その後の調べで、松岡容疑者は、事件の前日の今月25日から当日の26日にかけて、勤務先の乳児院を休んでいたことが分かりました。
一方、照井さんは、25日から26日の朝にかけては泊まり込みの夜勤でした。
これまでの調べで、侵入方法は、アパートの屋根によじ登って照井さんの部屋のベランダまで伝っていって入ったとみられ、昼間であれば人目につくものの目撃情報は確認されていないということです。
警視庁は、松岡容疑者が照井さんの勤務を把握したうえで、人目につかない前日の夜に部屋に忍び込んだとみて調べています。
調べに対し「刺していません」と供述し、容疑を否認しているということです。
容疑者を送検
松岡容疑者は31日正午すぎ、捜査本部が置かれている荻窪警察署から検察庁に送られました。
上下、グレーのスエットを着て、まっすぐ前を向いて車に乗り込んでいました。
アパートの住人「物騒でとても怖い」
松岡容疑者と同じアパートに住む48歳の男性は「青い自転車に乗っているのをすれ違った際に見たことがあります。しかし、引っ越しのあいさつはなく、どんな人なのか分かりません。きのう、夕方くらいまでアパートの前に警察官が立っていたので、何か起きたのかなと思っていました」と話していました。
同じアパートに住む55歳の男性は「全く接点がなく、どんな人か分かりません。イヤホンをつけたスーツ姿の2人がアパート周辺を見回っていて、警察官かなと思っていました。同じアパートに住む男が犯人だったということで、物騒でとても怖いです」と話していました。
乳児院「何も答えられません」
逮捕された松岡容疑者と亡くなった照井さんが働く東京 杉並区の乳児院には、31日朝早くから報道関係者が詰めかけています。
施設は慌ただしい様子もなく静かで、朝から複数の職員の出はいりがありますが、報道陣の問いかけには答えず、足早に立ち去って行きました。
また、インターホン越しに取材を申し込んだところ、応対した職員は「何も答えられません」と話していました。
被害者の祖母「なぜ殺されたのかわかない」
岩手県花巻市に住む照井津久美さんの86歳の祖母は「津久美が元どおりになるわけではないし、なぜ、殺されたのかもわからない。まさか同じ職場の人だとは。少しでも情報がほしいです」と涙ながらに話しました。
そのうえで、「ごめんね、何もできないで…。津久美が成仏することを祈ります」と手を合わせていました。
被害者の知人「容疑者が捕まったことはほっとした」
照井さんを幼い頃から知る岩手県花巻市の熊谷イサ子さん(78)は「容疑者が捕まったことはほっとしました。でも、あの優しい子が強い恨みを持たれることはないでしょうし、容疑者が同僚というのはどういうことなのか。口数が多い子ではないですが、去年11月に会ったときに『おばちゃん今後もよろしくね』と話していました。津久美さんのお母さんにもなんと声をかけたらいいのか。何でこの若さで殺害されなければならないのか本当にかわいそうで、なんとも言えないです」と時折、涙をぬぐいながら話していました。