現場近くに設けられた献花台には18日も大勢の人たちが訪れていて、亡くなった人を悼んだり、けがをしている人の回復を願ったりして、花を手向ける姿が見られました。
埼玉県から訪れた20代の男性は「京都アニメーションの作品は自分の心の中にあり続ける一生の宝物のような存在です。亡くなられた方の中には大きな作品を作る卵の人たちもいたと思います。本当に無念です」と話していました。
大阪から訪れた40代の女性は「けがをした人たちには一日も早く回復してほしいという気持ちで祈りました。これからもずっと応援していきたい」と話していました。
一方、警察は殺人や放火などの容疑で青葉真司容疑者(41)の逮捕状を取って捜査を進めています。
警察は、青葉容疑者が自分が書いた小説を盗用されたと一方的に思い込んで会社に恨みを抱いた疑いがあるとみていますが、事件で重いやけどをして依然、話が聴けない状態で、動機の解明にはなお時間がかかるものとみられます。
石田奈央美さんの母「悲しみ癒えず」
亡くなった石田奈央美さん(当時49)の70代の母親は、葬儀のあと、奈央美さんの部屋に祭壇を設けました。「火事で亡くなった娘が熱い思いをしないように」と、奈央美さんのマグカップに水を入れて供え、頻繁に入れ替えているということです。
母親は「奈央美が小さいときのことやしぐさが思い出され、今にも帰ってくるのではないかと感じます。この年になって娘に先立たれるのは本当につらく、この悲しみは何年たっても癒やされることはないと思います」と、娘の命が奪われたことを受け入れられずにいる今の心境について語りました。
石田奈央美さんは「京都アニメーション」に20年以上勤務し、人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」や映画「聲の形」をはじめさまざまな作品で映像の色使いを考える「色彩」の担当をしていました。
母親は「奈央美は仕事がとにかく好きで好きで、どんなに忙しくても愚痴を聞いたことはありません。いろんな楽しみや夢があったのに、打ち砕かれてしまいました。『天国で、みんなと一緒に好きなアニメを描いて』と語りかけています」と話しました。
そして「長年、娘が一生懸命やってきた仕事を世間にも知ってほしいと思い、実名を出すことに応じましたが、まさか世界の人が絶賛してくれるとは思いませんでした。京都アニメーションにはこれからもよい作品を作り続けてほしいです」と、奈央美さんの功績が引き継がれていくことを願っていました。