Japanese News: 地価東京都心の商業地上昇背景は? オフィス間競争激化も

地価ちか東京とうきょう都心としんの商業しょうぎょう地ち上昇じょうしょう背景はいけいは? オフィス間かん競争きょうそう激化げきかも

Mar 22, 2023 18:03

Furigana

ことし1月つき時点じてんの全国ぜんこくの商業しょうぎょう地ちの価格かかくは、プラス1.8％と２に年ねん連続れんぞくで上昇じょうしょうしました。去年きょねんは下落げらくしていた東京とうきょう都との一部いちぶの区くでも上昇じょうしょうに転てんじています。大型おおがたオフィスの供給きょうきゅうが増加ぞうかする一方いっぽう、専門せんもん家かからは、今後こんご、東京とうきょう都心としんなどでオフィスビルどうしの競争きょうそうが激はげしくなるという見方みかたも出でています。

東京とうきょう都心としん港みなと区くなどが上昇じょうしょうに転てんじる

東京とうきょう都心としんの千代田ちよだ区く、中央ちゅうおう区く、港みなと区くの商業しょうぎょう地ちは、新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいでオフィス需要じゅようが減少げんしょうするという見方みかたから、去年きょねんの地価ちか公示こうじではいずれも地価ちかが下落げらくしていました。

しかし、ことしは港みなと区くがプラス2.8％、千代田ちよだ区くと中央ちゅうおう区くがプラス2.1％といずれも上昇じょうしょうに転てんじました。

大型おおがたオフィスの供給きょうきゅう大幅おおはば↑

その背景はいけいにあるのが大だい規模きぼな再さい開発かいはつです。

東京とうきょう・中央ちゅうおう区く八重洲やえすの東京とうきょう駅前えきまえにオフィスや商業しょうぎょう施設しせつなどが入はいる大だい規模きぼ再さい開発かいはつビルが今月こんげつ全面ぜんめんオープンしたのをはじめ、都心としん部ぶは今後こんご、港みなと区くや渋谷しぶや区くなどで大型おおがたオフィスの供給きょうきゅうが予定よていされています。

不動産ふどうさんの調査ちょうさやコンサルティングなどを行おこなう「ジョーンズラングラサール」によりますと、千代田ちよだ区くや港みなと区くなど東京とうきょう都心としん5区くの大型おおがたオフィスの供給きょうきゅう面積めんせきはことし61万まん平方メートルへいほうめ-とる余あまりにのぼるとみられ、これは過去かこ20年ねんの平均へいきん供給きょうきゅう量りょうの34万まん平方メートルへいほうめ-とる余あまりを大おおきく上回うわまわっています。

さらにオフィス仲介ちゅうかい大手おおての「三鬼みき商事しょうじ」のまとめでは、千代田ちよだ区くや港みなと区くなど東京とうきょう都心としんの5区くにあるおよそ2600棟むねの先月せんげつの空そら室しつ率りつは平均へいきん6.15％となっています。

専門せんもん家かや業界ぎょうかいの間までは空そら室しつ率りつ5％が一般いっぱん的てきにオフィス需要じゅようを判断はんだんする際さいの目安めやすとされています。

専門せんもん家かからは、一部いちぶのビルで空そら室しつがうまらず、選えらばれるオフィスとそうでないオフィスとの差さが出で始はじめているという指摘してきも出でています。

独自どくじの取り組とりくみで高たかい入居にゅうきょ率りつ

こうした中なか、築ちく年数ねんすうの古ふるいビルでも、テナント側がわのニーズを継続けいぞく的てきにくみ取くみとることで、高たかい入居にゅうきょ率りつを維持いじしているビルもあります。

東京とうきょう・中央ちゅうおう区くにある築ちく90年ねんを超こえるビルは、今いまも空そら室しつは1部屋へやにとどまり、順調じゅんちょうにオフィスが稼働かどうしています。

その要因よういんのひとつが環境かんきょうに配慮はいりょした取り組とりくみです。

ビルを所有しょゆう・運営うんえいする会社かいしゃは企業きぎょうの環境かんきょう意識いしきが高たかまる中なか、オフィスビルに対にたいしても今後こんご高たかい省エネしょうえね性能せいのうを求もとめる傾向けいこうが強つよまるとみて海外かいがいの事例じれいなども参考さんこうにしながら15年ねんほど前まえから取り組とりくみを強化きょうかしてきました。

例たとえば

▽屋上おくじょうに遮さえぎ熱性ねっせいのある塗料とりょうを塗ぬって夏なつのビル内ないの温度おんど上昇じょうしょうを抑おさえる工夫くふうをしているほか、

▽ビルのエリアごとに温度おんどを制御せいぎょできる空調くうちょうを導入どうにゅうするなど省エネしょうえね対策たいさくを進すすめてきました。

さらに

▽電力でんりょくの使用しよう量りょうや二に酸化さんか炭素たんその排出はいしゅつ量りょうをロビーに表示ひょうじして、常つねに「見みえる化か」したり、

▽リサイクルしやすいようにゴミの分別ふんべつを細こまかくして13種類しゅるいに徹底てっていしたりするなど、入居にゅうきょ者しゃの環境かんきょう意識いしきにも働はたらきかける取り組とりくみを続つづけ、2018年ねんには、不動産ふどうさん関連かんれんでは世界せかい的てきな環境かんきょう認証にんしょうも取得しゅとくしました。

こうした取り組とりくみで、2021年度ねんどの電力でんりょくの使用しよう量りょうは2010年度ねんどよりも40％近ちかく削減さくげんできたということで、電気でんき代だいの値上ねあがりが続つづく中なか、使用しよう量りょうを根本こんぽん的てきに減へらしたことが、コスト削減さくげんにもつながっているといいます。

ビルを所有しょゆう・運営うんえいする会社かいしゃ「近きん三さん商事しょうじ」の森もり隆たかし社長しゃちょうは「新あたらしいビルとの競争きょうそうは、築ちく年数ねんすうの古ふるいビルにとってやはり大変たいへんだが、オフィスにはさまざまなニーズがあるので、そのビルのとりえをうまく生いかすことが重要じゅうようだ。これからも勉強べんきょうをしながら新あたらしいことに取り組とりくんでいきたい」と話はなしていました。