油を含んだ濁った水は、実りを控えた水田も覆い尽くしました。記録的な大雨から2日たった30日、鉄工所から油が流出した佐賀県大町町では、水が引いた後も一帯に黒い油の跡が残ります。米農家、岸川マサノさん(73)の水田も油膜に覆われました。この日、大雨後初めて自宅に戻って片付けに追われたが「田んぼは全滅」と肩を落としました。
JA佐賀中央会によると、県内で冠水被害を受けた水田は29日現在、確認されただけで5018ヘクタールです。稲などの作物が水につかると酸欠状態となり、成長が阻害されるということです。一方で、油が作物や土に付着すると収穫できなくなる恐れがあります。自衛隊などが吸着マットを水田にまいて油を除去しながら排水作業を進めますが、思うように排水が進んでいません。