日本新聞: 宝塚歌劇団大劇場での公演再開組織風土の改善など焦点

宝塚たからづか歌劇かげき団だん大だい劇場げきじょうでの公演こうえん再開さいかい組織そしき風土ふうどの改善かいぜんなど焦点しょうてん

Dec 1, 2023 18:12

Furigana

宝塚たからづか歌劇かげき団だんに所属しょぞくする25歳さいの劇団げきだん員いんが死亡しぼうした問題もんだいで、中止ちゅうしとなっていた兵庫ひょうご県けんの本拠地ほんきょち「宝塚たからづか大だい劇場げきじょう」での公演こうえんが1日にちから再開さいかいされました。一方いっぽう、歌劇かげき団だんと遺族いぞく側がわとの協議きょうぎなどは続つづいていて、今後こんご、組織そしき風土ふうどの改善かいぜんなどにどのように取り組とりくむのかが焦点しょうてんとなります。

宝塚たからづか歌劇かげき団だんの宙ちゅう組ぐみに所属しょぞくしていた25歳さいの劇団げきだん員いんは、ことし9月つき、兵庫ひょうご県けん宝塚たからづか市しで死亡しぼうしているのが見みつかりました。

その後そのご、歌劇かげき団だんの本拠地ほんきょちである兵庫ひょうご県けんの「宝塚たからづか大だい劇場げきじょう」での公演こうえんは「複数ふくすうの出演しゅつえん者しゃが体調たいちょう不良ふりょうを訴うったえている」などとして中止ちゅうしとなっていましたが、1日にちからおよそ2か月かげつぶりに再開さいかいされました。

会場かいじょうには開演かいえんの2時間じかんほど前まえからファンが次々つぎつぎに集あつまり、ポスターの前まえで記念きねん撮影さつえいなどをしていました。

歌劇かげき団だんでは木場きば健之けんし理事りじ長ちょうの辞任じにんに伴ともない、1日にち付づけで阪急はんきゅう電鉄でんてつの取締役とりしまりやくの村上むらかみ浩ひろし爾なんじ氏し（56）が新あたらしい理事りじ長ちょうに就任しゅうにんしています。

高校生こうこうせいのころから通かよっているという大阪おおさか市しの70代だいの女性じょせいは「今回こんかいの問題もんだいの対応たいおう策さくを考かんがえるのは時間じかんがかかると思おもうし、遠とおくから訪おとずれるファンのことを考かんがえると公演こうえんの再開さいかいは妥当だとうではないかと思おもいます」と話はなしていました。

また、別べつの70代だいの女性じょせいは「完成かんせい度どの高たかい公演こうえんのためとはいえ、歌劇かげき団だんは劇団げきだん員いんにもっと休やすみをあげてもいいのではないかと思おもいます」と話はなしていました。

一方いっぽう、遺族いぞく側がわは11月つきに公表こうひょうされた調査ちょうさ報告ほうこく書しょの内容ないようを受うけて、「パワハラが否定ひていされたままで合意ごうい解決かいけつすることはありえない」として、歌劇かげき団だん側がわに対にたいし過重かじゅう労働ろうどうやパワハラを認みとめたうえで、謝罪しゃざいと補償ほしょうを行おこなうよう改あらためて求もとめています。

歌劇かげき団だんは現在げんざい、過密かみつな稽古けいこスケジュールや厳きびしい上下じょうげ関係かんけいなどの実態じったいを把握はあくするため、およそ400人にんの劇団げきだん員いん全員ぜんいんへの聞きき取とりを進すすめていて、今後こんご、遺族いぞく側がわへの対応たいおうや組織そしき風土ふうどの改善かいぜんにどのように取り組とりくむのかが焦点しょうてんとなります。

宝塚たからづか歌劇かげき団だん村上むらかみ新しん理事りじ長ちょう「誠実せいじつに取り組とりくむ」

1日にち付づけで新あたらしい理事りじ長ちょうに就任しゅうにんした宝塚たからづか歌劇かげき団だんの村上むらかみ浩ひろし爾なんじ氏しはNHKの取材しゅざいに対にたいし「このたびの宝塚たからづか歌劇かげき団だん生徒せいとの急逝きゅうせいにつきまして、ご遺族いぞくの皆様みなさまに、心こころよりお詫おわび申し上もうしあげます。このような事態じたいに至いたった経緯けいいをしっかりと受け止うけとめ、ご遺族いぞくのお気持きもちやお考かんがえを真摯しんし（しんし）にお伺うかがいし、誠実せいじつに理事りじ長ちょうとしての職務しょくむに取り組とりくんでまいる所存しょぞんです」とするコメントを出だしました。