安定感が光る野澤投手だったが…
31日の準々決勝、明豊高校戦では、相手打線がここまで左投手を攻略して勝ち上がってきたこともあり、リリーフ待機。7回途中からマウンドに上がると、持ち味のコントロールを生かして強打の明豊打線を抑え、スコアボードに「0」を並べたまま延長11回へに入りました。
延長11回、内野のエラーもあり、1アウト満塁の絶体絶命のピンチ。野澤投手は「心の中では『やばいやばい』と思っても顔には出さないようにしている」と、いつもどおり冷静な表情を見せていました。
そして、力のあるストレートで明豊の5番・薮田源選手から空振り三振を奪うと、「おー!!」と大きな声でほえました。
ところが、次の後藤杏太選手には2ボール2ストライクからの6球目、力を込めたストレートが甘く入り、右中間にはじき返されました。
ここまで低めにボールを集めていた野澤投手ですが、「失投だった」と肩を落としていました。
最後の夏に向けて
3試合を通して変化球を低めにコントロールして力を見せた野澤投手。
その落ち着いた様子から、野澤投手を“おじいちゃん”と呼ぶ原田英彦監督は「秋からずっとよく投げてくれたし、もっと成長できるはず。夏に向けて食べて走って真のエースになってほしい」と話していました。
野澤投手も「完璧な投手になってまた甲子園に帰ってきたい」と次を見据えていました。