亡くなった2人は、村で初めて受け入れた技能実習生で、相生さんは、専用の寮を用意し、休みの日には、離れた街まで買い物に連れて行くなどしていました。
被災後は、家族と同じように2人の実習生の捜索を続け、行方が分からなかった1人の死亡認定がされると、福岡のベトナム総領事館まで出向いて報告しました。
その相生さんは、同じベトナムから再び実習生を迎え入れようと準備を進め、先月下旬、イーカン・アユンさん(26)と、ファン・ヴァン・ザンさん(20)の2人を採用しました。
2人は、ベトナムでも建設業や林業の仕事をしていたということで、早速現場に出て工事の準備をしたり、現場で使う道具の手入れをしたりして仕事を覚えています。
2人は、3年前の悲劇を知ったうえで椎葉村で働くことを選んだということで、ザンさんは「これから日本語や文化などを学び、ベトナムの家族を養うために働きたい」と話していました。
以前の2人と同じ寮に住んでもらい、待遇は、ほかの日本人社員と同じ水準としているほか、日本語で日記を書いてもらって、社長みずから添削するなど、ことばや生活習慣の面でも、山村での生活に早くなじめるよう気を配っています。 72歳の相生さんは、足を悪くしてことし手術を受け、リハビリを続けていますが、いつかはベトナムを訪れて、亡くなった2人の家族に日本での様子を伝えたいという思いを持ち続けています。 相生さんは「亡くなった2人は、仕事熱心で村の暮らしにもなじもうとしてくれていた」と話したうえで「新たな実習生が来てくれたことで、地域の人や従業員にも活気が出てきていると感じる。20代で故郷を離れてこの山奥でやっていけるか心配なところもあるが、単なる労働力ではなく、村の住民として働いてもらえるよう、責任をもって育てていきたい」と話していました。