千葉県で、台風15号の影響により、最大で64万戸にも及ぶ大規模な停電が起きてから1週間がたち、およそ20の市と町では、一部の地区で、復旧が今月27日までかかるとされています。
停電に伴って15日の時点で、断水がおよそ2万戸で続いているほか、電話やインターネットといった通信が途絶えたままの地区や、自治体の防災行政無線が機能しないところもあります。
停電のもとでの生活を余儀なくされている人たちの生活をめぐっては、自治体が高齢者を対象に健康状態の確認を進めるなどの動きが始まっているものの、広範囲に及ぶこともあって、深刻さを増す生活の実態の把握は十分には進んでいません。
生活に欠かせないインフラが絶たれたままの生活は、すでに限界に近いという悲痛な声も多く、さらなる長期化を見据えた支援をどう進めるのか、課題となっています。
長引く停電と断水 生活が限界の地域も
長引く停電と断水で住民の生活が限界に近づいている地域もあります。
千葉県南房総市では、台風で住宅などが甚大な被害を受けた地域で生活物資が底を尽き、一刻も早い支援を求める声が上がっています。
南房総市千倉町の川口地区では9割近い住宅が被害を受け、このうち8棟が、屋根をほとんど吹き飛ばされるなどの甚大な被害を受けました。また、今も断水が続いていて、地区に備蓄されていた水も3日ほどでなくなったということです。
この地区で暮らす住民のおよそ6割は高齢者のため、地区の外に支援物資を取りに行くのが難しい人も多く、生活は限界に近づいているということです。
住民によりますと、市や社会福祉協議会に支援物資やボランティアを要請しているものの、いずれも対応が遅れているということで、一刻も早い支援を求める声が上がっています。
自宅の屋根が飛ばされた西内福男(83)さんは「寝ていたら裏山まで屋根が吹っ飛んだ。屋根はシートを張っているけど、雨が降るとどうかな」と話していました。
この地区で寺の住職をしている星孝芳さんは「住民は高齢者が多いが、壊れた家のがれきの撤去作業などででずっぱりとなっていて限界だ。今はとにかくマンパワーが必要で1人でも多くの人に支援に来てほしい」と話していました。