日本新聞: 体力・運動能力調査全国平均値男子は調査開始以降最低に

体力たいりょく・運動うんどう能力のうりょく調査ちょうさ全国ぜんこく平均へいきん値ち男子だんしは調査ちょうさ開始かいし以降いこう最低さいていに

Dec 24, 2021 17:12

Furigana

全国ぜんこくの小学しょうがく5年生ねんせいと中学ちゅうがく2年生ねんせいを対象たいしょうに、体力たいりょくや運動うんどう能力のうりょくを調しらべる今年度こんねんどの国くにの調査ちょうさで、50メートル走はしやボール投なげなど8項目こうもく合計ごうけいの全国ぜんこくの平均へいきん値ちが、男子だんしでは、小中こなか学生がくせいとも調査ちょうさを始はじめてから最もっとも低ひくくなったことが分わかりました。

スポーツ庁ちょうは、背景はいけいに新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいによる運動うんどう時間じかんの減少げんしょうとスマートフォンなどを見みる時間じかんが長ながくなったことがあると分析ぶんせきしています。

国くには平成へいせい20年度ねんどから、全国ぜんこくの小学しょうがく5年生ねんせいと中学ちゅうがく2年生ねんせいを対象たいしょうに50メートル走はしやボール投なげ、反復はんぷく横よことびなど8つの項目こうもくで体力たいりょくや運動うんどう能力のうりょくを調しらべ、生活せいかつ習慣しゅうかんについてもアンケートしています。

昨年度さくねんどの調査ちょうさは新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいにより中止ちゅうしになりましたが、今年度こんねんどはおよそ201万まん人にんを対象たいしょうに実施じっしされました。

この中なかで8項目こうもくの成績せいせきを数値すうち化かして、80点てん満点まんてんで集計しゅうけいした「体力たいりょく合計ごうけい点てん」の全国ぜんこく平均へいきんは、前回ぜんかいと比くらべて小しょう中学生ちゅうがくせいの男女だんじょでいずれも低下ていかし、中なかでも男子だんしは小中こなか学生がくせいともに調査ちょうさを始はじめてから、最もっとも低ひくくなりました。

具体ぐたい的てきには、中学生ちゅうがくせいの男子だんしの1500メートル走はしと女子じょしの1000メートル走はしが、いずれも7秒びょう余あまり遅おそくなったほか、30秒間びょうかんに腹筋ふっきんを繰り返くりかえす上体じょうたい起おこしでは小学生しょうがくせいの男女だんじょでいずれも0.9回かい少すくなくなりました。

また、生活せいかつ習慣しゅうかんのアンケートでは、体育たいいくの授業じゅぎょうを除のぞく運動うんどう時間じかんが1週間しゅうかんで420分ふん以上いじょうの子こどもの割合わりあいが減少げんしょうしている一方いっぽうで、テレビやスマートフォンなどを見みる時間じかんが1日にち2時間じかん以上いじょうの子こどもの割合わりあいが増ふえています。

具体ぐたい的てきには小学生しょうがくせいは男子だんしが62.4％、女子じょしが53.2％で、中学生ちゅうがくせいは男子だんしが70.1％、女子じょしが67.3％に上のぼり、前回ぜんかいの調査ちょうさと比くらべて3ポイントから7ポイント増ふえています。

スポーツ庁ちょうは、背景はいけいには新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで運動うんどう時間じかんの減少げんしょうやスマートフォンなどを見みる時間じかんの増加ぞうか傾向けいこうに拍車はくしゃがかかったのではないかと分析ぶんせきしています。

体力たいりょく・運動うんどう能力のうりょく調査ちょうさの結果けっかの詳細しょうさい

今年度こんねんどの体力たいりょく・運動うんどう能力のうりょく調査ちょうさの結果けっかの詳細しょうさいです。

体力たいりょく合計ごうけい点てん

8つの項目こうもくを数値すうち化かして80点てん満点まんてんで集計しゅうけいした「体力たいりょく合計ごうけい点てん」の全国ぜんこく平均へいきんは、

小学生しょうがくせいでは、

▽男子だんしが52.5点てんで、前回ぜんかいの調査ちょうさより1.1ポイント低下ていか、

▽女子じょしが54.7点てんで、0.9ポイント低下ていかしました。

中学生ちゅうがくせいでは、

▽男子だんしが41.1点てんで、0.5ポイントの低下ていか、

▽女子じょしが48.4点てんで、1.6ポイントの低下ていかとなりました。

このうち男子だんしは小中こなか学生がくせいともに平成へいせい20年度ねんどの調査ちょうさ開始かいし以来いらい、最もっとも低ひくくなりました。

各かく項目こうもくの結果けっか

各かく項目こうもく別べつにみますと、

▽30秒間びょうかんに腹筋ふっきんを繰り返くりかえす「上体じょうたい起おこし」は、

小学生しょうがくせい男子だんしが18.9回かい、小学生しょうがくせい女子じょしが18.1回かいと、いずれも前回ぜんかいと比くらべて0.9回かい低下ていかしました。

▽「20メートルシャトルラン」では、

小学生しょうがくせい男子だんしは46.9回かいと前回ぜんかいより3.4回かい低下ていかし、小学生しょうがくせい女子じょしは38.2回かいと2.6回かい低下ていかしました。

▽中学生ちゅうがくせいの「持久走じきゅうそう」は、

男子だんしの1500メートルが6分ふん47秒びょう2と、前回ぜんかいより7秒びょう2遅おそくなり、女子じょしの1000メートルが4分ふん58秒びょう3と、7秒びょう7遅おそくなりました。

▽「反復はんぷく横よことび」は、

小学生しょうがくせい男子だんしが40.4点てんで1.3点てんの低下ていか、小学生しょうがくせい女子じょしが38.7点てんで1.4点てんの低下ていかとなりました。

このほか、「ボール投なげ」は小学生しょうがくせい男子だんしが20.6メートルと1メートル短みじかくなったほか、「握力あくりょく」や「50メートル走はし」、それに「立たち幅はばとび」では、中学生ちゅうがくせいの男子だんしを除のぞいて低下ていか傾向けいこうにあります。

一方いっぽうで「長座ちょうざ体たい前ぜん屈」はおおむね向上こうじょうしたということです。

生活せいかつ習慣しゅうかん

子こどもたちの体育たいいくの授業じゅぎょうを除のぞく1週間しゅうかんの運動うんどう時間じかんは、420分ふん以上いじょうの割合わりあいが

▽小学生しょうがくせい男子だんしで47.8％、

▽小学生しょうがくせい女子じょしで28.3％、

▽中学生ちゅうがくせい男子だんしで77.6％、

▽中学生ちゅうがくせい女子じょしで57％と、前回ぜんかいと比くらべて、3ポイント前後ぜんご減少げんしょうしています。

これに対にたいして、平日へいじつにテレビやスマートフォン、ゲーム機きなどを見みている時間じかんが、1日にち2時間じかん以上いじょうの割合わりあいが、

▽小学生しょうがくせい男子だんしで62.4％、

▽小学生しょうがくせい女子じょしで53.2％、

▽中学生ちゅうがくせい男子だんしで70.1％、

▽中学生ちゅうがくせい女子じょしで67.3％と、前回ぜんかいと比くらべて3ポイントから7ポント増加ぞうかしています。

特とくに男子だんしでは、1日にち5時間じかん以上いじょうの割合わりあいが小学生しょうがくせいは15.9％、中学生ちゅうがくせいは14.6％にのぼり、時間じかんが長ながくなる傾向けいこうがみられるということです。

専門せんもん家か「体からだを動うごかすことの価値かち伝つたえるべき」

今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかについて、子こどものスポーツ学がくが専門せんもんで結果けっかの分析ぶんせきに関かかわった中京ちゅうきょう大学だいがくの中野なかの貴博たかひろ教授きょうじゅは「特とくにシャトルランや持久走じきゅうそうといった、運動うんどう時間じかんが長ながい項目こうもくほど低下ていか傾向けいこうがみられている。新型しんがたコロナの影響えいきょうで仲間なかまや友達ともだちとの接点せってんが大幅おおはばに制限せいげんされ運動うんどうするという行動こうどうにブレーキをかけたことも低下ていかの要因よういんとして考かんがえられる」と分析ぶんせきしています。

そのうえで「日常にちじょう的てきに運動うんどうに親したしむようにしておけば、限かぎられた中なかでも運動うんどうする時間じかんを確保かくほする方向ほうこうに向むかうだろう。黙だまっていて自然しぜんと体力たいりょくが上あがっていくことにはならないので、体からだを動うごかすことの価値かちを伝つたえていかないといけない」と述のべ、学校がっこう現場げんばや保護ほご者しゃに対にたいし運動うんどうすることの重要じゅうよう性せいを子こどもたちに伝つたえる取り組とりくみを進すすめるべきだと指摘してきしています。