「野田版 研辰の討たれ」は、大正時代の歌舞伎を野田秀樹さんが新しい視点で書き直して演出し、中村勘三郎さん主演で2001年に初演した舞台です。
20年ぶりの再演となる今回は、勘三郎さんが演じた主人公の辰次を長男の中村勘九郎さんが演じます。
口先だけで生意気な性格の辰次が、敵討ちに巻き込まれる物語で、野田さんらしく、コミカルなせりふの応酬が随所に盛り込まれたスピード感のある芝居です。
稽古には、松本幸四郎さんや中村七之助さん、市川中車さんなど豪華な顔ぶれがそろい熱のこもった演技を披露していました。
野田さんは「ずっと勘三郎さんとやってきたので、彼の面影を追ってしまっていましたが、若い人たちの魅力で新鮮な舞台になっています」と語りました。
勘九郎さんは「父は、辰次なのか勘三郎なのかわからないほどひょう依していました。そんな革命的な舞台を演じられてうれしいです。今も戦争は続いていて作品で描かれる“群衆のこわさ”がより濃くなっているなかで再演する意味があると感じています」と話していました。
「野田版 研辰の討たれ」は、8月、東京の歌舞伎座で上演されます。