日本新聞: パリでまた暴動「黄色いベスト運動」なぜ再び激化？

パリでまた暴動ぼうどう「黄色きいろいベスト運動うんどう」なぜ再ふたたび激化げきか？

Mar 17, 2019 18:03

Furigana

フランスで去年きょねん11月つきに始はじまったマクロン政権せいけんに抗議こうぎする「黄色きいろいベスト運動うんどう」。16日にちにパリでは商店しょうてんが壊こわされたり燃もやされたりする被害ひがいも出でて、地元じもとメディアの中なかには「去年きょねん12月つきの暴動ぼうどうよりもひどい」と伝つたえるところもあります。このデモ、いつまで続つづくのでしょうか。

大幅おおはばに減へっていた参加さんか者しゃ

マクロン政権せいけんに抗議こうぎするデモは去年きょねん11月つきから毎週まいしゅう続つづいていますが、16日にちのデモの参加さんか者しゃは全国ぜんこくで３さん万まん2000人にん余あまり。24万まん人にん以上いじょうが参加さんかした去年きょねん11月つきのデモに比くらべると大幅おおはばに減へっています。マクロン大統領だいとうりょうも長期ちょうきにわたるデモの沈静ちんせい化かを図はかるため、ことし１月いちがつから地方ちほう都市としに出向でむいて自治体じちたいのトップや市民しみんと直接ちょくせつ対話たいわする集会しゅうかいを続つづけていて、一時いちじ、20％台だい前半ぜんはんまで落ち込おちこんだ大統領だいとうりょうの支持しじ率りつは、回復かいふく傾向けいこうを見みせていました。

ＳＮＳでてこ入てこいれ

先細さきぼそり感かんが出で始はじめる中なか、「黄色きいろいベスト運動うんどう」に共感きょうかんする市民しみんたちは今回こんかいのデモに向むけて、ＳＮＳでパリの複数ふくすうの場所ばしょに同おなじ時間じかんに集あつまるよう呼よびかけを行おこないました。

午前ごぜん中ちゅうから大勢たいせいの人ひとたちが中心ちゅうしん部ぶのシャンゼリゼ通どおりなどを埋うめ尽つくす結果けっかになったのは、こうしたてこ入てこいれの成果せいかもあったのかもしれません。

デモに参加さんかしたほとんどは平和へいわ的てきな参加さんか者しゃでしたが、パリでは結果けっか的てきに破壊はかい行為こういなどで230人にん以上いじょうが拘束こうそくされています。

高級こうきゅうブランド店てんやレストランなども、窓まどガラスが割わられたり店みせの中なかが黒くろく焼やけたりして、一帯いったいは発煙はつえん筒とうの煙けむりに包つつまれました。

フランス政府せいふに油断ゆだんも？

カスタネール内相ないしょうは、今回こんかいのデモでは中なかに破壊はかい行為こういのプロが紛れ込まぎれこんでいたと指摘してきしています。

デモは去年きょねん11月つきに始はじまって、ことし１月いちがつまでは今回こんかいのような破壊はかい行為こういが相次あいつぎましたが、その後そのごは比較的ひかくてき、落ち着おちついていました。

しかし再ふたたび破壊はかい行為こういが相次あいついだ事態じたいに、政府せいふの対応たいおうが不十分ふじゅうぶんだったのではないかという声こえも聞きかれます。

現げんに、マクロン大統領だいとうりょうはこの週末しゅうまつ、休暇きゅうかでスキーに出でかけていましたが、事態じたいを受うけて16日にち夜よる、急きゅうきょパリに戻もどり、内務省ないむしょうで緊急きんきゅう対策たいさく会議かいぎに出席しゅっせきしました。

今回こんかいの事態じたいについてマクロン大統領だいとうりょうは「シャンゼリゼ通どおりで起おきたことは、もはやデモとは呼よばない」と述のべ、再発さいはつ防止ぼうしに向むけた措置そちを講こうじる姿勢しせいを示しめしました。デモは今後こんごも続つづく見通みとおしで、いつ収束しゅうそくするかは見通みとおせません。破壊はかい行為こういが繰り返くりかえされ、再ふたたび混乱こんらんが起おきるおそれも否定ひていできないのが現状げんじょうです。