また、ゼレンスキー大統領は新たに公開した動画で各国の支援に謝意を示したうえで「ロシアが準備している新たな動員の前夜を迎えたいまこそ、防衛を強化しなくてはならない」と述べ、ことしの早い時期にロシアが大規模な攻撃を行うことに改めて強い警戒感を示しました。
これまで死者は63人としていましたが、捜索の結果、新たに死者が確認され、この中には、部隊の副司令官も含まれているということです。 また、ロシア国防省は「禁止されているにもかかわらず敵の武器の射程範囲内で携帯電話を頻繁に使用したことが主な原因であることは明らかだ」としています。 国防省としては、携帯電話の位置情報から居場所が特定され攻撃されたとして、兵士らを含む関係者を処分するとみられます。
ロイター通信が3日に公開した現地の映像では、建物があったとされる場所にはコンクリートの壁が一部残されているだけとなり、大きく崩れたことが分かります。 この攻撃を巡り、ロシアの軍事専門家などからは、兵士を分散させずに大勢を1か所に集めていたことや、兵舎の地下に弾薬を保管していたことが被害の拡大につながったなどとして軍の指導部を批判しています。 また、独立系メディアなどは、死亡した人の中に動員された予備役も多く含まれていると伝えていて、今後こうした兵士の家族などからも軍への批判が広がる可能性も出ています。
また、ウクライナの国防省は3日、ロシア軍は、ドネツク州のウクライナ側の拠点の一つ、バフムト方面への攻撃を強めているとし、東部を中心に攻防が続いているとみられます。
ロシア国営の通信社は、この中にはドネツク州の州都に隣接するマキイウカにある軍の兵舎がウクライナ軍の攻撃を受け死亡した軍人も含まれていると伝えています。
「ユーラシア・グループ」は3日、恒例となっている「ことしの10大リスク」を発表し、最大のリスクとして「ならず者国家ロシア」を挙げました。 この中では、屈辱を受けたロシアが「グローバルプレーヤー」から世界で最も危険な「ならず者国家」になり、ヨーロッパやアメリカ、そして世界全体に深刻な安全保障上の脅威をもたらすだろうと指摘しています。 そして、侵攻から1年近くが経過し、ロシアには戦争に勝つための軍事的な選択肢が残っておらず、去年は戦争をウクライナ国内にとどめるよう注意を払い、NATO=北大西洋条約機構との直接対決を避けてきたものの、ことしは、プーチン大統領にはそうした余裕はないとしています。 その上で、戦術核兵器をウクライナにより近いところに移動させて公表する可能性があり、ロシアによる核の威嚇はこれまで以上に強まるだろうとも指摘しています。
日本が非常任理事国を務めるのは12回目で、国連加盟国の中で最も多く、今月は1か月ごとに交代する議長国となります。 石兼国連大使は「安保理の理事国の責任は、かつてないほど大きくなっている。私たちは法の支配を守るために国連憲章の原則を再確認し、安全と生活が脅かされている多くの人々のために何ができるかを考えなければならない」と述べ、ロシアによるウクライナ侵攻などが続くなか、国際社会の平和と安全の維持に取り組むと強調しました。 ウクライナ情勢や北朝鮮問題で大国どうしが対立し、機能不全に陥っていると安保理への批判が高まる中、非常任理事国として最も経験のある日本がどのような役割を果たすのか、問われることになります。
東部ドネツク州に住んでいたマティウシェンコ(44)さんは自宅がある地域が激戦地となったため戻ることができなくなり、キーウ近郊のブチャに建てられた仮設住宅で避難生活を続けています。
ブチャでは気温がマイナス10度を下回る日もあるということで、マティウシェンコさんは「残念ながらこの住宅は、冬での生活は想定されていません。電気が来なくなれば暖もとれません。かといって私たちはほかに行くあてもありません」と不安そうに話していました。
しかし、ロシアによる侵攻が始まって以来ウクライナの成人男性は原則として国外に出ることができないため今回は、国外に避難した家族と離れ離れで年を越した人も少なくありませんでした。 このうち首都キーウに住み、軍需工場で働くビクトルさんは(41)、妻と15歳と10歳の娘が隣国ポーランドに避難しているため、今月2日も缶詰などで夕食を準備し、いつもの年なら家族で囲んでいた食卓で1人で食事をとっていました。
ビクトルさんの妻は、一時、ウクライナに戻ることを考えたもののロシアによるミサイルや無人機での攻撃が相次ぎ、避難生活を続けるということです。 ビクトルさんは「最初は悲しかったですが、少し慣れました。家族と話すと感傷的になってしまいます。願うのは勝利だけです。勝利してはじめて家族を呼び戻すことができます」と話していました。
これは去年11月、プーチン大統領が戦地に派遣されたロシア兵の母親と面会した際に受けた要望の1つで、このほかにも今回、各政府機関などに対し、部隊に支給する装備品や制服などの改善状況についての報告や、戦地から戻った兵士に対する職業教育やリハビリといった支援、それに愛国的なドキュメンタリー映画の祭典を開催することなどを指示しています。 プーチン政権としては兵士の家族の声を受け止め、改善に向けた姿勢を改めて示す狙いがあるとみられます。
ルデンコ次官は、「反撃能力」の保有を明記した安全保障関連の3つの文書の決定や、防衛費増額の方針などを具体例として挙げた上で、「こうした動きが続くなら、ロシアへの軍事的脅威を阻止するため相応の対抗措置をとらざるを得ない」と警告しました。 また、北方領土問題を含む平和条約交渉について、「公然と非友好的な立場をとる国と議論することが不可能なのは明白だ」と述べ、ロシア側がウクライナ侵攻後の去年3月に平和条約交渉を中断すると一方的に表明したことを改めて正当化しました。 ロシアは、ウクライナ侵攻を受けて欧米と歩調を合わせるかたちでロシアへの制裁を科している日本に対して「非友好国」に指定するなど、強硬な姿勢をとり続けています。
ただ、キーウでは年末から年始にかけて連日のように防空警報が出され、そのたびに人々はこうした施設から近くにある地下シェルターなどに避難を余儀なくされました。
この調査は、先月4日から27日にかけてロシアが支配している地域を除くウクライナ全土で2005人を対象に行われました。 調査結果について研究所は「ロシアによる戦争が長期化してもウクライナ人が領土について譲歩しないという姿勢に揺るぎはない」と分析しています。 調査は去年5月から今回を含めて合わせて4回行われていて、「領土を譲歩すべきでない」と回答した人は4回ともすべて80%を上回っています。
メキシコ、エクアドル、ブラジル、アルゼンチンの中南米4か国では各国と外相会談を行い、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーや食料の価格高騰への対応や、鉱物資源の安定供給などをめぐり、連携強化を図りたい考えです。 また、アメリカでは、日本がことしから2年間、国連安全保障理事会の非常任理事国となり、今月は議長国を務めることから、ニューヨークの国連本部で法の支配をテーマに閣僚級の公開討論を主催します。 そして、ロシアによるウクライナ侵攻や中国の海洋進出を踏まえ、国際秩序を強化する重要性を訴える方針です。
ロシア国防省 マキイウカで死亡した兵士 89人と発表
ロシア 動員兵も多数死亡と報道 軍への批判広がる可能性も
ロシア軍 ドネツク州 バフムト方面への攻勢強める
ロシア中部で死亡したロシア兵の追悼式
ことしの10大リスク 最大のリスクは「ならず者国家ロシア」
日本が国連安保理 非常任理事国に 「責任大きい」
仮設住宅での年越し ウクライナ
国外避難で家族と離れて年越しも
プーチン大統領 兵士家族からの要望受け指示
ロシア外務次官「岸田政権 軍事化路線へ転換」と主張
連日の防空警報 避難余儀なく キーウ
「領土を譲歩すべきでない」85% ウクライナ世論調査
林外相 中南米4か国とアメリカ訪問へ 国連本部で公開討論も
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ゼレンスキー大統領 英首相らと電話会談 防衛強化など意見交わす