大だい相撲すもう名古屋なごや場所ばしょ 横綱よこづな 照あきらノ富士ふじ 優勝ゆうしょう ことし初場所はつばしょ以来いらい10回かい目め

横綱よこづな 照あきらノ富士ふじとは

照あきらノ富士ふじはモンゴル出身しゅっしんの32歳さい。来日らいにち後ごは強豪きょうごうの鳥取とっとり城北じょうほく高校こうこうに入学にゅうがくし、その後そのご、間ま垣かき部屋へやに入門にゅうもんしました。

平成へいせい23年ねん5月つきの技量ぎりょう審査しんさ場所ばしょで若わか三さん勝しょうのしこ名しこなで初はつ土俵どひょうを踏ふみ、間ま垣かき部屋へやの閉鎖へいさに伴ともなって伊勢いせヶ濱はま部屋へやに移籍いせきしたあと、しこ名しこなを今いまの照あきらノ富士ふじに改あらためました。

そして、身長しんちょう1メートル92センチ、体重たいじゅうおよそ180キロの体格たいかくを生いかした力強ちからづよい四つ相撲よつずもうで順調じゅんちょうに番付ばんづけを上あげ、平成へいせい26年ねんの春場所はるばしょで新しん入幕にゅうまくを果はたし、関脇せきわけだった平成へいせい27年ねん夏場なつば所しょに12勝しょう3敗はいで初はつ優勝ゆうしょうしました。

初はつ土俵どひょうから25場所ばしょ目めでの優勝ゆうしょうは、年とし6場所ばしょ制せいとなった昭和しょうわ33年ねん以降いこう、幕下まくした付け出つけだしの力士りきしを除のぞいて歴代れきだい3位いのスピード記録きろくで、場所ばしょ後ごに大関おおぜきに昇進しょうしんし、横綱よこづな候補こうほとして期待きたいされました。

しかし、ひざのけがや糖尿とうにょう病びょうなどで平成へいせい29年ねんの名古屋なごや場所ばしょから4場所ばしょ連続れんぞくで休場きゅうじょうして大関おおぜきの地位ちいから陥落かんらくするとその後そのごも休場きゅうじょうが続つづき、序ついで二に段だんまで番付ばんづけを下さげました。

大関おおぜき経験けいけん者しゃが幕下まくした以下いかに陥落かんらくするのは昭和しょうわ以降いこうでは初はじめてのことでした。

その後そのごはけがや病気びょうきの回復かいふくに伴ともなって徐々じょじょに稽古けいこを重かさねて番付ばんづけを上あげ、4年ねん前まえの7月つき場所ばしょには前頭まえがしら17枚まい目め「幕まく尻しり」で幕内まくうちに復帰ふっきし、およそ5年ねんぶりとなる2回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたして復活ふっかつを強つよく印象いんしょうづけました。

さらに関脇せきわけだった3年ねん前まえの春場所はるばしょと、21場所ばしょぶりに大関おおぜきに復帰ふっきした夏場なつば所しょで連続れんぞく優勝ゆうしょうを果はたすと綱つなとりに挑いどんだ名古屋なごや場所ばしょは千秋楽せんしゅうらくに横綱よこづな 白はく鵬ほうとの全勝ぜんしょう対決たいけつに敗やぶれはしたものの好こう成績せいせきを収おさめたことが評価ひょうかされて場所ばしょ後ごに第だい73代だい横綱よこづなに昇進しょうしんしました。

新しん横綱よこづなとして臨のぞんだ秋場所あきばしょと続つづく九州きゅうしゅう場所ばしょで連続れんぞく優勝ゆうしょうを果はたしましたが、その後そのごは再ふたたびけがに苦くるしみ、おととしの秋場所あきばしょでひざを痛いためて途中とちゅう休場きゅうじょうすると、両りょうひざを手術しゅじゅつして4場所ばしょぶりの出場しゅつじょうとなった去年きょねんの夏場なつば所しょでは8回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたしました。

3場所ばしょぶりの出場しゅつじょうとなったことしの初はつ場所ばしょで9回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたしましたが、続つづく春場所はるばしょでは腰こしを、夏場なつば所しょでは左ひだりの脇腹わきばらとひざを痛いため、2場所ばしょ連続れんぞくで途中とちゅう休場きゅうじょうとなりました。

休場きゅうじょう明あけの今こん場所ばしょは力強ちからづよい立ち合たちあいから一気いっきに攻せめる相撲すもうで白星しろぼしを重かさね、初日しょにちから10連勝れんしょうするなど優勝ゆうしょう争あらそいをトップで引っ張ひっぱりふた桁けたの優勝ゆうしょう10回かい目めに到達とうたつしました。

目標もくひょうのふた桁けた 10回かい目めの優勝ゆうしょうを成し遂なしとげる

2場所ばしょ連続れんぞくの途中とちゅう休場きゅうじょうから一転いってん、堂々どうどうの強つよさを見みせ、横綱よこづな 照あきらノ富士ふじは目標もくひょうに掲かかげてきたふた桁けた、10回かい目めの優勝ゆうしょうを成し遂なしとげました。

「1回かい立たてた目標もくひょうを達成たっせいしないと自分じぶんの中なかで満足まんぞく感かんがない」、「中途ちゅうと半端はんぱにやって、やれる体からだではない。だからこそ目標もくひょうを立たてて、それに向むかってがむしゃらにやっていくしかない」、照あきらノ富士ふじは幾度いくどとなく、ふた桁けた優勝ゆうしょうへの思おもいを語かたってきました。

けがとの戦たたかいが続つづく照あきらノ富士ふじですが、横綱よこづなに昇進しょうしんしてから18場所ばしょ目め。

たび重かさなるけがもあって、すべて休場きゅうじょうした5場所ばしょを含ふくめ10場所ばしょで休場きゅうじょうしています。

一方いっぽうで、満足まんぞくな相撲すもうが取とれない中なかでも巡業じゅんぎょうや土俵入どひょういりでファンの前まえに顔かおを見みせるなど本ほん場所ばしょで示しめすことが求もとめられる勝負しょうぶでの強つよさだけではない横綱よこづなとしての責任せきにんを果はたそうとしてきました。

ことしは初はつ場所ばしょで9回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたし、目標もくひょうに王手おうてをかけましたが、続つづく春場所はるばしょを腰こしのけがで、夏場なつば所しょも脇腹わきばらやひざを痛いためて2場所ばしょ連続れんぞくで途中とちゅう休場きゅうじょうしていました。

照あきらノ富士ふじはことし初場所はつばしょ、7日にち目めまでに2敗はいを喫きっするなど苦くるしみながらも徐々じょじょに調子ちょうしを上あげて9回かい目めの優勝ゆうしょうをつかみ取とりました。

今こん場所ばしょは初日しょにちこそ新しん小結こむすびの平戸ひらど海かいと時間じかんがかかる相撲すもうで勝利しょうりを収おさめましたが、2日にち目め以降いこうは初はつ場所ばしょとはかわって立ち合たちあいから一気いっきに攻せめる相撲すもうで白星しろぼしを重かさねていきました。

圧倒的あっとうてきな強つよさを見みせる中なか、横綱よこづなのあり方ありかたを見みせたと言いわれる相撲すもうがありました。

7日にち目めの業師わざしの宇良うらとの一番いちばんは、いきなり右腕うわんを取とられ体勢たいせいを崩くずされ、その後そのごも相手あいてが土俵どひょうを広ひろく使つかい、「肩かたすかし」といったさまざまな技わざを仕掛しかけてくる中なかでもしっかりこらえて攻せめに転てんじ、最後さいごはまわしを取とってゆっくりと前まえに出でて寄り切よりきり、激はげしい攻防こうぼうから一転いってん、健闘けんとうをたたえるかのように宇良うらの背中せなかを優やさしくたたきました。

審判しんぱん長ちょうを務つとめた元もと大関おおぜき 千代ちよ大海たいかいの九重ここのえ親方おやかたが「いい相撲すもうだった。会話かいわはないけれど、最後さいごの場面ばめんで吹き飛ふきとばすのではなく優やさしく背中せなかをたたく。横綱よこづなのふるまいも、宇良うらの取とり方かたも、完璧かんぺきな大だい相撲すもうだった」と興奮こうふんした様子ようすで話はなし、勝負しょうぶに対にたいする強つよさだけではない“横綱よこづな相撲すもう”をたたえました。

休場きゅうじょう明あけで体力たいりょく面めんを不安ふあん視しする声こえもありましたが、その後そのごも優勝ゆうしょう争あらそいのトップに立たち続つづけ、後半こうはん戦せん、三さん役やく以上いじょうとの対戦たいせんでも強つよさを示しめして場所ばしょを引っ張ひっぱり、28日にちの千秋楽せんしゅうらく、12勝しょう3敗はいで並ならんだ平幕ひらまく 隆たかしの勝かちとの優勝ゆうしょう決定けってい戦せんを制せいして自身じしんが大おおきな目標もくひょうとしてきたふた桁けた優勝ゆうしょうを果はたしました。