世界防災フォーラムは、2017年から仙台市で2年に1度開かれていますが、新型コロナの影響で延期となり、4年ぶり3回目となる今回は初めて3月11日に合わせて開かれました。
初日の10日、式典が開かれ、岩手県釜石市で語り部の活動をしている川崎杏樹さんが、中学生だった発災当時、高台に走って避難した体験を写真とともに振り返ったうえで「日頃から訓練や防災学習を重ねていたことが迅速な避難につながりました。世界防災フォーラムでは皆様が学び合い、防災の輪が広がることを願っています」と語りました。
また、開催地の仙台市の郡市長は「震災からあすで12年となり、当時を知らない世代も増える中、皆様の議論に学ばせていただきながら世界の防災・減災につながるフォーラムにしていきたい」と述べました。
世界防災フォーラムは3日間の日程で開催され、およそ40カ国から訪れた災害の研究者などが防災や減災をめぐる課題の解決に向けた議論をするほか、企業の防災製品の展示なども行われます。
会場を訪れた長野県の20代の大学生は「将来、防災計画に携わる仕事がしたいので、今どういう研究が行われているのか勉強に来ました」と話していました。
54階建てのビルなどからなる港区六本木の「六本木ヒルズ」は住民や入居する企業などのほか、最大で5000人の避難者を受け入れられるとしていて、災害に強い「逃げ込める街」を掲げています。 訓練は新型コロナの影響で去年までは取りやめとなっていましたが、10日、4年ぶりに行われ、住民や入居している企業などからおよそ500人が参加しました。 大地震を想定して行われた訓練では、煙が充満したテントの中を姿勢を低くして避難する訓練や、消火器の使い方を学ぶ訓練などが行われました。 また、震度7の揺れを体験できる「起震車」の中では、参加者が揺れに驚きながら揺れが収まった時に素早くガスの元栓を閉めるといった対処法を学んでいました。 参加した住民の女性は「さまざまな訓練ができて災害が起こった時の安心感が高まりました」と話していました。 訓練を開いた六本木ヒルズ自治会の近藤剛司会長は「働く人、住む人が実際に集まって訓練することで一体感が高まる。日常的に防災意識を高めることで、災害のときに助け合える街にしていきたい」と話していました。
54階建てビルで避難などの訓練 東京 港区