大統領だいとうりょう選挙せんきょ 中国ちゅうごくはどう見みる？

11月つきの大統領だいとうりょう選挙せんきょに向むけて、今いまのうちにギモンを解消かいしょうしておきましょう。

第だい5回かいは「中国ちゅうごくはアメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょをどう見みているの？」

中国ちゅうごくは大統領だいとうりょう選挙せんきょにどれぐらい関心かんしんがあるの？

中国ちゅうごくは表向おもてむきは「あくまでもアメリカの内政ないせいの問題もんだいで、関心かんしんもない」としています。

しかし実際じっさいは、高たかい関心かんしんを持もっているはずです。

なぜなら、トランプ政権せいけんの中国ちゅうごくに対にたいする姿勢しせいが変かわり、非常ひじょうに厳きびしい態度たいどをとるようになったからです。

アメリカはこれまで、中国ちゅうごくの経済けいざい発展はってんを助たすけることで、中国ちゅうごくが民主みんしゅ的てきな社会しゃかいに変かわっていくように後押あとおしする、いわゆる「関与かんよ政策せいさく」をとってきました。

しかしことし7月つき、ポンペイオ国務こくむ長官ちょうかんが演説えんぜつで、こうした考え方かんがえかたは失敗しっぱいだったとして、これからはより厳きびしい姿勢しせいで臨のぞむと宣言せんげんしたのです。

このときポンペイオ長官ちょうかんは、中国ちゅうごくの習近平ちから国家こっか主席しゅせきについて「破綻はたんした全体ぜんたい主義しゅぎのイデオロギーの信奉しんぽう者しゃだ」とまで述のべ、強つよく非難ひなんしました。

大統領だいとうりょう選挙せんきょでも、中国ちゅうごくに対にたいしてどのような姿勢しせいで臨のぞむかは、争点そうてんの1つとなっています。

一方いっぽう、中国ちゅうごくにとってトランプ政権せいけんのこうした姿勢しせいは、決けっして受け入うけいれられるものではありません。ですから、選挙せんきょ戦せんの行方ゆくえから目めが離はなせないのは間違まちがいありません。

中国ちゅうごくはどちらに勝かってほしいの？

中国ちゅうごくはトランプ大統領だいとうりょうとバイデン氏し、どちらに勝かってほしいのでしょうか。

中国ちゅうごくの最高さいこう指導しどう部ぶの本音ほんねをうかがい知しるのは難むずかしいです。

ただ、これまでの選挙せんきょ戦せんで、トランプ大統領だいとうりょうはバイデン氏しを「中国ちゅうごく寄よりで弱腰よわごしだ」と批判ひはんしているのに対にたいし、バイデン氏しは「自分じぶんこそ中国ちゅうごくに直言ちょくげんする指導しどう者しゃだ」などと反論はんろんしています。

このように、両氏りょうしとも中国ちゅうごくに厳きびしい姿勢しせいで臨のぞむという点てんでは一致いっちしています。

このため、中国ちゅうごくはどちらが大統領だいとうりょうになったとしても、アメリカの姿勢しせいは大おおきく変かわらないと考かんがえているものとみられます。

一方いっぽうで、専門せんもん家かの中なかには、中国ちゅうごくが次期じき大統領だいとうりょうにバイデン氏しを望のぞんでいるのではないかという見方みかたもあります。

トランプ大統領だいとうりょうが中国ちゅうごくにとって「予想よそう以上いじょうにつきあいにくかったから」です。

たとえば、習近平ちから国家こっか主席しゅせきがトランプ大統領だいとうりょうと首脳しゅのう会談かいだんを行おこない、お互おたがいの信頼しんらい関係かんけいのもと、「ここだけの話はなし」だと思おもって伝つたえたことが、ツイッターで書かかれてしまう。

中国ちゅうごくは、こうしたトランプ大統領だいとうりょうの“予測よそく不能ふのう”な対応たいおうに苦慮くりょしてきたとされています。このため、とっぴなことをしそうにないバイデン氏しなら、対話たいわの余地よちやスキがあるのではないか…。

そういった見方みかたを、中国ちゅうごくがしているという指摘してきもあります。

中国ちゅうごくは大統領だいとうりょう選挙せんきょに介入かいにゅうしているの？

中国ちゅうごくが自分じぶんたちにとって有利ゆうりな状況じょうきょうを作り出つくりだすため、サイバー攻撃こうげきで大統領だいとうりょう選挙せんきょに介入かいにゅうしているという指摘してきはあります。

IT大手おおてのマイクロソフトは先月せんげつ、中国ちゅうごくやロシア、イランのハッカー集団しゅうだんが、トランプ大統領だいとうりょうとバイデン氏しの両りょう陣営じんえいをねらうサイバー攻撃こうげきを活発かっぱつ化かさせていると伝つたえました。

このうち中国ちゅうごくについては、陣営じんえいの重要じゅうよう人物じんぶつのほか、大学だいがくやシンクタンクの専門せんもん家かをねらうサイバー攻撃こうげきが数すう千せん件けん確認かくにんされたとして、警戒けいかいを呼よびかけました。

これに対にたいし中国ちゅうごく外務省がいむしょうは「事実じじつをねつ造ねつぞうすべきでない」と反論はんろん。

むしろアメリカのハイテク企業きぎょうが、海外かいがいの個人こじん情報じょうほうを不正ふせいに集あつめて情報じょうほう機関きかんに伝つたえているなどと主張しゅちょうし「アメリカこそがサイバー攻撃こうげきを仕掛しかけている世界せかい最大さいだいの組織そしきで、名実めいじつともに『スパイ帝国ていこく』だ」と批判ひはんしています。

アメリカと中国ちゅうごくの関係かんけいが国際こくさい情勢じょうせいに与あたえる影響えいきょうは極きわめて大おおきく、アメリカの同盟どうめい国こくで、中国ちゅうごくの隣国りんごくである日本にっぽんにとっても重おも大事だいじです。

それだけに、中国ちゅうごくが大統領だいとうりょう選挙せんきょにどう反応はんのうするのか、注視ちゅうしする必要ひつようがあります。

大統領だいとうりょう選挙せんきょについては特設とくせつサイト「アメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょ2020」で詳くわしくお伝おつたえしています。

（国際こくさい部ぶ・建たて畠はたけ一いち勇いさみ）