新型しんがたコロナ “第だい8波は” 年末ねんまつ年始ねんしは? わかってきたこと【12/9】

亡なくなった人ひとの数かずも増ふえてきていて、12月つき8日にちには243人にんとなっています。

ただ、1週間しゅうかん平均へいきんの1日にちあたりの感染かんせん者しゃ数すうは、12月つきに入はいってから横よこばいの状態じょうたいが続つづいています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうは12月つき7日にち、「全国ぜんこく的てきには増加ぞうか速度そくどの低下ていかが続つづき、足元あしもとで横よこばいとなっている」と指摘してきしました。

いまの状況じょうきょうをどうみればいいのか。

手てがかりとなるのは感染かんせんの主流しゅりゅうとなっている変異へんいウイルスの状況じょうきょうです。

今いま、主流しゅりゅうとなっているのはオミクロン株かぶの「BA.5」。

ことし夏なつの「第だい7波は」を起おこしたものと同おなじです。

専門せんもん家かは、これまでの「第だい8波は」は、市中しちゅうに残のこっていた「BA.5」が再燃さいねんしている状態じょうたいだと考かんがえられるとしています。

実際じっさいに「第だい8波は」は「第だい7波は」での感染かんせん者しゃ数すうが比較的ひかくてき少すくなかった、北海道ほっかいどうや東北とうほくなどの地域ちいきから拡大かくだいしました。

今いま、この「BA.5」の感染かんせんが収おさまりつつあるため、感染かんせん者しゃ数すうは横よこばいのような状態じょうたいにあると考かんがえられています。

それが今いま、次つぎの主流しゅりゅうになりうるオミクロン株かぶの一種いっしゅ「BQ.1」系統けいとうなどの新あらたな変異へんいウイルスが増ふえ始はじめようとしていて、さらに拡大かくだいすることが懸念けねんされています。

「感染かんせん拡大かくだいが比較的ひかくてき先行せんこうした、北海道ほっかいどう、東北とうほく、北陸ほくりく甲信越こうしんえつなどで、頭打あたまうちあるいは減少げんしょうとなっている。ただ、その他そのたの地域ちいきでは遅おくれて感染かんせん拡大かくだいが始はじまっていて、特とくに大だい都市とし圏けんでは緩ゆるやかな増加ぞうかが続つづいている。全国ぜんこく的てきに見みるとやはり増加ぞうか傾向けいこうが続つづいていくとみられる。いまは『BA.5』が中心ちゅうしんだが、『BQ.1』の割合わりあいが徐々じょじょに増ふえていて、この割合わりあいがさらに増ふえていったときに影響えいきょうが出でてくると考かんがえられる」。

11月つき21日にちまでの1週間しゅうかんでは「BA.5」は73.5％でしたが、「BQ.1」は2.6％、「BQ.1.1」は9.3％と増加ぞうかしてきています。

ECDC＝ヨーロッパ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンターによりますと、「BQ.1」系統けいとうの割合わりあいは

▽フランスでは、11月つきに入はいってからは半数はんすうを超こえているほか、

▽スペインでは11月つき中旬ちゅうじゅんには75％を超こえるなど、

11月つき下旬げじゅんの時点じてんでヨーロッパの7か国かこくで最もっとも多おおい変異へんいウイルスになっているとしています。

「BQ.1」系統けいとうが多おおくなっても必かならずしも感染かんせん状況じょうきょうの悪化あっかにはつながっていないとしている一方いっぽう、一部いちぶの国くにでは感染かんせんが広ひろがりや重症じゅうしょう化かする人ひとの増加ぞうかにつながっているとしています。

さらに新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは、12月つき7日にちまでの1週間しゅうかんでおよそ45万まん9000人にんと、前まえの週しゅうのおよそ30万まん7000人にんから増加ぞうかし、亡なくなった人ひとも12月つき7日にちまでの1週間しゅうかんで2981人にんと、前まえの週しゅうの1844人にんから増加ぞうかしています。

「アメリカでは『BQ.1』系統けいとうが6割わりに達たっし、特とくに11月つき下旬げじゅんの感謝かんしゃ祭さいの休やすみ以降いこう、入院にゅういん患者かんじゃ数すうが増ふえている。ヨーロッパでも『BQ.1』系統けいとうが増ふえている国くにで重症じゅうしょう患者かんじゃが増ふえている国くにがいくつかある。データ上じょうは感染かんせん者しゃ数すうそのものはそれほど増ふえていない国くにもあるが、軽症けいしょうの感染かんせん者しゃを捕捉ほそくできていないだけで、実際じっさいには、感染かんせん者しゃ数すうそのものが増ふえていることも予想よそうされる。日本にっぽんではまだ『BQ.1』系統けいとうがあまり増ふえていないが、早々そうそうに波及はきゅうしてくるのではないかと考かんがえられる。日本にっぽんでも、新規しんき感染かんせん者しゃ数すうや重症じゅうしょう者しゃ数すうが増ふえることを想定そうていしておく必要ひつようがある」。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの鈴木すずき基はじめ感染かんせん症しょう疫学えきがくセンター長ちょうが12月つき7日にち、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうに示しめした資料しりょうによりますと、12月つき11日にちまでの1週間しゅうかんでは

▽「BA.5」が54％、

▽「BQ.1」系統けいとうが36％、

▽「BA.2.75」が8％、

▽「XBB」が3％になると推定すいていされています。

「BA.5」がことし夏なつの感染かんせん拡大かくだいを引き起ひきおこした際さいの増加ぞうかスピードには及およびませんが、徐々じょじょに「BQ.1」系統けいとうが増ふえていくという予測よそくです。

名古屋なごや工業こうぎょう大学だいがくの平田ひらた晃あきら正せい教授きょうじゅのグループは、AI＝人工じんこう知能ちのうを使つかって、新あらたな変異へんいウイルスの状況じょうきょうや12月つき5日にちまでの感染かんせん状況じょうきょう、ワクチンの接種せっしゅ状況じょうきょう、それに、ツイッターなどで出でてきた飲のみ会かいの開催かいさい状況じょうきょうなどの情報じょうほうを加くわえて、今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうを予測よそくしました。

一方いっぽうで、▽社会しゃかい活動かつどうが大おおきかった場合ばあいには12月つき下旬げじゅんには2万まん人にんを超こえ、1月つき上旬じょうじゅんにはおよそ2万まん8000人にんに達たっするという試算しさんが示しめされたということです。

「今後こんごの感染かんせん者しゃ数すうの推移すいいは私わたしたちの行動こうどう次第しだいだ。社会しゃかいの行動こうどうがいまと同おなじ程度ていどであれば、感染かんせん者しゃ数すうはゆっくりと上昇じょうしょうしていく可能かのう性せいが高たかいと思おもう。一方いっぽうで、忘年ぼうねん会かいなど年末ねんまつ年始ねんしで人ひとの交流こうりゅうが増ふえてくるので、これから上昇じょうしょうに転てんじる可能かのう性せいは十分じゅうぶんある。SNSの投稿とうこうを分析ぶんせきしていると、11月つき下旬げじゅんくらいから飲のみ会かいなどの開催かいさいが増ふえていて、これから昔むかしの友人ゆうじんと会あうといった機会きかいも増ふえると思おもうので、人ひとと人ひととの接触せっしょくの機会きかいは増ふえる。そういったときに、感染かんせん対策たいさくが十分じゅうぶんでなく、人ひとの行動こうどうも抑おさえられなかった場合ばあいには、『第だい7波は』に相当そうとうするような感染かんせん状況じょうきょうになる可能かのう性せいはある」。

東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅは、海外かいがいからの流入りゅうにゅうも想定そうていしておくべきだと指摘してきしました。

また、サッカーのワールドカップ、カタール大会たいかいが開ひらかれているカタールからの帰国きこく者しゃで、空港くうこうでの検疫けんえきで感染かんせんが確認かくにんされる例れいが相次あいついでいることも、懸念けねん材料ざいりょうだと指摘してきしました。

（東京とうきょう医科いか大学だいがく 濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅ）

「ワールドカップの会場かいじょうなどで新型しんがたコロナが流行りゅうこうしやすい状況じょうきょうがあったのではないかと考かんがえられる。新型しんがたコロナを疑うたがう症状しょうじょうがある場合ばあいには、空港くうこうでも自宅じたくに帰かえってからでもいいので、積極せっきょく的てきに新型しんがたコロナの検査けんさを受うけていただきたい」。

1医療いりょう機関きかんあたりの患者かんじゃ数すうは12月つき4日にちまでの1週間しゅうかんで全国ぜんこくでは0.13人にんと、流行りゅうこう入いりの目安めやすとされる「1」を大おおきく下回したまわっています。

新型しんがたコロナウイルスが感染かんせん拡大かくだいして以降いこう、おととし（2020）と去年きょねん（2021）はインフルエンザの感染かんせんが広ひろがりませんでしたが、12月つき4日にちまでの1週間しゅうかんでは38の都道とどう府県ふけんで患者かんじゃが報告ほうこくされています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうは、インフルエンザの流行りゅうこう状況じょうきょうは引き続ひきつづき低ひくい状態じょうたいではあるものの、関西かんさいを中心ちゅうしんに学級がっきゅう閉鎖へいさが散発さんぱつ的てきに起おきていて、注意ちゅういが必要ひつようだとしています。

また、WHO＝世界せかい保健ほけん機関きかんは11月つき28日にちの発表はっぴょうで「インフルエンザの感染かんせんは世界せかい的てきに増ふえてきている」として、特とくに北米ほくべいでは流行りゅうこうが急激きゅうげきに拡大かくだいしていると指摘してきしています。

濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅは「アメリカやイギリス、ポルトガル、ドイツなどでインフルエンザの感染かんせん者しゃ数すうが増ふえている。ことしは『A香港ほんこん型がた』と呼よばれるタイプが流行りゅうこうしていて、高齢こうれい者しゃでは重症じゅうしょう化かすることもあるため注意ちゅういが必要ひつようだ」と話はなしています。

休養きゅうようが重要じゅうよう。

▽手て指ゆびの消毒しょうどく、屋内おくないで人ひとと近ちかい距離きょりで会話かいわする場面ばめんなどではマスクを着用ちゃくようする。

▽飲食いんしょく店てんなどでは換気かんきを徹底てっていする。

濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅは、今いまの感染かんせん状況じょうきょうであれば、十分じゅうぶんな感染かんせん対策たいさくをとったうえで、忘年ぼうねん会かいや新年しんねん会かい、それに帰省きせいも可能かのうだとして、基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくやワクチンの接種せっしゅの大切たいせつさを強調きょうちょうしています。

「年末ねんまつ年始ねんしは移動いどうが増ふえ、人ひとと人ひととの接触せっしょく機会きかいが増ふえる影響えいきょうで感染かんせん拡大かくだいにつながることが考かんがえられる。家いえで過すごすようになって換気かんきがおろそかにもなり、感染かんせんが拡大かくだいする要素ようそになる。忘年ぼうねん会かいや新年しんねん会かい、帰郷ききょうといった予定よていのある方ほうは、ワクチンの追加ついか接種せっしゅをできるだけ考かんがえてほしい。今後こんご広ひろがる恐おそれがある『BQ.1』系統けいとうは免疫めんえきをすり抜すりぬける力ちからが従来じゅうらいの変異へんいウイルスよりも強つよいが、ワクチンが全まったく効きかないということではない。オミクロン株かぶに対応たいおうしたワクチンを接種せっしゅし、体からだの免疫めんえきを高たかめておくことで、『BQ.1』が体からだに入はいってきても防御ぼうぎょに効果こうかが出でると考かんがえたらよいと思おもう。冬場ふゆばの流行りゅうこうを拡大かくだいさせないためにはマスクも重要じゅうようだが、いちばんの切り札きりふだは部屋へやの換気かんきだ。定期ていき的てきに窓まどを開あけるなどして、流行りゅうこうの拡大かくだいを抑おさえてほしいです」。