震源地は日向灘で震源の深さは31キロ、地震の規模を示すマグニチュードは7.1と推定されます。
専門家は「1週間程度、同程度の揺れが発生する可能性がある」と注意を呼びかけています。
各市町村の震度は以下のとおりです。
▼震度6弱が、宮崎県日南市。
▼震度5強が、宮崎市、宮崎県都城市、宮崎県串間市、鹿児島大崎町。
▼震度5弱が、宮崎県小林市、宮崎県三股町、宮崎県高原町、宮崎県国富町、宮崎県高鍋町、宮崎県新富町、鹿児島市、鹿児島県鹿屋市、鹿児島県垂水市、鹿児島県曽於市、鹿児島県霧島市、鹿児島県姶良市、鹿児島県東串良町、鹿児島県肝付町。
▼震度4が、愛媛県伊方町、福岡県柳川市、福岡県大川市、佐賀市、佐賀県神埼市、佐賀県白石町、熊本市西区、熊本市南区、熊本市北区、熊本県八代市、熊本県人吉市、熊本県玉名市、熊本県菊池市、熊本県宇土市、熊本県宇城市、熊本県阿蘇市、熊本県天草市、熊本県合志市、熊本県美里町、熊本県和水町、熊本県産山村、熊本県高森町、熊本県西原村、熊本県南阿蘇村、熊本県氷川町、熊本県芦北町、熊本県津奈木町、熊本県錦町、熊本県多良木町、熊本県山江村、熊本県あさぎり町、大分市、大分県佐伯市、大分県臼杵市、大分県竹田市、宮崎県延岡市、宮崎県西都市、宮崎県えびの市、宮崎県綾町、宮崎県木城町、宮崎県川南町、宮崎県都農町、宮崎県椎葉村、宮崎県美郷町、宮崎県高千穂町、宮崎県五ヶ瀬町、鹿児島県出水市、鹿児島県指宿市、鹿児島県薩摩川内市、鹿児島県いちき串木野市、鹿児島県南さつま市、鹿児島県志布志市、鹿児島県南九州市、鹿児島県伊佐市、鹿児島県竹島、鹿児島県さつま町、鹿児島県湧水町、鹿児島県錦江町、鹿児島県南大隅町。
専門家「1週間程度は同程度の揺れのおそれ」
今回の地震と津波について東京大学地震研究所の佐竹健治名誉教授は「日向灘では過去の地震でも津波で床上浸水や船が沈没するなどの被害が出ている。津波は注意報レベルなので、高台へ逃げる必要はないが、夏休み中で海岸にいらっしゃる方がいるかもしれないので、そうした場合は、海岸には近づかないでほしい」と呼びかけました。
また、今後の注意点については「マグニチュード7クラスの地震が起きると、同程度の揺れが1週間程度は、発生する可能性がある。南海トラフ地震臨時情報の内容がどうであれ、注意してほしい」と話しています。
専門家「“日向灘地震”のひとつか 家の中の安全確認を」
宮崎県内で地震の観測を続けている京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮 助教は「震源となった日向灘では、1931年、1961年、それに1996年と、およそ100年の間に30年から35年の周期で繰り返し大きな地震が起きている。いわゆる『日向灘地震』と呼ばれている地震で、今回もその1つではないかと見ている」と分析しています。
その上で、「いまも地震活動が続いていて今後2、3日は強い揺れを伴う地震に注意が必要だ。特に夜間に大きな揺れが起きても大丈夫なように家の中の安全を確認してほしい」と呼びかけています。
日向灘 マグニチュード4前後の地震相次ぐ
日向灘では8日夕方、マグニチュード7.1の地震が発生したあと、地震活動が活発になっています。
気象庁によりますと、日向灘では8日午後4時40分すぎにマグニチュード7.1の地震が発生したあともマグニチュード4前後の地震が相次いでいて、午後9時までにあわせて6回起きています。
一連の地震で揺れが最も大きかったのは宮崎県日南市で震度6弱を観測した最初の地震で、それ以降は震度1や2で推移していますが、気象庁は揺れの強かった地域では1週間程度、強い揺れを伴う地震が発生するおそれがあるとして、今後の地震活動に注意するよう呼びかけています。
岸田首相 「強い揺れに注意 命を守る行動を」
今回の地震を受けて、岸田総理大臣は午後4時50分、
▽国民に対し津波や避難などに関する情報提供を適時的確に行うとともに住民避難などの被害防止の措置を徹底すること、
▽早急に被害状況を把握すること、
▽自治体とも緊密に連携し人命第一の方針のもと、政府一体となって被災者の救命・救助などの災害応急対策に全力で取り組むことを指示しました。
また、午後5時40分すぎ、総理大臣官邸で開かれたデジタル行財政改革に関する会合で「国民に対する情報提供と住民避難などの被害防止措置の徹底、被害状況の早急な把握、また政府一体となった被災者の救命・救助などの災害応急対策の3点を指示した。『南海トラフ地震臨時情報』が発表され、被害の情報を収集している。このあと私も報告を受けるが、引き続き強い揺れに注意し命を守る行動をお願いしたい」と述べました。
岸田首相「偽情報の拡散 絶対に行わないよう」
岸田総理大臣は8日8時すぎ、総理大臣官邸で記者団に対し「無用の混乱を避けるため、偽情報の拡散は絶対に行わないようにしてもらいたい」と述べました。
また、9日予定している長崎での平和祈念式典への出席やその後の外国訪問について対応を問われ「被害情報の収集を引き続き継続しているほか、政府として南海トラフ地震への警戒態勢を速やかに構築している。それらの状況を踏まえ、適切に判断したい」と述べました。
林官房長官「自治体の避難情報などに注意し行動を」
林官房長官は臨時の記者会見で「政府としては地震発生後ただちに官邸危機管理センターに官邸対策室を設置するとともに関係省庁の局長級による緊急参集チームを招集し、総理の指示を踏まえ、人命第一の方針のもと、被害状況の把握と救命・救助などの災害応急対策に総力を挙げて取り組んでいる」と述べました。
また、「引き続き、被害状況の把握を進め、自治体と緊密に連携を図りながら、警察、消防、自衛隊、海上保安庁を中心に、救命救助活動を最優先に、災害応急対策に全力で取り組んでいく」と述べました。
その上で、国民に対し、「引き続き震度6弱程度の地震の発生に注意をいただくとともに、揺れの強かった地域に住んでいる人は、自治体の避難情報のほか、テレビ、ラジオ、インターネットなどの情報にも注意しつつ行動いただくようお願いする」と呼びかけました。
林官房長官「自衛隊に災害派遣要請ない」
林官房長官は2回目の臨時の記者会見で「自衛隊は被災直後から航空機による被害情報の収集などを行っているが、現時点で自衛隊に対する災害派遣要請はないものと承知している」と述べました。
また、「政府では地震発生後ただちに官邸危機管理センターに官邸対策室を設置するとともに、関係省庁の局長級による緊急参集チームを招集し、岸田総理大臣の指示を踏まえ、人命第一の方針のもと、被害状況の把握と救命・救助など災害応急対策に総力を挙げて取り組んでいる。現時点で災害対策本部の設置は予定していない」と述べました。
松村防災担当相「今後1週間 地震への備え再確認を」
今回の地震を受けて、政府は、今夜8時すぎから松村防災担当大臣が出席し、関係省庁による災害対策会議を開きました。
この中で松村大臣は、これまでにけが人が12人、家屋の倒壊が2棟、確認されているとした上で、自治体や関係機関と緊密に連携し、被害状況の速やかな把握やライフラインなどの早期復旧に全力であたるよう指示しました。
また「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)の発表を受けて「発生した場合、関東から沖縄県の太平洋側の広い範囲で、強い揺れや巨大な津波に襲われる可能性がある。後発地震は必ず発生するわけではないが、今後1週間、家具の固定など、日ごろからの地震への備えの再確認に加え、揺れを感じたら直ちに避難できる態勢をとってもらいたい」と述べました。
そして、多くの人が出入りする施設の管理者などに対しては「施設や設備の点検など、地震への備えを再確認するとともに、揺れを感じたら職員や利用者が直ちに避難できるような備えを徹底してもらいたい」と呼びかけました。
さらに自治体などには、住民らに迅速かつ正確な情報の伝達を行うことや備えの再確認を呼びかけることなどを求めました。