東京とうきょう五輪ごりん 聖火せいかリレーのトーチは“桜さくら”がモチーフ

トーチは長ながさ71センチ、重おもさおよそ1.2キロで、日本にっぽんを代表だいひょうする花はな、桜さくらがモチーフになっているのが特徴とくちょうです。トーチの上部じょうぶは５いつつに分わかれ、上うえから見みると桜さくらの花はなびらの形かたちになっていて、５いつつに分わかれていた炎ほのおが頂点ちょうてんで１ひとつに集あつまるように作つくられています。

色いろも桜さくらを意識いしきし、ピンクとゴールドの中間ちゅうかんのような色合いろあいで、組織そしき委員いいん会かいは「桜さくらゴールド」と名付なづけました。また素材そざいはアルミを使つかい、およそ30％分ぶんは、復興ふっこうや持続じぞく可能かのうな社会しゃかいの実現じつげんにつなげようと、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで被災ひさいした岩手いわて、宮城みやぎ、福島ふくしまの仮設かせつ住宅じゅうたくの廃材はいざいから再生さいせいしたアルミを活用かつようしています。

デザインを担当たんとうしたのは、現代げんだい美術びじゅつなどの分野ぶんやで世界せかい的てきに活躍かつやくするデザイナーの吉岡よしおか徳いさお仁ひとしさんで、国内こくないのアルミ製品せいひんやバーナーなどのメーカーと協力きょうりょくして製造せいぞうに当あたりました。

2020年ねん東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーは、来年らいねん３月さんがつ26日にちに福島ふくしま県けんのＪじぇいヴィレッジから始はじまり、来年らいねん７月しちがつ24日にち、新しん国立こくりつ競技きょうぎ場じょうで行おこなわれる開会かいかい式しきまでに121日間にちかんをかけて47都道とどう府県ふけんすべてを回まわります。

デザイナーの吉岡よしおか徳いさお仁ひとしさんとは

吉岡よしおか徳いさお仁ひとしさんは佐賀さが市し出身しゅっしんの52歳さい。インテリアデザイナーの倉俣くらまた史朗しろうさんとファッションデザイナーの三宅みやけ一生かずおさんのもとで学まなび、平成へいせい12年ねんに自身じしんのデザイン事務所じむしょを設立せつりつしました。デザインや建築けんちく、現代げんだい美術びじゅつなどの分野ぶんやで世界せかい的てきに活躍かつやくし、海外かいがい企業きぎょうのデザインも多おおく手てがけています。

自然しぜん、中なかでも光ひかりをテーマにした作品さくひんを得意とくいとしていて、光ひかりの反射はんしゃや屈折くっせつまでを計算けいさんして演出えんしゅつする手法しゅほうは海外かいがいでも高たかく評価ひょうかされ、「光ひかりの魔術まじゅつ師し」とも呼よばれています。

代表だいひょう作さくに、平成へいせい23年ねんにイタリアで発表はっぴょうした「ガラスの茶室ちゃしつー光こう庵あん」があります。素材そざいはすべてガラスで、光ひかりの透過とうかや反射はんしゃだけで日本にっぽんの文化ぶんかの奥おくゆかしさを表現ひょうげんしようとした作品さくひんです。

トーチは何なん本ほん製造せいぞう？ ランナーはもらえるの？

組織そしき委員いいん会かいによりますと、2020年ねん東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーのトーチは聖火せいかランナー１いち人にんずつに配布はいふされ、ランナーの人数にんずうに予備よびの本数ほんすうなどを加くわえて１いち万まん本ほん以上いじょうが製造せいぞうされる予定よていです。

ランナーは聖火せいかリレーを終おえたあと、トーチを無料むりょうでもらうことはできず、希望きぼうすれば有料ゆうりょうで購入こうにゅうすることができるということです。

その金額きんがくは、材料ざいりょう費ひや物価ぶっかなどを考慮こうりょしＩＯＣあいお-し-＝国際こくさいオリンピック委員いいん会かいと調整ちょうせいして決きめられますが、過去かこの大会たいかいでは５ご万まん円えんから７なな万まん円えんほどだったということです。

聖火せいかリレートーチの歴史れきし

聖火せいかリレーのトーチはオリンピックの歴史れきしでこれまで37種類しゅるいあります。

初はじめて作つくられたのは、1936年ねんのベルリン大会たいかいでした。素材そざいにはステンレスが使つかわれ、当時とうじ、ナチス政権せいけん下かのドイツが高たかい鋼鉄こうてつ技術ぎじゅつを誇ほこっていたことが現あらわれています。

1988年ねんソウル大会たいかいのトーチには、向かい合むかいあう２に匹ひきの龍りゅうが描えがかれ、南北なんぼくの協調きょうちょうが表現ひょうげんされています。

また、2004年ねんアテネ大会たいかいでは、古代こだいオリンピックで勝者しょうしゃの冠かんむりに用もちいられ、ギリシャのシンボルにもなっているオリーブの葉はがモチーフで、取っ手とっての部分ぶぶんにもオリーブの木きが使つかわれています。

1964年ねん、前回ぜんかいの東京とうきょう大会たいかいのトーチは、日本にっぽんを代表だいひょうする工業こうぎょうデザイナーの柳やなぎ宗そう理さとしさんがデザインし、細長ほそながい棒状ぼうじょうでシンプルなデザインが印象いんしょう的てきでした。

1972年ねん冬ふゆの札幌さっぽろ大会たいかいも柳やなぎさんのデザインで、東京とうきょう大会たいかいのものと似にています。

1998年ねん冬ふゆの長野ながの大会たいかいは、組織そしき委員いいん会かいのデザインの担当たんとう部署ぶしょが考案こうあんし、日本にっぽん古来こらいのたいまつをイメージして６ろく本ほんの棒ぼうを組み合くみあわせたのが特徴とくちょうで、上うえから見みえる六ろく角形かくがたを雪ゆきの結晶けっしょうに見立みたてていました。

ＩＯＣあいお-し-の担当たんとう者しゃは「トーチは開催かいさい国こくの個性こせいや特徴とくちょうを表現ひょうげんし、開催かいさい国こくそのものをデザインしなければいけない。作つくり手しゅの創造そうぞう性せいが重要じゅうようだ。今回こんかいの東京とうきょう大会たいかいのトーチに期待きたいしているし、オリンピックの歴史れきしの中なかで群ぐんを抜ぬく突出とっしゅつした作品さくひんだ」と話はなしています。

聖火せいかリレーの概要がいよう

組織そしき委員いいん会かいはトーチのデザインの発表はっぴょうに合あわせ、東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーの概要がいようを明あきらかにしました。

聖火せいかリレーの１いち日にちは午前ごぜん10時じごろに始はじまり、ランナーは１いち人にん当あたりおよそ200メートルの距離きょりをスポンサー企業きぎょうなどの車くるまの隊列たいれつを引き連ひきつれながら２に分ふんほどかけて走はしります。

トーチはランナー一いち人にん一いち人にんが持もち、聖火せいかを引き継ひきつぎながらリレーしていきます。離はなれた場所ばしょに移動いどうする時ときは、聖火せいかを専用せんようのランタンに入いれて車くるまで移動いどうします。そして１いち日にちの最後さいごの市区しく町村ちょうそんでは、聖火せいかの到着とうちゃくを祝いわう「セレブレーション」と呼よばれるイベントが開ひらかれ、午後ごご８はち時じごろに終了しゅうりょうする予定よていです。

１いち日にち当あたりのランナーの数かずは、およそ80人にんから90人にんを目安めやすに調整ちょうせいしているということで、リレーが行おこなわれる日数にっすうから単純たんじゅんに換算かんさんすると、１いち万まん人にん前後ぜんごがランナーを務つとめることになります。

ことしの夏なつには聖火せいかリレーの市区しく町村ちょうそんの順番じゅんばんなどルートの概要がいようが決きまり、ランナーの募集ぼしゅうも始はじまる予定よていで、都道とどう府県ふけんの実行じっこう委員いいん会かいや聖火せいかリレーのスポンサー企業きぎょうがそれぞれ選えらぶことになっています。

一方いっぽう、ルートをめぐっては、離島りとうなどの遠隔えんかく地ちを回まわる場合ばあい、元もとの火ひとは別べつにあらかじめランタンで運搬うんぱんしておいた元もとの火ひから分わけた火ひを活用かつようしてリレーが行おこなわれます。

各かく都道とどう府県ふけんの実行じっこう委員いいん会かいが組織そしき委員いいん会かいに提出ていしゅつしているルート案あんでは、離島りとうのほか山の上やまのうえや海うみの中なかなどその地域ちいきの特色とくしょくを表あらわすユニークな場所ばしょも含ふくまれているということで、実現じつげんする場合ばあいは元もとの火ひから分わけた火ひが活用かつようされる見通みとおしです。