんしゅう』で苦くるしんでいても、声こえをあげられない人ひともいるかもしれないので、警鐘けいしょうを鳴ならしたい」とコメントしています。