農産物などの品質や安全性を評価している「日本穀物検定協会」は、毎年全国のコメの味や香りを評価して5段階で格付けしています。
27日は去年生産された全国154の銘柄のコメの格付けが発表され、最上位の「特A」の評価を受けた銘柄は去年より12多い55と、過去最も多くなりました。
このうち、去年、今の形で格付けが始まった平成元年以降、はじめて「特A」から1つ下の「A」に評価を落とした新潟県魚沼産の「コシヒカリ」は、今回、再び「特A」に返り咲きました。
このほか「特A」の評価を受けたのは、北海道の「ななつぼし」や佐賀県の「さがびより」といった常連のほか、秋田県県南産の「ゆめおばこ」や徳島県北部産の「あきさかり」など9つの銘柄が初めて「特A」となりました。
「日本穀物検定協会」の井出道雄会長は「コメの需要が縮小する中、都道府県が積極的にブランド米の開発を手がけるなど競争が激しくなっていて、特Aの品種は確実に増えている」と話しています。
新潟 南魚沼市長「ほっとしている」
1年前のランキングで、全国で唯一、28年連続で保ってきた最上位の「特A」から転落した新潟県の魚沼産コシヒカリの産地ではこの1年、土作りや出荷するコメの選別方法などを見直して、品質の向上に取り組んできました。
今回のランキングで、2年ぶりに「特A」に返り咲いたことについて、新潟県南魚沼市の林茂男市長は記者会見で、「ほっとしているというのが本音です。特Aから落ちてから、われわれの地域ではプライドをかけた戦いのような1年だった。コシヒカリを育ててきた多くの先人の魂もうれしく思っていると思う」と述べました。
そのうえで「特A復帰の結果に安住することなく、品質改良に努めたい」と述べました。
新潟県知事「気を引き締めないと」
コメの「食味ランキング」で、魚沼産コシヒカリが最上位の「特A」に返り咲いたことについて、新潟県の花角知事は「率直に言えば、ほっとしている。関係者や生産者が一体となって、最適な栽培に取り組んできた成果が実を結んだと思っている」と喜びを語りました。
一方で、全国で「特A」のコメが12銘柄も増えたことについては「各生産地がしのぎを削っていて、ライバルがたくさん出てきているので、気を引き締めないといけない」と述べました。